最近「自己肯定感」という言葉が聞かれるようになってきました。
自分の存在価値や生きる意味などで悩む人は多いと思われますが、そのような悩みはこの自己肯定感が少ないことが原因であることが少なくありません。
自己肯定感という言葉を知らないという方も、自己肯定感について知れば思い当たるところが出てくるはずです。
今回は自己肯定感の高め方についてご紹介しますので、自分に自信がないという人は特に参考にしてみてください。
目次
自己肯定感とは?
自己肯定感とは、文字通り自分を肯定する感覚のことです。自分のことを好きになり、自分に自信を持っている人のことを「自己肯定感が高い人」と言います。
逆に「自分のことが全く好きになれない」「自分のやることなすこと全てに自信がない」「自分には価値がないと感じる」といったような人は「自己肯定感が低い人」ということになります。
自己肯定感が低いとどうなる?
自己肯定感が低いと、人間関係で問題が起こってきます。
例えば恋愛では、自分に自信がないばかりに自分には恋愛をする資格がないと思い込んでしまいます。自分のことを好きになってくれる人がいるはずがないと感じてしまうのです。
そして、恋人ができたとしても、相手が本当に自分のことを好きか疑ってしまい、相手の気持ちを試すようになってしまいます。
その結果振られてしまうということも自己肯定感が低い人にはよくある話です。
自己肯定感は生まれつきの問題?
自己肯定感とは生まれつきの性格の問題ではなく、成長していく中でさまざまな経験をすることで得られるものです。
また、甘えや弱さのために自己肯定感が低いということでもありません。
自己肯定感が低くなってしまうというのはその人なりの理由があるのです。
自己肯定感が低くなる理由
次に、自己肯定感が低くなってしまうのにはどのような理由があるのか解説していきます。
親に虐待されて育った
自己肯定感を獲得するのに重要なのは、親からの愛です。子供は親から愛情を受け、大切に育てられることによって自分の存在価値を感じていきます。
しかし、親から虐待されている子供は自分に存在価値があるとは到底思えず、自信を持てるわけもありません。
「自分はお父さん、お母さんにとっていらない子」「虐待したくなるほど存在が不快な子」だと自分を認識するようになります。
そのような子供が大人になると、人との接し方も親との虐待関係の再現のようになってしまいます。
自分を犠牲にしてでも相手に過剰なほどに尽くし、捨てられないことに必死になってしまうのです。
自分にはそのようなことをすることしか価値がない、相手に認めてもらえないと思っているからです。
親から馬鹿にされたり、否定されたりことが多かった
虐待までいかずとも、親が子供を馬鹿にしてしまうということは少なくありません。
「ブス」「デブ」「馬鹿」などはとても親が子供にいうような言葉ではありませんが、残念ながらそのような言葉を子供に対して言ってしまう親がいるのです。
そのような言葉を言われ続けると、大人になっても親からの言葉に縛られ、自分に自信を持てないままになってしまいます。
例えば全く太ってはいないのに「私はデブだから可愛い服を着てはいけない」というように思い込んでしまうのです。
また、成績が良い子供が嬉しくて親にテストの成績を見せても「いい点を取るのは当たり前なんだからはしゃぐな」というように、子供の努力を全否定する親もいます。
そのようなことをされた子供は、自分はいくら努力しても認めてもらえないと感じ、自分には価値がないと思い込むようになります。
そして、大人になっても自分自身や自分の努力には何の価値もないと思い続けます。
このように、幼少期の親の言動は自己肯定感に大きな影響を与えてしまうのです。
いじめられた経験がある
いじめられた経験をばねにして「いじめを克服した」という自分に誇りを持っている人はいるでしょう。
しかし、多くの場合いじめられると心に傷を負い、その後に人生に暗い影響を及ぼしてしまいます。
「いじめられる方に原因がある」という言葉もあるように、いじめられる方の見た目、話し方、態度などが悪いということでいじめに発展することが多くみられます。
そんないじめを受けて、自信満々に生きていけるという人はごく少数でしょう。
いじめを受けた大半の人は、自分は生きる価値もないというように自分を責め、いつまでも自己肯定感を得られないまま生きていくのです。
挫折した経験がある
挫折した経験がある人も自己肯定感を失いやすい傾向があります。
特に、それまで順調に生きてきた人が人生に関わる出来事で失敗してしまった場合のショックは計り知れません。
大学受験、就職活動などで挫折してしまった人は少なくありませんが、他の人は成功しているのに自分は挫折した、というような思いを抱くとどんどん自信を失っていき「自分は劣っている」「何をしても失敗するだろう」というようにネガティブ思考に陥っていきます。
そして、その後の人生においては「自分が成功できるわけがない」「また失敗するに決まっている」という考えに占領され、何事においても挑戦する勇気が出せず、消極的な毎日を送っていくことになります。
自己肯定感を高める方法
自己肯定感が低くなる原因についてご説明してきました。しかし、一度自己肯定感が低くなってしまったらそのまま治らないかというとそうではありません。
ここからは、自己肯定感を高める方法についてご紹介します。
過去の自分を認める
自己肯定感が低くなってしまうような辛い経験をしてきた人は、まずそのような辛い経験をしてきた自分を認め、いたわりましょう。
「辛いことがあったからといって、こんなにネガティブ思考になってしまった自分は駄目な人間だ」というように自分を責めてはいけません。
「辛かったね、よく頑張ったね」と過去の自分に声をかけます。
ではいたわるというのは具体的にどのようなことでしょうか。
先ほど、親から「ブス」「デブ」など馬鹿にされた子供の話をご紹介しました。そのような人は多くの場合、大人になっても親から受けた言葉をそのとおりだと思い込んでいます。
しかし、そこから抜け出すために「私は可愛いメイクをしたい」「綺麗な服を着たい」というように、過去の自分や今の自分が本当はしたかったこと、自分の本当の気持ちなどを大切にし、自分の思うとおりのことをします。
そうすることで自分を大切にすることができるようになり、自分のことがだんだん好きになっていきます。
新たな目標を作る
過去に挫折経験がある人に特におすすめなのが、新たな目標を作るということです。
過去の挫折経験を引きずっている人は、新たな目標を作りそれに向かって努力することで、過去から解放されていきます。
例えば大学受験に失敗した人は、また大学受験をして合格しなければ挫折を乗り越えられないかといえばそういうことではありません。
大学受験に全く関係ないもの、例えばピアノを習って発表会に出るという目標でもよいのです。
新たなものに打ち込み、目標や夢を叶えたいという思いを持つといきいきとした生活を送ることができます。
そして、その目標をクリアすれば自信が持て、「自分は挫折した」「自分は駄目な人間」というネガティブ思考から脱出することができるのです。
さらに、一つ目標をクリアすればさらに上の段階の目標を持ちたいという気持ちになります。
このように、新たな目標を持ちそれに向かって努力していくうちに自分のことが少しずつ好きになっていくでしょう。
自分をゆっくり好きになっていこう
自己肯定感の高め方についてご紹介してきました。
しかし、自己肯定感が低い人というのはご説明したとおり辛い経験をしてきた人が多く、また自分のことが好きになれないことにも理由があります。
自分のことを好きになれない人が今すぐ自分のことを好きになろうとしても辛い思いをするでしょう。
ですからいきなりではなく、少しずつ自分の気持ちと向き合っていくことをおすすめします。
辛くなったら休憩して、また向き合いたくなったら向き合うといったように、ゆっくり自分のペースで進んでいきましょう。
そうすれば気が付けば自己肯定感が持てるようになっていくはずです。