「異常」は日常や通常とは異なる状態をいいます。
いつもと比較して、何か変だ何だかおかしいと感じた時に使う言葉です。
人だけではなく物が通常とは違う場合にも使えます。
「異様」は様子や雰囲気などが、いつもとは異なっている場合に使う言葉です。
様子や雰囲気に対して使う言葉なので、異常と比べると使用されるシーンが限定的です。
「異常」の意味
通常と異なると書いて「異常」ですが、文字通りいつもとは違う時に使います。
身体がいつもと異なる場合は体の異常という事になり、疲労や病気のサインだというケースも多いです。
精神状態がいつもと異なる場合は、心の病や精神病が考えられます。
製品の状態が通常とは異なる場合は、故障の可能性もあります。
パソコンが動かないと言う異常事態になった場合は、パソコンの不具合やウイルス感染の可能性もあります。
「異様」の意味
様子がいつもとは異なると書いて「異様」ですが、部屋の空気や雰囲気や街の様子などが通常とは異なっている時に使う言葉です。
異様な雰囲気が漂うなどと、雰囲気について述べることが多いです。
精神状態がいつもと異なる場合の精神の異常を感じた時は心の病の可能性がありますが、いつもとは顔の表情などが違って異様な雰囲気を感じた、というケースもあります。
しかし、身体の異常の場合はあまり異様な雰囲気を感じたとはいいません。
眼には見えない心の状態は「異様」と表現することがありますが、身体の状態を「異様」と表現することはあまりありません。
「異常」と「異様」の用法や用例
「異常」は、この暑さは異常気象のせいだ、人間ドックを受けたら肝臓に何か異常があることが分かった、などと使います。
「異様」は、新型コロナで緊急事態宣言が出て外出する人が激減し、夜の梅田の駅前は静まり返っていて、何とも異様な雰囲気だった、なとと使います。
刃物を持って多数の人を人質にして立てこもっている犯人は、精神に異常をきたしているのでしょうか?犯人は薄ら笑いを浮かべていますが、何とも異様な表情です。
これは「異常」と「異様」の両方を使った文章の一例です。
通常とは異なる「異常」と、様子がいつもとは異なる「異様」
人や物の状態が通常とは異なる場合が「異常」で、雰囲気や様子が他の時や他の状況や他の人とは異なる場合が「異様」となります。
身体に通常とは異なる異常が見られる場合は、病気や奇形(指の数が本ではなく少ないなど)等があります。
物の状態が異常だと言う場合は、故障や不具合などでしょう。
異常心理は、心の病が隠れている可能性があるかもしれません。
「異常」と比べると「異様」は使用するシーンが限られて来ます。
「異様」という表現は、雰囲気や様子が変な時にしか使いません。