理由もないのに職場でイライラしている上司や同僚はいませんか。
それはもしかしたら更年期障害の影響かもしれません。
更年期障害は、ホルモンバランスの変化や、心理的要因、環境的要因から引き起こされます。
一般的には、更年期と呼ばれる中高年期において体調の変化があるため、更年期障害と呼ばれているのです。
更年期障害は、中高年の女性に特有のものと思われがちですが、必ずしもそうとは限りません。
若い女性や男性でも、更年期障害になる可能性はあるのです。
症状としては、理由もなく動悸や発汗があり、身体的にも疲れやすく、気分の浮き沈みが激しくなります。
職場でこのような症状に悩んでいる人がいたら、それは更年期障害によるものかもしれません。
周囲による理解と適切なフォローがあれば、無用なトラブルも避けられ、本人としても助かります。
更年期障害は誰がなってもおかしくないので、他人事と考えずに対処方法を学んでおきましょう。
そこで今回は、職場における更年期障害の対処法について解説したいと思います。
目次
イライラしているときは距離をおく
感情の起伏が激しくなるのは、更年期障害の特徴のひとつです。
理由もなく突然怒り出したり、日によって機嫌が大きく変わるので、周囲としてはとまどいが隠せません。
どのように扱ってよいか迷うかもしれませんが、ますはそれがまさに更年期障害の症状だということを理解しましょう。
更年期障害の人は、自分自身でも感情のコントロールができません。
イライラしているときには、「そういうもの」という認識で、あまり近づかないのが基本です。
業務上に必要なことは、あまり感情を交えずに、最低限のことだけを伝えるようにします。
また、イライラしている時には、周りの状況に過敏になっていますので、大きな声で話したり、楽しそうにはしゃいだりするのは、できる限り配慮して控えるようにしてください。
からかい口調は厳禁
更年期障害の人にからかい口調で話しかけるのは厳禁です。
仲のよい上司や同僚に「暑いんですか?」などと気安く問いかけるのも控えるようにしましょう。
更年期の悩みはやはり女性に多いため、特に発汗などのデリケートな問題は相手を傷つけてしまう可能性があります。
汗をかいていることを指摘されれば、ますますそれに意識が集中してしまい、負のスパイラルに巻き込まれてしまいます。
暑そうにしている人がいたら、さりげなく空調を調整するようにしてください。
ミスを責めない
更年期障害の症状には疲れやすさもありますので、集中力が散漫になったり些細なミスが多くなったりします。
ミスを振り返ることは大切ですが、それも症状のひとつなので、責めてばかりいても解決しません。
間違いは誰にでもあることなので、責任を個人に押し付けるのではなく、どのようにすればミスが減らせるかを、全体の問題として考えるほうが建設的です。
例えば複数のチェック体制を整えることでミスが減らせるかもしれません。
このように職場全体で対処すれば、個人の負担も軽減されるでしょう。
不必要に自分を責めない
更年期障害は感情のコントロールができないため、本人にとってかなり辛い状況です。
辛そうな姿は、周りにも伝わりますので、何とか力になりたいと思う人もいるでしょう。
ですがこちらも医者やカウンセラーではないので、できることは限られます。
特に自分や家族が更年期障害に悩んだ経験がある人は、相手へ共感するあまり、力になれない自分を不必要に責めてしまう場合があります。
あまり悩みすぎてしまうと、精神的な負担によってこちらまで心身を壊してしまうことにもなりかねません。
更年期の症状はやがて去っていきますので、あまり悩みすぎないようにしてください。
更年期障害の人にとっては、さいりげない心使いがなにより助かるのです。
重症で仕事にも影響が大きいなら適切な診断を促す
責任ある立場の人が更年期障害に悩んでいる場合、仕事に大きな影響を与えかねないため、適切な対応が必要になります。
自覚症状があるのなら、きちんと受診して対処するのが社会人としての務めです。
ですが、本人がなかなか認めたがらず、対応が後回しになってしまうケースも少なくありません。
大きな問題が起きてからでは遅すぎますので、場合によっては対応策を講じてもらえるよう、さらに上の上司に相談しましょう。
仕事を分散させて負担を軽減したり、社内セミナーを開いて理解を促すなども方法のひとつです。
また、頑なな人に対しては相手を傷つけないように配慮しながら受診を促し、診断によっては休職を薦めるのも間違いではありません。
認めたくない人にとってはショックかもしれませんが、結果としては本人のためにもなることです。
更年期障害の人からいじめを受けている場合
先に述べたように、理由のないイライラは更年期障害の特徴です。
困った問題としては、そのイライラが特定の人に向けられて、いじめに発展してしまうケースです。
もし自分や周りの誰かがいじめを受けているなら、迷わず誰かに相談しましょう。
やり返したところで、相手は感情のコントロールができないのですから、問題は改善しません。
まずは受診を促して、本人に病識を持ってもらうことが大切です。
そのうえで問題が改善されないようであれば、休職や退職してもらうのもやむを得ません。
一概に比較することはできませんが、いじめは軽視してはならない深刻な問題です。
ひとりでどうにかできるものではありませんので、速やかに会社に報告して、対応策を講じてもらいましょう。
女性管理職を退職させるのは会社として抵抗感がある
更年期障害によるいじめについては、もう一点問題があります。
冒頭に更年期障害は中高年の女性だけがなるものではないと述べましたが、割合としては多数を占めるのも現実です。
責任ある立場の女性社員がいじめをしている場合、原因が更年期障害であっても適切な対応を取らなければなりません。
ですが世の中の風潮として女性の社会進出が推進されている今、女性管理職を辞めさせるのは、会社として抵抗感があることも考えられます。
原因がなんであれ、社会的な評価を気にして、いじめを受けた側よりもいじめをした側が守られてしまうのでは、企業のありかたとして問題です。
そのような会社は、本当に困っている社員の見方にはなってくれない可能性があります。
いじめを受けても対応してくれないような会社からは、早めに転職するのがよいかもしれません。
転職を考えるなら転職エージェント
転職を考えるなら転職エージェントを利用してみましょう。
転職エージェントは、一般の求人情報誌と比べても、多くの情報を持っていますので、希望の職場がきっと見つかるはずです。
転職活動で不安な点は、プロフェッショナルのアドバイスやサポートが受けられますので、心強い味方となります。
独力で転職先を探すより、成功する確率が高まりますので、ぜひ積極的に活用しましょう。
更年期障害には接し方が大切
今回は、職場における更年期障害の対処法について解説しました。
誰でもなりうる更年期障害に対しては、接し方が非常に重要です。
お互いのためにも、正しい接し方を心掛けて、気持ちよく仕事ができるように心がけてください。