向いてる仕事が分からない。自分にとっての適職を見つける方法

この仕事が自分に向いているのだろうか…。

もっと他に自分に向いている仕事があるのではないか…。

仕事の幅が広がった現代ならではの悩みではありますが、昨今、こうした「向き不向き」を理由に転職を考える方が増えてきています。

あなたにも思い当たる節があるのではないでしょうか。

仕事の種類が増えるということは要求される能力も増えるということです、社会的分業を経て、世の中は発達してきましたがその背景には各分野のエキスパートがその分野を牽引してきた事実があります。

努力だけでは到達できないレベルが確実に存在する現代で、自分の向き不向きを見つけるというのは、才能の在り処を見つけることと同義です。

向いている仕事を探すというのは、自分の才能や興味関心に沿った職業を見つけ出すということにほかならないでしょう。

今回は才能の在り処を探す方法から初め、次に興味関心がある分野を割り出し、最終的なゴールとして自分に向いている仕事を探していきます。

この記事を読み終わる頃には、もう自分に向いている仕事がふんわりとつかめているはずですので、お付き合いください。

才能の正体はいったいなんなのか


まず、才能と聞いて思い浮かべるのはやはり天才や偉人の存在でしょうか。

イチロー選手やエジソン、アインシュタイン、スティーブ・ジョブズ…。

名だたる偉人は疑いようのない才能を持っています、それは事実なのですが、ここで疑問が湧いてきます。

才能の有無を図るのは「偉業を成し遂げたか否か」という画一的な判断基準なのか、という点です。

似たような概念として「天才」という言葉がありますが、天才についても議論が分かれるところです。

誰の目にも輝いて見える功績を残した人に、その分野の才能があるのは事実です。

では偉業を成し遂げていない人はみんな才能が無い、もしくは才能の使いみちを間違えているのでしょうか。

何をやってもうまくいくのが天才で、何をやってもうまくいかない人は平凡な知能でそこそこの結果しか出せないまま死んでいくのでしょうか。

答えはNOです。

才能というのはあくまで個人的なもの、好きな食べものと同じようなものです。

天才も同じように、知能のある一部分が突出して高かったり、思考の速度や密度が優れているため全体的に能力が高い、というものですから、例えば頭脳労働には向いていますが肉体労働には向いていません、万能ではないということです。

もっと狭い意味で使われる才能という言葉は、自分がどの分野に対して有利な特徴を持っているかに過ぎません。

そして才能というものは多くの場合目に見えませんから、自分の経験と照らし合わせつつ、言語化できない部分で感じ取るしかありません。

スポーツや芸術の分野に才能がある場合は目に見えやすく、その才能が早くから周囲にも伝わるため、その才能を潰さないような環境が整いやすくなります。

ですが知能や能力は目に見えないもののほうが多く、複雑で、相互に関係しあっています。

目に見えにくい才能をもって生まれた方にとって「自分に何の才能があるのかわからない」という悩みはもっともといえるでしょう。

才能をみつけるために必要なステップとは

目に見えにくい才能を持って生まれた方にとって、その才能が見つかるまでの期間は長く、苦しく、辛いものであることが多いです。

劣等感に苛まれることもあるでしょうし、周囲の活躍を横目に自尊心を失ってしまうこともあるでしょう。

具体的に、人間はどのように才能に気づき、伸ばしていくことになるのでしょうか。

その一連の流れについて見ていきましょう。

海外では才能を探求するのが一般的


日本ではあまり普及していませんが「ギフテッド」という言葉があります、アメリカで「天才児」を指す言葉です。

神様からの「gift」を受け取ったので「gifted」と呼ばれているのですが、実はアメリカでは発達障害や知能に問題のある子どもに対して、幼少期から知能テストを行います。

日本では「裸の大将」で一躍知名度が上がった「サヴァン症候群」のように、脳に障害を持った方に先天的な能力の特化が起こりやすいことを受け、そうした検査を行います。

結果として、アメリカではギフテッドが見つかり次第通常の教育とは外れた特別な授業や環境を国が用意しています。

知能が高すぎる、もしくはすでに突出した才能があるために、一般的な学校教育を受けても意味がないからです。

これは国をあげて才能を発掘しようというアメリカの動きですが、背景には心理学が発達し普及している国であることも関係しています。

日本はそのあたりが弱く、才能に対して根性論的な見方で潰してしまう気配が感じられます。

「天才とは1%のひらめきと99%の努力」という言い回しを好んで多用する背景には、才能を妬んだり、ハナからそんなものはないから横一列でみんなと同じことをしよう、という同調圧力を感じますよね。

でも、すでに科学的に証明されている通り人間に向き不向きがあるのは仕方がないことなのです。

ここまで多様な職種に分業した現代社会で重要なのは、自分の才能を知り、どう仕事に結びつけていくのか、という創造的な思考力です。

自分の才能に自分で気づくのはむずかしい

才能とはいわば「得意なこと」です。

ですが得意かどうかなんて、どうやって見分けるのでしょうか。

答えは「他人との比較」と「自己の行動との比較」です。

他人と同じことをやっているはずなのに自分のほうがやけにうまくいく、特別な努力を積んでいなくともそれなりの結果が出せる、という分野が見つかった場合は、その分野に対して才能があると考えられます。

見つけるためにはとにかくたくさんの分野に手を出して、本当に、なんでもやってみることが肝心です。

そして客観的な視点で、自分にできることとできないことを見分ける目が必要です。

客観的に見比べて、どうもこの分野であればうまくいきそうだ、というものが分かると、これまで燻っていたのとはわけが違うほどに認められ、称賛される結果を量産できます。

もう一つの見つけ方は自己の行動との比較ですが、これは比較対象が他人から自分の行動にすり替わっているだけで、本質は同じです。

イメージとしては消去法のように、以前自分が一生懸命取り組んでいた事柄に比べて、今取り組んでいる事柄のほうが少ない労力で多くのリターンを得られる、と思えたならその分野に才能があると言えます。

この見つけ方をする上で重要なのは、取り組んでいるときの自分の気持ちに向き合うことです。

心理学的に「内発的動機づけ」と呼ばれる、内なるやる気がこんこんと湧いている分野を見つけられたなら、その分野に腰を据えてやってみましょう。

もしそれが上手くいかなくても、今度は次の「やってみたい」を探して、どんどん取り組んでいきましょう。

そのうちに当たりの感触がつかめる分野を見つけることができるはずです、本来やる気が出てくる分野というのは興味関心が向いている証拠ですので、適しているのです。

細かな部分、例えば人間関係や環境が適さないとそうしたやる気も消えていってしまいますが、何度もトライしていると「消えないやる気」の存在にも気づくことがあると思います。

そこまでたどり着けたなら消去法は成功です、どんどんハズレを塗りつぶす気持ちでチャレンジしていくことが、才能を見つける唯一の近道です。

ピンと来ないという方はもっとシンプルに「時間を忘れて没頭できるジャンルはなんだろう」というところから考えてみてください。

複数見つかる方は「そこに共通するなにか」を見出すと、自分の才能、興味関心の在り処を探す手がかりを見つけられます。

才能の延長線上に仕事を見つける


才能が見つかったら、それで終わりではありません。

今度はその才能を活かしてお金を稼がないことには、生きていけませんよね。

ここでようやく本題に戻るわけですが、では、向いている仕事はどのようにして見つければよいのでしょう。

才能が職業に直接関わっている場合、こんなことを考えなくても良いですよね。

身体能力が優れていればあらゆるスポーツを試してみて自分に最も適したスポーツのプロになればよいですし、音楽の才能があれば音楽家、絵の才能があれば画家になればよいのです。

しかし、数的理解が優れていたり、人間関係の構築にセンスがある、というような場合はそれ単体では職が見つかりません。

そうした方にとっては、才能が見つかってもそれが活かせる場所がない、という新たな悩みが生まれてしまうでしょう。

才能の使いみちに悩む方には、あえて「才能の分解」をおすすめします。

例えば数的理解が優れているというのは、物事を扱いやすい数値に直して、粘土細工のようにこね直して新たな視点を獲得することに秀でているとも取れますから、いわば価値の再創造に向いていると言えます。

視点を変えることで新たな価値を創造する仕事としては、作家や発明家、経済学者などが当てはまります。

人間関係の構築にセンスがあるというのは、他人の気持ちに敏感で、何をどう伝えれば相手が気持ちよくなるのか手に取るように分かることを意味します。

そうした能力を活かす仕事としては、カウンセラーや占い師、営業職なども当てはまりそうですね。

このように、才能は往々にして「優れた結果」として現れてきますから、その結果の奥にある「理由」に目を向けると汎用的な能力としての才能が見えてきます。

その才能を仕事に結びつけて考えるのです。

仕事の見つけ方のコツとしては、経済の成り立ちを理解すると簡単に納得することができます。

経済が回る仕組みは「価値」の創造です。

パン屋にパンを買いに行くのは、自分がパンを作れないことはもちろんのこと、作ったとしてもパン屋ほど美味しく作れないからですよね。

つまりその時点でパン屋には価値があるのです。

あなたにできなくてパン屋にできることに、あなたはお金を払い、価値を買います、これが経済の仕組みです。

あなたはパン屋にはなれなくとも、何者かになる可能性を秘めています。

その才能で、どんな価値を創造できるのか考えることから初めてみましょう。

まとめ

才能に結びついた仕事を見つけることで、自分に向いている仕事に就けることを解説してきましたが、お役に立てましたでしょうか。

一口に才能と言っても中身は様々で、才能とはいわばTV番組のようなものですよね。

タレントや芸人、モデルなど様々な特徴、利点を持った人たちが一同に介してそれぞれの得意なことで番組を盛り上げていきます。

モデルが芸人になれないように、あなたはあなた以外になることはできません。

他人を羨む前に、社会という番組を盛り上げるためにあなたが他人よりたくさん貢献できる分野を探すことから初めてみませんか。

才能に気づいてからの世界は、きっとこれまでとは違う色であなたの日々を彩ってくれることでしょう。

この記事があなたのそうした一歩につがなっていれば幸いです。

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