FXで取引できる通貨を見ていけばドル、円、ユーロの次に目へ入ってくるのが豪ドルでしょう。
基軸通貨に劣るものの豪ドルはFXにおいてメジャー寄りの通貨であり、手を出すトレーダーも少なくなくありません。
取引する理由はトレーダーによりますが、円と組み合わさった豪ドル円に手を出すケースが多いでしょう。
しかし基軸通貨と同じ感覚で取引すると痛い目を見てしまうのが豪ドル円です。
では豪ドル円はどのような通貨ペアであり、どう取引していけばいいでしょうか。
目次
豪ドル円とは
豪ドル円はオーストラリアで取り扱っている豪ドルと円が組み合わさって構成された通貨ペアです。
オーストラリアは漢字で表すと豪になりオーストラリアドルだと長くなってしまうため、豪ドルという形で表現されています。
基軸通貨ではないためドルやユーロに比べると普段生活している中で見かけない通貨ですが、実はFXの世界においてメジャーとも呼べる通貨なのです。
通貨の取引量はドルがトップでその後にユーロ、円、ポンドと続きますがその次が豪ドルとなっています。
そのためFXにおいてはポンドに次いでよく取引される通貨という立場にあるのです。
取り扱われている国のオーストラリアは先進国であり、経済も大きいとはいえませんが成長を続けている程安定しています。
特に金融業を始めとしたサービス業が大半を占めており、今も成長を続けているのです。
一方資源は豊富で石炭や原油を中心に海外へ輸出しているため、輸出でもたらされる貿易の影響も大きく受けます。
FXにおける豪ドル円の特徴は
スワップポイントが特徴として有名な豪ドルですが、全体として見るとメジャーから一歩引いたという表現が相応しい通貨といえます。
そのため豪ドル円にも特徴として表れているのです。
メジャーな通貨ペアに比べ必要証拠金が少ない
レートを見れば分かるようにドルやユーロと違い豪ドル円は100円を切っています。
その分価値はないとされていますが、FXにおいてレートの低さは証拠金の少なさに繋がるのです。
100円を切っているとはいえ他のマイナー通貨に比べると豪ドル円は決して少なくありません。
しかし大抵はドルより一回り少ない金額で取引できると考えていいでしょう。
ドルがレバレッジ25倍で4万程度となれば、豪ドルは3万程度と1万近く少ない金額で取引できます。
レバレッジによっては更に差が開くため、ドル円より少ない証拠金は意外と大きなものになるのです。
よく相場が動く
豪ドル円はドル円に比べると相場がよく動きます。
豪ドル円以上に動く通貨ペアも多く存在するため、豪ドル円の場合は適度によく動くと考えるのが正しいです。
相場の値動きはそれだけ差額による利益を多くできるチャンスなため、豪ドル円はドル円以上に短期で利益を得られる通貨ペアとなります。
しかしよく動くということは取引のやり方を間違えた時に出る損失も大きくなってしまうということです。
そのため豪ドル円はドル円以上にリターン、リスク共に高い通貨ペアといえるでしょう。
スプレッドは全体的として見れば狭い傾向にある
豪ドル円は円が含まれている通貨ペアなためクロス円に該当します。
クロス円はドルの取引もされているためスプレッドが広くなりやすい傾向にあり、豪ドル円も例外ではありません。
しかしメジャーな通貨と比較すれば確かに広いのですが、他のマイナー通貨に比べるとスプレッドはそこまで広くないのです。
そのためか業者によりスプレッドは大きく異なり、中にはメジャーとほとんど変わらない広さで取引できるところもあります。
逆に他のマイナーと同じ程度広く取られているところもあるでしょう。
相場はよく動くため適度にスプレッドが狭ければ、その分短期取引による利益も期待できます。
スワップポイントが高めに設定されている
豪ドルの特徴といえばよく挙げられるのがスワップポイントの高さです。
実際オーストラリアは金利を高く設定しているため、それが反映された形となります。
しかし豪ドルでスワップポイントが誇れるのは昔の話です。
現在豪ドル以上にスワップポイントの高い通貨が表れたため、豪ドル円でスワップポイントが高いとはいえなくなりました。
最近ではメジャーな取引先であるドル円もスワップポイントが高くなったため、豪ドル円の強みが潰されてしまっています。
しかしそれでも豪ドル円のスワップポイントが一定の高さを持っている点は変わりません。
何よりスワップポイントの高い通貨はほとんどが豪ドル以上にマイナーであり相場は不安定になりやすいです。
ドル円も現在は金利を高くしていますがまた下がる可能性はあります。
一方で豪ドルは金利を一定に保っており相場もよく動くが急変はしないため、安心してポジションの保持ができるのです。
高さこそ他に負けていますが、元々高かったポジションにいたからこその安定性が現在の豪ドル円にある強みといえるでしょう。
豪ドル円は相場でどう動くのか
豪ドル円はメジャーとまた違った理由で動くため同じ感覚でいると痛い目を見てしまいます。
以下の動く要員を理解して豪ドル円の取引をしましょう。
午前中によく動く
基本的に為替相場は時間が経つごとにトレーダーの参加者が増えて相場が動きやすくなります。
そのため普段は動かないとされるドル円はロンドン市場で動きが出てきて、ニューヨーク市場で活発に動くのです。
一方で東京市場はほとんどトレーダーが参加しないため相場の動かないことが多くなっています。
しかし豪ドル円の場合は話が別であり、東京市場の午前中によく動くのです。
理由として基本的な市場は3つなものの、更に為替相場ではオセアニア市場と呼ばれる時間帯があります。
午前の9時から10時辺りはオセアニア市場に該当し、オーストラリアはオセアニアの国なため相場に大きな影響が出るのです。
午前が終わると豪ドル円の相場も落ち着いてほとんど動かなくなります。
そのため豪ドル円で取引して利益を出すチャンスはメジャーな通貨と違い午前中にあるのです。
もちろん他の時間帯が動かないわけではなくニューヨーク市場になれば他の通貨ペアと同じように動きを見せます。
午前中によく動きますが午前中「だけ」と勘違いしないように気をつけましょう。
資源の価格に影響を受ける
サービスに関わるビジネスが成長していますが、オーストラリアで輸出が重要なのは変わりません。
しかし資源というものは常に同じ価値があるものではなく為替相場と共に変わります。
有名なのは金や銀といった鉱物ですがオーストラリアが取り扱っている原油や鉄鉱石も例外ではありません。
豪ドル円は取り扱っている資源の価格が相場の変動に影響を与えるのです。
豪ドル円で取引する場合は取り扱っている資源における情報も集めましょう。
銀行関係の情報に気をつける
スワップポイントの高さが特徴とされる豪ドル円ですが、それ故に銀行の関わる情報は相場に大きな影響をもたらします。
オーストラリアの銀行はRBAと呼ばれるところであり、政策金利の発表がされるのも他の国と変わりません。
銀行による政策金利は月初めの火曜日、午後1時30分に発表されるのが基本です。
豪ドル円が活発に動く時間帯と被っていませんが、発表されれば普段動かない時間帯でも大きな変動を見せる可能性が高くなります。
政策金利がある日は午前の動く時間帯が終わった後でも油断せず、ポジションを持っていた場合は決済しておいた方がいいでしょう。
政策金利以外にも銀行から何かしら発表、発言はあるためそちらも注目しておくといいです。
政策金利は被ってませんが他の経済指標は大体が9時30分か10時30に発表されることが多くなっています。
意識しておかないと急激な変動に振り回されてしまうため取引前は必ず何か経済指標がないか確認しておきましょう。
中国に関わる情報も確認する
豪ドル円で取引する場合はオーストラリアの情報だけでは不十分であり、同時に中国の関わる情報にも気をつけましょう。
基本的に国というのは隣り合う、近くの国から影響を受けやすいものです。
しかしオーストラリアと中国は離れているため、一見すれば何故関係があるか疑問に感じる方もいるでしょう。
オーストラリアは資源を輸出していますが、最大の輸出相手が中国なのです。
そのため輸出先の中国で何か起こればオーストラリア、豪ドル円にも影響が出ます。
中にはオーストラリアの経済指標より大きな変動を見せるケースも珍しくありません。
豪ドル円で取引する場合はオーストラリアだけでなく中国の経済指標も確認しましょう。
リスクオン、リスクオフに気をつける
豪ドル円で取引する時はリスクオン、リスクオフにも気をつけましょう。
知らない方から見れば分からない言葉ですが、単に市場において景気がいいか(リスクオン)悪いか(リスクオフ)と考えれば問題ありません。
基本的にリスクオンであれば相場が上昇、リスクオフであれば相場が下落しやすいです。
他の通貨ペアにもいえることですが、特に豪ドル円は影響を受けやすい通貨ペアとなっています。
そのため相場が現在どちらの傾向にあるか分析するのは重要です。
逆に分析して判断できれば今の状況に乗っかって利益を出すチャンスとなります。
豪ドル円でどう取引するか
経済指標を始めとした情報でどう動くかを見極めるのは大切ですが、トレーダー本人もどう取引するか考えるのは重要です。
取引する目的を定める
豪ドル円は相場がよく動き、スワップポイント狙いの取引もできる通貨ペアです。
差額の利益狙い、スワップポイント狙いと様々なやり方に対応できます。
そのため豪ドル円で取引する時はまず何を目的に取引をするか自分で決めましょう。
定めず中途半端に取引するとどれも上手く行かない可能性が高いです。
メインで取引せずスワップポイント目的でポジションを保持するか、スワップは無視して差額の利益を狙うか考えましょう。
差額の利益を狙う場合だと相場の動きがあるため短期、長期取引のどちらにも対応できます。
取引のやり方で戦略も変わってくるため、臨機応変に対応できれば話は別ですが、始めたばかりの頃はどちらかに絞った方がいいです。
少額取引で様々な取引を試し、自分にはどのスタイルが合っているか確かめるのも悪い選択ではありません。
どれにしても目的は決めて取引しましょう。
早起きを心がける
豪ドル円は午前の9時から11時に動く通貨ペアです。
そのため朝早く起きなければ動く時間帯に取引できません。
生活スタイルにもよりますが中には午前中々起きれないトレーダーもいるでしょう。
もし豪ドル円で取引したいと考える場合はチャンスを逃さないために早起きを考える必要があるのです。
睡眠のサイクルは本人の生活も関わってくるため、豪ドル円で取引を決めたら早起きできるような生活を心がけましょう。
スワップポイントを狙う場合は相場が上昇傾向にあるか確認する
豪ドル円でスワップポイントを狙う場合、ポジションは必ず買いで入ることになります。
下落している時に買いで入るとスワップポイントで補えない損失が出てしまうでしょう。
そのためスワップポイント狙いの場合は買いで入っても大丈夫、相場が上昇している時に入るのが基本です。
上昇している相場というのは上昇トレンドとなるため、トレンドの発生を分析することになります。
分析方法は他の通貨ペアと変わらないため、トレーダーがトレンドの分析をできるようにしておく必要があるでしょう。
逆にトレンドの分析ができない方は先にメジャーな通貨ペアで練習しておいた方がいいです。
ドル円の動きも確認して取引の判断をする
豪ドル円はクロス円でありドルの取引も行われています。
相場の流れがよく動くのはドルの影響もあり、豪ドル円で取引する時はドル円の動向にも気を配らなければいけません。
取引する時は同時にドル円のチャートもどのような状況になっているか確認しましょう。
マイナー通貨の入門として
メジャーな通貨に比べると豪ドルは取引量はそこまで多くありませんが、他のマイナーな通貨に比べると豪ドルはまだまだメジャー寄りの通貨として取引できます。
一方でマイナーな側面もあるため他のマイナー通貨に挑む前の入門にもできるのです。
マイナー通貨の取引を考える場合、まずは豪ドル円での取引を考えてみましょう。