公立保育士を辞めたい!安定した職業を辞めたい理由とは?

公立保育師と聞いて、皆さんはどのようなイメージを持つでしょうか。保育士とひとことで言っても、公立と私立ではそもそもの土台が違います。

公立保育士と一般的な私立の保育園に勤める保育士の一番の違いは、「国家公務員」であるかどうかという点です。公立保育士は、保育士の資格に加えて公務員試験にも合格しなければいけません。

ただ、公立保育士は私立保育園に勤める保育士のように「給与が低すぎる」といった問題に直面することが少ないところは大きな魅力です。そのため、「辞めたい」という人が少ないと思われがちです。

しかし実際には、公立保育士という安定した立場を確保していても「辞めたい...」と漏らす人は増え続けているという現状があります。

そこで今回は、辞めたい人が急増している公立保育士の実態や辞める前に考えたいこと、公立保育士を辞めたいと感じた時の気持ちのリセット方法などについて紹介していきます。

公立保育士を辞めたい人が急増しているのはなぜか?

難関の公務員試験を突破しなければいけないため、公立保育士になるのはとても難しいことですが、その待遇の良さから人気の高い職種のひとつでもあります。

ただ、公立保育士には、見た目からは想像することができない苦労も数多くあるようです。それは「公立保育士を辞めたい...」「もう続けられない」と、実際に辞めていく人が後を絶たないことからも明らかです。

では、公立保育所を辞めたい人が急増しているのはなぜなのでしょうか?その背景に迫っていくことにしましょう。

年功序列型の公立保育園!人間関係がわずらわしい

公立保育園というのは国家公務員という立場になりますから、基本的に「辞めたい」と言わない限り公立保育士として働き続けることができます。

そのため、公立保育園は年功序列型になることが多く、年齢を重ねたベテラン保育士はそれなりに保育園内でパワーを持っているということが言えるでしょう。

公立保育士になったばかりの新米保育士はこうしたベテラン保育士の指導のもと業務を覚えていくことになるのですが、業務そのものよりも、人間関係のほうが難しいということも、ささやかれています。

先輩保育士の気に入らない行動をしてしまったために、保育園内で陰口を言われたり仲間はずれにされるということもあるようです。そのため、「辞めたい」と口にする公立保育士も多いと言われています。

異動アリ!次も公立保育園に配属になるとは限らない

一般的な私立保育園には「異動」という概念はほぼありません。しかし、公立保育士は国家公務員に属するため、3年から6年ほどのスパンで人事異動がおこなわれます。

ようやく保育園に慣れてきたところで異動になることや、園児たちの卒園を見届けることなく別の公立保育園に移らなければいけなくなるということも良くあるようです。

また、公立保育士の資格を持っているからといって、次も公立保育園に配属になるとは限りません。場合によっては児童福祉施設に移るように辞令が出ることもあります。

また、異動によって勤務先があまりにも遠くなってしまうため、突然の引っ越しを余儀なくされることも多く、「公立保育士を辞めたい・私立保育園の方がよかった」とこぼす人も多いようです。

保護者の要望に応えきれない!体力的にも精神的にもつらい

公立保育園は私立保育園のようにオリジナリティを重視する教育方針を取らない、「ごく一般的」と思われる保育を実施するための施設です。

ですから、それほど「飛びぬけて大変だ」というわけではなさそうだと思われがちですが、今は保護者の要望によって保育園も変わっていかなければいけない時代です。

延長保育や園内での生活指導など、保護者の期待に応えられるように公立保育園も少しずつ変化してきていると言います。

中には無理難題を突き付けてくる保護者も大勢いるようで、そのひとつひとつに丁寧に対応することで、体力的にも精神的にも大きく消耗してしまい、結果的に「辞めたい」と思い始めることもあるようです。

早すぎる決断は禁物!「公立保育士を辞めたい」と思ったら立ち止まって考えたいこと

「一刻も早く公立保育士を辞めたい・ラクになりたい」という気持ちが一度でも芽生えてしまうと、もうどんな仕事にも身が入らなくなってしまうかもしれません。

しかし、公立保育士を辞めたいと思うようになったからといって、何の考えもなしにすぐ退職してしまうのは得策とは言い難いのです。

では、公立保育士を辞めたいと思った時にまず、立ち止まって考えたいこと・公立保育士を続けていくことのメリットなどについて見ていくことにしましょう。

研修が充実していてスキルを磨く機会がたくさんある

公立保育士になると、定期的に保育所の指導方針に基づいた研修がおこなわれます。研究会や講演会への参加も積極的に推奨しているようです。

こうした保育士としてのスキルアップを目指せる機会が与えられていることは、公立保育士ならではの特権かもしれません。

公立保育園に馴染むことができず、働き始めて間もなく「辞めたい」と感じ始めているのであれば、こうした研修なども利用して、もう少しいろいろな経験を積んでみても良いのではないでしょうか。

自分に足りないスキルを身につけていくことによって、「公立保育士」という仕事についてのやりがいを感じられるようになるかもしれません。

公立保育士の待遇は魅力的

公立保育士は私立保育園の保育士に比べると、待遇面ではとても恵まれていると言えます。給与は安定した水準を保っているため「給与が安すぎる」と、悩むこともないでしょう。

公立保育士としてのキャリアを積めば積むほど給与も上がっていきますから、途中で「辞めたい...」と言って保育園を去らずに、できる限り辛抱して長く勤めるほうが長い目で見ると良いのかもしれません。

また、国家公務員ということもあり、福利厚生はとても充実しています。よほどの理由がない限りは「終身雇用」というかたちになりますから、働きやすい環境であると考えることもできます。

ただし、公立保育園のシステムも世の中の動きと共に変わりつつありますから、必ずしも終身雇用制がこの先も続くと100%言い切れないのは難しいところです。

私立保育園に比べゆとりをもって働ける

私立保育園は保育園独自の特色やルールによって運営されているため、人手不足になりやすく、保育士が余裕を持って仕事をすることが難しいというケースがほとんどです。

しかし公立保育園は、国が定めた基準をクリアしていることを前提に作られていますから、保育士が足りないという状況は起こりづらく、公立保育士は比較的気持ちにゆとりのあるなかで仕事をすることができます。

このように、公立保育園は私立保育園に比べて格段に働く環境が整備されていることも、安易に公立保育士としての仕事を手放さない方が良いと思われるポイントです。

それでもやはり現状に満足できないという場合には、他の私立保育園に見学に行ってみると、比較ができて良いかもしれません。

公立保育士を辞めたいと感じた時に気持ちをリセットする方法

公立保育士という仕事は大変なことも多いですが、苦労してでも続けるべきメリットも数多くあるということをお伝えしてきました。

しかし、それでもやはり「公立保育士を辞めたい...」という気持ちが変わらないこともあるでしょう。そんな時には一体どうしたら良いのでしょうか。

それでは、公立保育士を辞めたいと感じた時に気持ちをリセットする方法について解説していくことにしましょう。

上手に人を頼る・ひとりで抱えこもうとしない

学校でどんな良い成績を取っていたとしても、国家公務員試験で優秀な成績を修めたとしても、現場に入れば誰もが最初は新人です。

どれだけ知識を持っていても、公立保育士になりたての頃は慣れない業務に四苦八苦するものです。そして、真面目な人ほど仕事がうまくできないことに悩んで早々に「辞めたい」と、こぼしがちです。

しかし、最初から手際よく仕事ができる人などいません。今はベテラン保育士として活躍している先輩たちも、かつてはあなたと同じように新人の時代があったのです。

ですから、どうすれば良いか分からなくなったり仕事が思うように進まないのであれば、上手に人を頼ることも必要です。「良いアドバイスをもらえませんか?」と、先輩保育士に声をかけてみましょう。

たっぷり眠ってエネルギーをチャージする

「公立保育士という仕事に疲れてしまった。もうこれ以上続けるのは無理、辞めたい...」という考えに思考が固定されてしまっている場合は、極度に疲労が溜まっている可能性が考えられます。

公立・私立問わず、保育士の仕事は朝が早いことが多いですから、まずは休みの日にたっぷりと睡眠をとるようにしてみましょう。

寝不足は疲労を蓄積させるだけでなく、正常な判断力さえ奪ってしまいます。ですから、できるだけたくさん眠って元気を回復させることで、気持ちをリセットできる場合があります。

しっかりメイクをして外出する

保育士という仕事柄、メイクはきつくなりすぎないように注意している・ナチュラルメイクで対応しているという人がほとんどでしょう。

だからこそ、公立保育士という仕事にやりがいを感じられない、もう辞めたいと感じている時にはメイクの力を借りて元気を充電してみてはいかがでしょうか。

時間をかけて完璧なメイクをして、街に出かけてみましょう。ふだんとは違うメイクをすることで気持ちが高揚し、暗い気持ちを吹き飛ばすことができるかもしれません。

「公立保育士を辞めたい」と思ったら転職も視野に入れて動きはじめよう

辞めたい人が急増している公立保育士の実態や辞める前に考えたいこと、公立保育士を辞めたいと感じた時の気持ちのリセット方法などについて紹介してきました。

私立保育園に比べると公立保育園はいろいろな面で優遇されており、「どんなにつらくても辞めずに続けよう」と決意している人もいるかもしれません。

しかし、待遇よりも優先すべきなのはあなたの気持ちです。心と体がついていかない現場で働き続けることは、ストレス以外のなにものでもありません。

ですから、自分は公立保育園に向いていない、辞めたいと思うようになったら、転職も視野に入れて動き始めてみてはいかがでしょうか。

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