南アフリカランド (ZAR )の特徴。値動きの傾向と取引する時の注意点。

FXの通貨ペアはメジャーとマイナーに分かれており、大抵のトレーダーはメジャーな通貨ペアで取引します。

しかし取引できる通貨はトレーダー本人が選べるため、マイナーな通貨にも手を出したいと考えている方は多いでしょう。

マイナーな通貨も様々ですが為替相場において特徴的なマイナー通貨に南アフリカランドがあります。

もちろんマイナーな通貨は他と特徴が違うため理解して取引しなければいけません。

では南アフリカランドはどのような通貨であり、どう取引していけばいいでしょうか。

南アフリカランドとは

南アフリカランドは名称から分かるように南アフリカで使われている通貨です。

このまま読むと流石に長いためFXの世界ではランドと略して呼ばれています。

一言でアフリカと称しても構成する国は様々であり使われる通貨も違うのです。

アフリカに行ったことのない方はあまりイメージは湧きませんが、南アフリカはアフリカの中で最も経済が進んでいる国となっています。

地理的な関係か南アフリカでメインとして扱われる資源は鉱物となっており金にプラチナ、ダイヤモンドといったものが採れるのです。

単に採れるだけでなくこうした鉱物が発掘される量も世界的にトップクラスへ入ります。

普段金やダイヤモンドといった鉱物は高価なものとして扱われるため、それによってもたらされる利益は計り知れません。

南アフリカランドの表示について

取引する際に意識する必要はありませんが画面の表示を見て判断をする関係上、南アフリカランドの表示について理解しておいた方がいいでしょう。

FXの取引画面では通貨が3文字のアルファベットで表示されています。

これは通貨コードと呼ばれるものであり、見易さを考慮して使われているのです。

大抵は国の名前で表されているものであり、一見は分からないものでも別の名称で表示されていることは珍しくありません。

しかし南アフリカランドの場合、アルファベット3文字はZARとなっています。

英語の知識があれば分かるように南は「Sotuh、サウス」でありAはアフリカを表すため本来であればSARとなるのが正しい表記です。

実はSAという表記は南アフリカランドが登録するより前、既にサウジアラビアが使っていました。

そのため南アフリカは同じSAを使うことができず、南の表現を英語ではなくオランダ語のZuidにしてZARとしたのです。

FXにおける南アフリカランドの特徴は

他のメジャーに比べ、南アフリカランドはかなり違った特徴を持ちます。

通貨で一番必要証拠金が少ない

マイナーな通貨な故、取引する通貨ペアはほとんどがランド円になります。

ランド円のレートを見れば分かるように現在は僅か数円と他の通貨ペアと比較して遥かにレートが低いのです。

昔はまだ数十円ありましたが、国内の不安もありランドは下落がしやすく現在ではここまでレートが落ちてしまいました。

為替相場という観点から見るとランドはそれだけ価値のない通貨と見られているのでしょう。

しかし取引においてレートが低いのは悪いことばかりではなく、レートの数値は必要証拠金に影響が出ます。

ランドのレートはかなり低いため、必要となる証拠金も他の通貨と比べ遥かに少ないのです。

レバレッジなしでも8万程度と10万にすら届かず、25倍のレバレッジとなれば僅か3000円の金額になります。

ドル円は25倍で4万程度なため、ドル円を1枚持てればランド円はその10倍程度持てることになるのです。

取引量を多くすればその分差額の利益とスワップポイントでもらえる金額が多くなります。

取引量を多くしやすいという特徴がランドで取引する最も大きな利点でしょう。

相場がほとんど動かず、スプレッドも広い

取引量を多くできるため短期間で一気に稼げる、と考えがちですが残念ながら現実はそう甘くありません。

ランド円のチャートを見てもらえれば分かるように、ランドが含まれる相場はほとんど動かないのです。

1分足のチャートを見てみるとローソク足の形成からされていない箇所が出るのも珍しくありません。

1日で見ると10銭動けば動いた方といえる程です。

更にランドはマイナーな通貨なためスプレッドも広く設定されています。

業者のよりますが大抵は10銭以上設定されていることが多いでしょう。

ただでさえ動かないのにスプレッドも広いため短期取引で利益を得ることは不可能に近いのです。

金利は高いがスワップポイントはそこまで多くない

基本的にマイナーな通貨はトレーダーに取引してもらうため、金利を高く設定するケースが多いです。

ランドも例外ではなく金利が高く設定されています。

そのためスワップポイントが全体で見れば高い…と思いがちですが、実は違うのです。

実際FXで取引するために業者選びをしていれば分かりますが、ランド円でも他と比較すると遥かにスワップポイントの低い業者も多くなっています。

大抵は8から15円程度であり、他の高額な通貨ペアと比べて明らかに低くなっています。

よくネットでは「南アフリカランドのスワップポイントは高い」と書かれていますが、業者選びをしていれば「え?」と疑問に出てくる方も多いでしょう。

一方で数値だけみればランドのスワップポイントが高く設定されているところも存在します。

しかしランドは他の通貨と違い表示の仕方が変えられている可能性もあるのです。

一見高くても1万通貨ではなく10万通貨の数値として表示されており、実質低いというケースもあります。

ランドの含む通貨ペア、ランド円で取引を考える場合はこの業者による表示の変化にも気をつけましょう。

惑わされると取引しようとした際戸惑って思わぬ失敗をしてしまう可能性があります。

ランドの相場が動く情報は何か

相場がほとんど動かないランドですが、もちろん何かしら動きに影響を与える情報があるのは確かです。

主に以下の情報がランドの動きに関わってきます。

資源に相場が左右される

先ほども書いたように南アフリカは鉱物による資源で経済が成り立っている国です。

そのため通貨であるランドも資源の価値に左右されます。

取り扱っていれば分かるように、宝石というのは価値が一定ではなく為替相場と同じく常に変わっているのです。

国内でいえば金が有名であり、実際に売買した経験がある方は分かりやすいでしょう。

宝石の価値が下がってしまえばそれによって得られる利益も減ってしまいます。

鉱物の価値が下がれば、ランドの相場にも下落という形で表れるのです。

過去にも資源の価値が下がってしまったことで相場が大きな下落をした時もあります。

それだけランドは資源の価値に左右されるのです。

ランドで取引する場合は金やダイヤモンドといった扱っている鉱物の価値も同時に確認しましょう。

しかし金に関しては年々採掘される量が減ってきており、影響力も弱まっています。

将来的に金の影響がほとんど出ない可能性も出てくるでしょう。

金以外の鉱物も無限とは限らず今後何かしら採掘される量が減り影響を与える可能性はあります。

ランドで取引する時はこのように時代が進んで出てくる鉱物の影響についても視野に入れておきましょう。

国内に不安があるため下落しやすい

アフリカの中で南アフリカは経済規模が大きくなっています。

しかし経済規模は大きいのですがランドのレートを見れば分かるように決して安定している国ではありません。

現在南アフリカは失業が大きな問題となっており、失業率が30%近くなっていると他の国と比較しても高いです。

失業率が高くなってしまう原因は様々ですが、南アフリカは共和国ゆえ様々な人種が暮らしている国になっています。

しかしまだまだ人種による問題は尾を引いており、失業を始め教育という形でも表れているのです。

ドル円を見れば分かりますが雇用統計は相場の動きに大きく影響を与える情報になっています。

何より失業の多さは経済にも影響を与えるため、南アフリカの経済自体にも問題が出てしまうのです。

失業による問題がどのように動くかもランドの相場へ影響を与えるポイントとなるでしょう。

また問題は単なる経済や教育といったものではなく犯罪によるものもあります。

南アフリカは決して治安がいいといえず、凶悪犯罪も当たり前のように起きているのです。

治安が悪ければ国としての安定性にも問題が出るため、その分通貨としての価値にも影響を与えるでしょう。

アフリカによる影響にも気をつける

南アフリカはアフリカの一部なため、アフリカ自体の情報にも気をつけましょう。

南アフリカは治安はよくありませんがそれでもアフリカとして見るとまだいい方ではあります。

アフリカではまだまだ社会が安定していない国も多く、アフリカの一部として存在する以上南アフリカにもその影響は出てくるのです。

ランドで取引する場合は南アフリカだけでなく他にどのような国があるかも理解し、情報を確認していきましょう。

南アフリカで注目する経済指標

重要な経済指標が相場に影響を与えるのはランドも例外ではありません。

しかしランドの場合はすぐ相場に反映されるとは限らず時間をかけてジワジワと表されるケースも考えられます。

そのため発表されて変化がないから影響がないと安易に考えるのはやめましょう。

注目すべき経済指標は他と同じようにやはり政策金利があります。

南アフリカによる政策金利はSARB、南アフリカ準備銀行により行われるものであり発表は月の下旬です。

ランドは証拠金の少なさから取引量を多くできるためスワップポイントがどのように変化するかも重要な情報となります。

発表される時間帯は23時辺りと日が切り替わる直前になるため、夜遅くに取引する方は気をつけましょう。

他にも資源を輸出しているため貿易や消費、生産といった情報も重要になってきます。

特に国内総生産は他の国と同じように重要なため、意識した方がいいでしょう。

発表されるのは午後6時30分辺りとロンドン市場の時間帯になり政策金利とも大きく異なるため気をつけましょう。

南アフリカランドはどう取引していくべきか

基本的に南アフリカランドの取引はランド円での取引となります。

そのためランド円を基準に取引のやり方を考えていきましょう。

スプレッドも比較して業者を選ぶ

マイナーな通貨ではありますがランド縁を取り扱っている業者は少なくありません。

そのため業者を探すのに苦労はしないでしょう。

探すのに苦労しない分、選ぶ場合は情報を比較していくことが大事です。

ランド円はランドのマイナーさとクロス円が合わさってスプレッドが広がりやすくなっています。

その分業者によりスプレッドの広さは大きく異なるでしょう。

スワップ狙いであれば重要視しなくても構いませんが、差額の利益を狙う場合はスプレッドの広さが利益の多さに関わってくるため無視できません。

スプレッドの比較をしていくことになりますが、ランド円は時々キャンペーンで業者が縮小する時期もあります。

しかしキャンペーンは時期限定なため、縮小したのを基準にすると終わった後に広いスプレッドて取引していかなければならない、という事態になるでしょう。

そのため元々のスプレッドを比較していくようにしてください。

メインで取引する通貨にはしない

相場があまり動かないためランド円はメインで取引していく通貨ペアとしておすすめしません。

基本的にランド円は相場が動く時を狙って取引することになるため、それ以外の時は別の通貨ペアをメインに取引した方がいいです。

ランド円自体はマイナー寄りの通貨なため、メインにする通貨ペアはメジャーな種類にした方がいいでしょう。

もちろん取引するタイミングを見計らうため、メインの取引をする傍らランドに関係する情報集めを忘れてはいけません。

スワップポイントは証拠金の少なさから取引量を多くして狙う

スワップポイント狙いであれば他にも高額な通貨ペアは多くあるため、通常であればそちらのポジションを持った方がいいです。

しかしランド円は証拠金はかなり少ないという大きな利点があります。

取引量によっては他の通貨ペア以上にもらえる可能性もなくはないため、ランド円でスワップポイントを狙う場合は取引量を多くしましょう。

しかし無闇に多くすると不意な動きで大きな損失を出す可能性があるため資金に余裕を持たせた取引量にした方がいいです。

ある程度資金がなければ取引量も多くできないため、必要証拠金が少なくてもスワップ狙いの場合は相応の資金を用意しなければいけません。

ランドに手を出すのはFXに慣れてから

普段の相場が動かないためランドで取引して利益を出すのにはFXに関する十分な知識とテクニックが必要です。

そのため初心者は手を出さない方がいいでしょう。

もしランドで取引を考える場合はまずメジャーな通貨で取引をして慣れてからにした方がいいです。

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