パソコンにまつわるトラブルを解消するためのサポーターであり、電源が入らない、画面がフリーズしたまま動かない、ワードやエクセルといったソフトに関する問い合わせなどに対応するのがヘルプデスクの仕事です。
どのようなトラブルが発生しているのかを聞き取り、その場で操作方法を説明したり、すぐに回答できない場合には対処方法を調べたうえで折り返し連絡をすることもあります。
また、場合によっては相手のパソコンを遠隔操作して問題解決に取り組むこともあるようです。このように、ヘルプデスクの仕事はパソコンに関するさまざまなトラブルの解決策を提案する、重要なポジションと言えます。
しかし、ヘルプデスクの仕事はとにかく「きつい」ことで知られています。というのも、トラブルが起きている状況をしっかりと把握し、原因を探し出してどのように解決すべきかを考え、説明し、実践していくことが求められるからです。
そして、慌てず冷静に判断していく力が試されます。そのため、「仕事が思っていた以上にきつい」「自分を追い込まなければいけない状況に疲れてしまった...」と言って、ヘルプデスクの業務を離れていく人も多いのです。
そこで今回は、ヘルプデスクの仕事を通じて成長できる人の特徴やヘルプデスクの仕事が長続きしない人、ヘルプデスクの仕事に行き詰まった時の対処法などについて、紹介していきます。
目次
きついのは当たり前？ヘルプデスクの仕事を通じて成長できる人
ヘルプデスクは一般的に、「きつい」と言われることが多い仕事です。というのも、社内や社外で発生したパソコンに関するさまざまな質問が寄せられ、必ず正しい答えを導き出さなければいけないからです。
そうしたヘルプデスクの仕事のきつい部分を直視し、前向きに取り組んでいける人は、ヘルプデスクという仕事を通じて成長することができるでしょう。
それでは、「きつい」と評判のヘルプデスクの仕事によって自分自身をグンと成長させることができる人というのは、一体どのような特徴を持っているのか見ていくことにしましょう。
常に学び続けようとする気持ちがある
社内や社外で怒ったパソコンに関するトラブルについてのサポート役をするのが、ヘルプデスクの仕事です。パソコンに関する知識を身につけることはもちろんのこと、あらゆる困りごとに対する対処法を学ぶ必要があります。
パソコンやその他の周辺機器というのは日々プログラムが更新されていますから、いつでも最新の情報を知っておくことが重要です。
このように、ヘルプデスクの業務は常に学び続けようとする気持ちがなければ務まらない仕事であり、新しい知識を身につけることが苦にならない人は、どんどん自分自身を成長させていくことができるでしょう。
逆に、持っている知識のアップデートをし続けることを苦痛に感じたり、新しいことを勉強することを面倒に感じたりする人にとっては、ヘルプデスクの仕事はきついと感じられるはずです。
クレームを聞き流すことができる
ヘルプデスクの仕事がきついと言われる大きな理由のひとつに、クレーム対応の厳しさがあります。社内・社外を問わず、ヘルプデスクという部署とはクレームとは切ってもきれない関係にあるのです。
パソコン関連のトラブルに困り果ててヘルプデスクを頼ってくる人たちというのは、パソコンに関する知識が乏しい場合がほとんどです。
そのため、ヘルプデスクから説明された内容をしっかり理解することができず、「意味が分からない」「もっと分かるように説明してほしい」と、イライラした口調で言われてしまうこともよくあります。
クレームばかりで精神的にきついと感じることもあるでしょう。ですから、ヘルプデスクに連絡をしてきた人が何に怒りを感じているのか原因を突き止めたうえで「適度に聞き流す」ことができるかどうかがポイントになってきます。
人に何かを教えることが得意
基本的には電話やメールで対応するケースが多いヘルプデスクという仕事ですが、時には現場に出向いて直接対応する場合もあります。
どのようなシチュエーションであっても、相手に「分かりやすい」言葉を使って説明することが重要と言えます。ヘルプデスクに連絡してくる人はパソコンに使い慣れていない人も多いですから、専門用語を使うのはNGです。
そのため、人に何かを分かりやすく・内容をかみ砕いて説明できたり、人にものを教えることが得意だという人は、その能力をヘルプデスクで存分に発揮できるでしょう。
自分は理解しているけれど、それを相手が理解できるように丁寧に説明するのは苦手・難しいと感じるような人には、きつい業務であると言わざるを得ません。
きついから無理！ヘルプデスクの仕事が長続きしない人
コンピューターを取り巻く状況は日々進化を続けています。そのため、ヘルプデスクの仕事をこなしていくためには、常に新しいことを学び続ける姿勢があることが欠かせません。
パソコンにまつわる幅広い知識を持っているだけでなく、その知識を人に分かりやすく伝えることができる技術を身につけていることも重要になってきます。
さらに数多くのクレームに対応できる強靭な精神力も問われるきつい仕事です。こうした事実から、ヘルプデスクの仕事を早い段階であきらめてしまう人も少なくありません。
それでは、ヘルプデスクの仕事を通して成長できる人に対して、今度はヘルプデスクの仕事が長続きしない人の特徴について迫っていくことにしましょう。
コミュニケーション力に自信がない
パソコンに関してどれだけ多くの知識を持っていたとしても、最終的にその知識を分かりやすくかみ砕いて相手に伝えることができなければ、ヘルプデスクの仕事は務まりません。
相手は自分と同じ知識を持っているわけではないことを頭に入れたうえで、相手の目線に立って回答しなければいけないことを忘れてはいけないのです。
ヘルプデスクにはある程度の回答マニュアルが用意されている場合が多いものですが、マニュアル通りに話しても相手に通じなければ意味がありません。
相手が今どんな状況にあるのか、想像力を働かせながら、最適な回答を導き出していくことが重要です。パソコンの知識を持っていない相手に対する理解度を確かめながら話を進めていくようにしなければいけません。
このように、ヘルプデスクの仕事をしていくうえで、「相手の立場に立って考えられる」というコミュニケーションスキルは欠かせませんから、人と話をするのが苦手だという人には向いていないかもしれません。
プロ意識を持って仕事をすることができない
「ヘルプデスク」で業務をしているのだというプロ意識を持って仕事をすることができない人も、ヘルプデスクという業務を続けていくことが難しいタイプといえます。
ヘルプデスクに問い合わせをしてくる相手というのは、ヘルプデスクの人は「パソコンに関するプロ」であると思って連絡してくることがほとんどです。
ですから、ヘルプデスクの仕事をする人が不安そうな声をしていたり、おどおどした対応をしたりすると、相手に不信感を持たれてしまいます。
時には「本当にヘルプデスクの人なんですか？」という言葉を投げかけられることもあるかもしれません。そのため、相手に安心感を与えられるような対応ができない人には、ヘルプデスクの仕事はきついと感じられるでしょう。
ヘルプデスクの仕事に行きづまった時の対処法
体力的にも精神的にも追い込まれることが多く、きついと感じられることが多いのがヘルプデスクの仕事です。だからこそ、上手に気分転換をすることが大切と言えます。
ではここからは、少しでも早く業務に慣れて、できる限り長く仕事を続けるために重要な、ヘルプデスクの仕事に行きづまった時の対処法やストレスの解消法について見ていくことにしましょう。
大きな声を出してストレスを発散する
日常からストレスを溜めやすい・きつい仕事であると言われるのがヘルプデスクの仕事です。どうしても気持ちが晴れずにモヤモヤしてしまうことも少なくありません。
そんな時にはぜひ、「大きな声を出す」ことを試してみてください。カラオケで好きな歌を思いきり熱唱するのでも良いですし、絶叫マシンに乗って大声を出してみるのも良いでしょう。
大きな声を出すことで日頃から蓄積してきたストレスを一気に解消することができて、きっとスッキリした気分になることができるはずです。
大きな声を出すのは苦手だという人は、泣ける映画を見たり本を読んだりして涙を流すという方法をおすすめします。涙にもストレスを洗い流す作用がありますから、ぜひ実践してみてください。
運動して汗をかく・ストレッチを習慣にする
ヘルプデスクの業務は基本的に体を動かすことはありません。1日中イスに座って仕事をすることになります。一見するとラクな仕事のように思えますが、実際には頭をフル回転させなければいけない、きつい仕事です。
だからこそ時には適度な疲労感を得ることによって、脳をリラックスさせることが大切になってきます。そこで、ウォーキングや軽いランニングをしてみるのはいかがでしょうか。
外に出るのはちょっと...という場合には、家の中でストレッチや筋トレに挑戦してみると良いでしょう。運動を毎日続けることで、心も体も良いコンディションに整えていくことができます。
きついことを覚悟すべき！ヘルプデスクの仕事に限界を感じたら真剣に転職を考えよう
ヘルプデスクの仕事を通じて成長できる人の特徴やヘルプデスクの仕事が長続きしない人、ヘルプデスクの仕事に行き詰った時の対処法などについて、紹介してきました。
ヘルプデスクとは完全な頭脳労働であり、豊富な知識が求められ、クレーム対応も多いなど体力的・精神的に追い込まれる可能性が高く、きつい仕事であることは間違いありません。
IT関連であればプログラマーやサービスエンジニアといった道に進むという選択肢もありますから、ヘルプデスクの仕事に限界を感じた時には、真剣に他業種への転職を考えるべきでしょう。
