最近、子どもの引きこもり以上に問題になってきているのが、大人の引きこもりです。
もう子供がいてもおかしくないような年齢の人たちが、家から一歩も出られず、親のすねを未だにかじって、生きていることが問題視されています。
親のすねをかじっている事も問題ですが、一番問題視されているのは、引きこもりになってしまった人の中には、若いころ引きこもりになり、そのまま年齢を重ねて、大人になってしまっている人がいることです。
そういった人の多くが、働き方も分からないので、現在も仕事をせず、親の年金で暮らしています。
今回は働いたことがない、大人の引きこもりの解決法について家族ができることを、紹介していきたいと思います。
目次
長年引きこもりを続けてしまう理由は何
まだ20代、30代の若さならともかく、40代以上ともなると、周りもどう接していったらいいのか分からないですよね。
どうしてここまで、引きこもりが長引いてしまったのでしょうか。
人間関係が不安
引きこもりを続けてしまう最大の理由は、人間関係に不安を抱いていて、外の世界が怖くなってしまっていることです。
大人の引きこもりの中には、若い時に引きこもりになって、そのまま何年、何十年と過ぎてしまっている人が多くいます。
そういった人は特に、その期間外出せず、家族としか会話をしてこないので、余計に家族以外の人と話すことを不安に感じます。
また、元々は小さな人間関係の不安だったものが、何年も家に引きこもっているうちに、頭の中で勝手に不安が莫大になり、今ではだた漠然に外に出来る事を嫌がってしまっていることもあります。
また、長期間、集団生活から離れて生活しているうちに、人と接せずに生きる事が当たり前になってしまっていることも原因の一つです。
誰だって、長期間、自分の事を分かってくれる家族としか会話をしてこなかったら、それ以外の人と話すのは怖くなってしまいますよね。
家族なら遠慮も何もなく話せても、他の人と話す時は、緊張したり、気を使ったりしないといけないので、長年やっていないと、会話の面でも不安は多いです。
外にでるのが億劫になる
ずっと引きこもりを続けていると、外に次第に出なくなっていきます。
それは家の中では服装も、メイクも、髪型も気にすることはありません。しかし外に行くと、そうはいきません。
こういったことが理由で、あまりにも家の中が快適すぎるため、外にでる準備をしたり、外での振る舞いを考えると、余計に外にでるのが億劫に感じてしまうんです。
また近所の人から、どう思われるかが気になって出られなかったり、ただ何年も家にいることが習慣になってしまっていたり。
これだけ見ていると、脱出させるのは難しく感じてしまいますよね。
しかし実は、こういった外にでるのが億劫になっているだけの理由の人は、ただ習慣で家にいることが当たり前になっている可能性もあります。
この場合、外に出る習慣さえつけると、意外にすぐ外に出られるようになることもあります。
働きたくない
一番やっかいな引きこもりの理由は、引きこもり本人が、働きたくないと思ってしまっていることです。働きたくないと思い引きこもりになり、その生活を何十年も続けてしまっています。
この場合、復帰するのは難しいです。なぜなら働きたくないという意思通りに、彼らは生活しているだけだからです。
そんな人に働きなさいと言っても、すぐにはこの快適な暮らしを手放すことはできないでしょう。
誰でも楽なことをして生きてこれたのなら、無理にその生活を崩そうなんて思いませんよね。
ましてや何年もこの暮らしが当たり前と思って生きてきたなら、復帰はかなり難しくなっていきます。
本人が働く意思を固く持たないことには、問題は解決しません。家族だけで解決しようとせず、支援の手を借りる事も必要になってきます。
大人の引きこもりたちに、共通していること
引きこもりから中々脱出できない大人たちには、ある共通点があるんです。その気持ちが原因となって、働かないとと思う気持ちにストップをかけてしまいます。
周りの目を気にしすぎる
復帰ができない人に共通しているのは、周りの目を気にしすぎているという事です。
周りの目を気にしてしまうので、働きたい気持ちがあっても、きっとこう思われる、とネガティブに考えてしまい、できないことがあります。
ですが、そういった気持ちは、引きこもりの人だけではなく、誰だって感じるものですよね。どんな人でも、周りの人の反応は気になるものです。
しかし引きこもりになってしまっている人は、何十年という単位で人に会っていません。そのため、他の人と会うときの緊張感も、人より感じてしまいます。
さらに、引きこもりになってしまう人は、過剰に周りに気を使いすぎてしまう、という面を持っていることがあります。
人の事をとても気にすることができ、配慮できる反面、人が自分と同じように気を使ってくれないと、それがストレスになってしまいます。
色々な事を深く考えてしまったり、気を使いすぎてしまうことで、体力を消費してしまうこともあります。
ストレスを溜めやすい
そして大人の引きこもりは、人間関係のストレスを溜めやすい傾向があります。
人は誰でも人間関係で悩みを抱えているものです。しかしこういった人は、少しの事でも気になって、仕方が無くなってしまうんです。
どこへ行ってもストレスが付きまとう事に疲れて、引きこもりを選択してしまったなんて事もあります。そういった過去の出来事がきっかけで、もう人と関わりたくないと感じている人もいます。
引きこもることが当たり前になっている
引きこもりになってしまった理由で、様々なものをあげてみましたが、中にはただ何となく家にいたら、いつのまにか引きこもることが当たり前になっていたと言う事もあります。
最初はいつか働くつもりでいたとしても、いつのまにか引きこもりを何年も続けてしまい、出られなくなります。
長く引きこもりを続けていると、それが普通になり、引きこもりであることに違和感を持たなくなってしまったことが、長年続いてしまう理由でもあります。
大人の引きこもりの解決方法
ある程度の年齢を重ねてしまった人にとって、社会復帰するというのは、若い人が引きこもりから復帰することより、何倍も難しく感じます。年齢の事もあって、本人も諦める気持ちが強くなっていきます。
そのため家族がサポートしても、仕事を探すのには苦労も伴うでしょう。
そしてそれ以上に一番大切なのは、本人がやりたいという気持ちを強く持っていることです。なぜなら仕事を探す時でも、やる気のない若者と、やる気のないおじさん・おばさんだと、各段に若い子が選ばれやすいからです。
若いころと違い、体力もないなら、せめて仕事に対する熱意でもないと、採用はされにくいでしょう。
そんな大人の引きこもりが、社会復帰するために必要な解決方法を紹介していきたいと思います。
焦らず小さな事からやっていく
引きこもりの人を焦らせたところで何も良い事はありません。ゆっくり、できることから始めさせましょう。
今まで家にばかりいた人が、いきなり職探しをしたり、毎日外出したりすると疲れます。あんまり疲れすぎると、やめたくなってしまう原因にもなるので、小さな目標を沢山作り、こつこつ積み立てていくことが大切です。
するといつの間にか、こんなところまで来ていたんだ、と驚くことができます。そしてそれが自信につながります。
何年も引きこもりを続けてきた人には甘すぎるのではないか、と思うかもしれませんが、その逆です。
むしろ年十年も引きこもりを続けてきた人は、焦らせば焦らすほど、仕事をしようという気持ちにはなりません。
なので時間をかけて復帰させるようにする事が大切です。
似たような境遇の人と会ってみる
支援機関を通じたり、ネット、どんなところでもいいので、引きこもりと境遇の似ている人と話しをさせることも効果的です。
意外に家族にも言えないような事でも、同じ境遇の人にはすんなり話せたりできることがあります。
また、そういった人と知り合うことで、自分自身の姿も客観的に捉えることができるようになってきます。
実は、頑張っている人の中に連れて行っても、余計にやる気を失わせるだけの事が多いです。意外にも怠けているような人の中に連れていく方が、やる気が出て、前向きに色々な事をやり始めることがあります。
カウンセリング・支援機関を利用する
年齢が重なるにつれて、カウンセリングや引きこもりの支援機関を利用した方がいいです。
なぜなら、再就職するにしても、そういった機関を通して見つけた方が見つけやすいからです。それにそういったところでは、引きこもり本人のレベルに合わせて、復帰の計画を立ててくれます。
これまで、ぐうたらな生活ばかりをしてきたら、働くことはとても辛く感じるでしょう。
しかしかといって、いきなり変わる必要もありません。ゆっくり、時間をかけて一個ずつやっていっても大丈夫なんです。
変わりたいと思った瞬間から動くことが大切
でもこんな歳だし、何年も外に出ていないし、と思い、そのまま引きこもりを続けさせても、何も変わりません。
何年も引きこもりをしている状態から、外に出たり、社会復帰を目指すのは、本人にとっては、本当に勇気のいることだと思います。
しかし今の状態を変えるには、動くしかありません。そして少しでも動けば、少しの変化でも絶対に変わっていきます。
すぐにでも行動に移すようにしましょう。最初は部屋の掃除でも、なんでもいいので、一つずつクリアさせるようにしましょう。
時には家族の力もかりる
どんな手段を使うにせよ、まずはじめの一歩を踏み出さない事には、何も変わりません。しかし何年、何十年も引きこもりを続けているのなら、最初の一歩は、とんでもなく重いものとなるでしょう。
そんな時だからこそ、家族と手を取り合って、一歩ずつ確実に前に進んでいく必要があります。サポートする方も、不安な事は家族に話す、一人で考え込まないことが大切です。
少なくても、今こうして将来に対して不安を抱き、復帰させようと考えている時点で、一歩踏み出せています。
家族を大人の引きこもりから脱出させたい方は、ぜひ参考にしてみてください。