主婦の在宅ワークが注目を浴びています。
- 子どもが小さくて働きにでられない
- 待機児童問題が解消されずいつになっても預けられない
- 家事育児に負担のない範囲で仕事を始めたい
- 少しでも家計費の負担を減らしたい
このような悩みをお持ちであれば、在宅ワークを検討してみませんか。
在宅ワークとひとくちに言っても、その種類は実に豊富で、仕事としての難易度や報酬相場も大きく異なります。
今回は、主婦の在宅ワークに着目し、メリットや種類、適性などについて紹介します。
主婦にはなぜ在宅ワークが向いているのか
主婦は家事、育児と大忙しですから、仕事選びに苦戦することも多いでしょう。
パートにでようにも、企業と時間面で折り合いがつかなかったり、子どもが小さくて働きにでられなかったりすることもあるはずです。
正社員ともなればさらに条件交渉が難航し、採用ハードルも上がってしまいます。
だからこそ主婦には在宅ワークがおすすめです。
まずは、主婦になぜ在宅ワークが向いているのかを確認しましょう。
空いた時間を有効活用できる
主婦になるとまとまった時間が取れるというより、細切れの時間が多くなります。
子どもが学校から帰ってくる時間は日によって異なりますし、夫から急な用事を頼まれることもあるでしょう。
銀行や役所への用事は平日の昼間のうちしかやっておくことができません。
しかし、企業勤めでは有休を使う必要があり、職場の理解がないと難しくもあります。
主婦は細切れになる時間をうまく使って働く必要があるため、就業時間が決まっている企業勤めよりも在宅ワークが向いているのです。
パートにでるより稼ぎやすい仕事が多数ある
在宅ワークをするよりも、パートにでてサクッと稼いだ方が早いとお考えの方がいるかもしれません。
主婦がパートにでると、どれくらい稼げるのでしょうか。
平成30年度の最低賃金は、東京都で985円です。
1日5時間のパートを最低賃金でおこなうと4,925円になります。
しかし、毎日の通勤には往復で30分~1時間、長い人では2時間近くかかることがあります。
通勤時間帯に給与は発生しませんので、実質的な給与はさらに低くなります。
女性の場合、出社前のヘアメイクや服選びなど、支度に時間もかかります。
東京都の最低賃金を条件に、支度時間、通勤時間で2時間かかるパートで考えてみましょう。
7時間(実労働5時間+通勤、支度2時間)で4,925円の収入です。
つまり時給は約703円です。
一方、在宅ワークの場合は通勤に伴う支度や移動が不要です。
そのため、パートにでるよりも時給換算した場合に高くなる仕事も多くなります。
時給換算703円以上の在宅ワークを探すことは大変ではありません。
もちろん、主婦が正社員として働きにでれば、賞与などもありますので、在宅ワークの年収を上回ることが多くなります。
しかし、その分時間的な拘束が増え、責任やストレスも増えます。
このあたりは、収入と自由になる時間、ご自身の精神的肉体的負担なども含め、総合的に判断する必要があります。
家事と並行して仕事をおこなうことができる
- 朝は天気が悪かったけれど急に晴れてきたから洗濯物を干したい
- 夫や子どもが汗かきだから毎日布団を干してあげたい
- たまには時間をかけてじっくり煮込んだ料理をだしたい
- 洗濯物が多いから3回まわしたいけど出勤前にそんな時間がない
こんなふうに、主婦は日中に家事をやりたいことがあります。
しかし、一般的な仕事の多くは日中に拘束されますので、思うように家事をすることができません。
在宅ワークであれば、家事と仕事を並行しておこなうことができるため、自分自身や家族の満足度が高まりやすくなります。
子どもが帰宅する時間に家にいてあげられる
子どもがまだ小さいうちは、子どもの帰宅時間には家で迎えてあげたいと感じる主婦の方も多いのではないでしょうか。
しかし、働きにでると突発的な残業が発生し、必ず決まった時間に帰ってこられるとも限りません。
子どもに寂しい思いをさせてしまうこともあるでしょう。
在宅ワークであれば、残業をするかしないかは自分で調整できます。
たとえ残業になったとしても、子どもの帰宅時間に確実に家にいられます。
子どもは母親の姿を見ることで安心することができます。
主婦から人気の在宅ワーク
在宅ワークといっても、具体的にどのような仕事があるのかよく分からない方がいるかもしれません。
ここからは、主婦の方から人気の在宅ワークについて、仕事内容や向いている人などを紹介します。
内職
部品の組み立てやシール貼り、包装などの簡単な作業を在宅でおこないます。
単価が低く、手を動かさずして稼げる仕事ではありませんが、頭を使う必要がなく隙間時間で取り組むことができます。
「在宅で正社員並みに稼ぎたい」という希望がある方には向いていませんが、「少しでも家計の足しになれたら」と思っている方にはよいでしょう。
【内職に向いている人】
- 黙々と集中して作業することでストレス解消になる人
- 細かい作業が好きな人
- 頭を使う仕事が面倒な人
- いつも部屋が片付いており部品の紛失などがない人
イラストやWebデザイン制作の仕事
イラストを描く仕事やWebデザインをする仕事もあります。
経験者やスキルがある人に限定されますが、ご自身のスキルを直接活かすことができる点ではとても魅力的です。
企業のロゴマークやキャラクターを考えたり、Webサイトやアイコンのデザインを制作したりと、企業の要望に応じてさまざまな作業があります。
依頼から納品までがWeb上で完了しますので、完全在宅も可能です。
スキルが高く人気がでれば仕事や報酬もアップしていきますのでやりがいもあります。
【イラスト、Webデザインの仕事に向いている人】
- イラストやデザインの経験がある人
- クリエイティブな仕事をしたい人
- スキルを磨いて報酬アップを狙いたい人
システム開発や運用の仕事
主婦になる前にネット関連企業や職種として働いていた方は、システム開発や運用、保守などの仕事に就くことができます。
近年ではスマートフォンのアプリが人気ですので、アプリ開発などをおこなう仕事もあります。
こちらも経験やスキルが必要な仕事ですので、在宅ワークの中では高報酬になりやすい分野です。
【システム開発や運用の仕事に向いている人】
- パソコンをいじることが好きな人
- 専門知識やスキルがある人
- 在宅でも「がっつり」稼ぎたい人
ネットショップ運営サポート
ネットショップを運営している会社から委託を受けて、在庫管理や価格調整、顧客とのメールのやり取り、商品発送代行、商品リサーチなどをおこなう仕事です。
ネットショッピングに関する仕事の需要は大きいため、探すと比較的多くの求人を見つけることができます。
【ネットショップ運営サポートの仕事に向いている人】
- 自分もネットショッピングが好きな人
- ネットフリマや販売などの経験がある人
- 対顧業務など反応のある仕事をしたい人
記事執筆、校正の仕事
文章を書くことや調べることが苦にならない人や、日本語が得意という方は記事執筆や校正の仕事もよいでしょう。
特別な経験や資格が不要という点では、主婦の方が始めやすい在宅ワークのひとつになります。
最初のうちは文字数や文字単価が低くても、実績を積むことで報酬アップにも期待できます。
ファッションやグルメ、恋愛などは専門知識がそれほど求められず、多くの方が興味を持ちやすい分野といえます。
数をこなすことも必要ですが、最初の仕事としては適している分野です。
一方、医療資格や法律系資格など、特定の分野の資格をお持ちの方は、高単価の仕事を得られることも増えてきます。
IT系の情報に詳しい方も需要が高いです。
記事執筆の仕事で実績ができると、人が書いた記事を校正する仕事にも挑戦できます。
案件によっては校正の方が短時間で済みコスパがよいことも多いので、校正者までできるようになるまで頑張るとよいでしょう。
【記事執筆、校正の仕事に向いている人】
- 調べることが好きな人
- 本を読むことや文章を書くことが好きな人
- 特定の分野に精通している人
- デスクワークの経験がある人
翻訳系の仕事
翻訳の仕事も企業では外注することが多くありますので、ニーズとしては高い分野になります。
英語、中国語、フランス語など得意な語学があれば、語学力を活かしつつ在宅で報酬を得ることができます。
【翻訳系の仕事に向いている人】
- 語学力を活かした仕事をしたい人
- 語学のスキル保持に努めたい人
- 単純な事務系の仕事より高報酬を狙いたい人
写真の販売
自分で撮影した写真をネットで販売する仕事です。
写真を管理、販売しているサイトがありますので、そこに登録し、写真を納品、購入者がいれば報酬という形になります。
1枚数百円~数千円で販売しますが、購入者は一人とは限りませんので、よい写真が撮れれば高報酬にも期待できます。
写真の購入者は主に一般企業です。
企業が自社HPなどを制作する際、わざわざカメラマンやモデルを頼むと費用がかかります。
そこで、写真販売サイトから購入することで費用を大幅に削減できるため、多くの企業が活用しています。
【写真販売の仕事に向いている人】
- カメラが好きな人
- 感性を生かした仕事をしたい人
- 外出もある在宅ワークがしたい人
アクセサリーや雑貨の販売
アクセサリーやバッグ、ポーチ、ぬいぐるみなどを手作りし、ネットや店頭で売る仕事です。
自分のブログやサイトなどがあれば直接販売することもできますが、手作り品を出品できるクラウドソーシングがありますので、そちらを経由することも方法です。
自ら雑貨店などに売り込み、商品を置いてもらう人もいます。
【アクセサリーや雑貨の販売に向いている人】
- 手作りが得意な人
- 趣味と実益を兼ねたい人
- 自分のお店を持つ感覚で楽しく仕事をしたい人
ブログ、サイト運営
企業や個人と契約をするのではなく、自分自身が主体となり、情報を発信する仕事です。
ブログやサイトを運営し、広告を貼る、情報を売るなどして稼ぎます。
自分の得意な分野で勝負ができる点や、納期などがなく自由に仕事ができる点などが魅力です。
ただし、他の在宅ワークのように、作業した分必ず報酬が発生する性質ではありません。
3ヶ月~1年ほどはほとんど稼げないことも珍しくない点も押さえておきましょう。
今すぐにでも在宅ワークで稼ぎたいのであれば、ブログやサイト運営と並行し、作業ごとに確実に報酬が発生する仕事も進めておく方がよいでしょう。
【ブログ、サイト運営の仕事に向いている人】
- 地道に根気強く作業を続けられる人
- 分からないことを調べることができる人
- 人より少しだけ詳しい分野がある人
そのほか
ほかには、一般企業でおこなうような仕事も在宅で可能です。
求人によっては時間給制もあるので、作業報酬型の仕事が苦手な方にはよいでしょう。
主にはパソコンや電話を使った事務系の仕事になりますが、種類は次のようにいろいろなタイプの仕事があります。
- 人事アシスタント
- 経理、給与計算
- 秘書業務
- CADオペレーター
- データ入力
注意点としては、上記の仕事の中には、時間に制限があるケースも多いことです。
在宅自体は可能でも、「10:00~15:00までに作業していただける人」など、時間が拘束されることがあります。
時間の融通がきくことを理由に在宅ワークを希望している方は、結局一般的な会社勤めと差が少なくなってしまうため、募集要項を確認しましょう。
在宅ワークにも向き不向きがあると知ろう
ここまで、ワークごとに向いている人も含めて紹介しましたが、在宅ワーク全般に共通している向き不向きもあります。
主婦だからといって必ずしも在宅ワークに適性があるとは限りませんので、ご自身の性格もふまえて考えるようにしましょう。
在宅ワークが向いている人
在宅ワークが向いている人は、次のような特徴があります。
- 納期をしっかり守れる人
- 自己管理ができる人
- クライアントとこまめにやり取りができる人
- クライアントの顔が見えない仕事でも責任をもって取り組める人
- ネットや電話の向こうにいるのは「人」だと理解して気遣いができる人
- 在宅でも仕事は仕事だと理解できる人
在宅ワークが向いていない人
一方、在宅ワークは次のような人には向いていません。
主婦ができる仕事は在宅ワークだけではありませんので、ほかの仕事も検討されるとよいでしょう。
- 一人での作業に孤独感をもちやすい人
- 周囲に人がいることでモチベーションが上がる人
- パソコン作業より体全体を使って働きたい人
- 顔が見えない相手だとつい横柄になる人
- 在宅ワークだから手を抜いてもよいと思っている人
- 在宅ワークは楽をして稼ぐ手段だと思っている人
主婦の在宅ワークはどこで探せばよいの?
在宅ワークをする人はごく一握りだった時代とは違い、現在では在宅ワークの情報提供をおこなう媒体が多数あります。
一番手っ取り早いのはクラウドソーシングです。
クラウドソーシングに登録すると、企業や個人からの仕事情報を多数得られます。
クラウドソーシングが間に入ってくれることで、直接企業や個人とやり取りしたときのトラブル回避につながりますので、初めて在宅ワークをする方にはおすすめです。
また、求人サイト、求人誌、転職エージェントなどでも在宅ワークを見つけることができます。
最近では在宅ワークに特化した求人サイトもありますので、一覧で探したい方にはよいでしょう。
求人誌や転職エージェントには、内職求人や、正社員の在宅ワークなどの情報が載っています。
数は多くありませんが、お宝求人もありますので利用することも方法です。
主婦の在宅ワークに必要なもの
主婦が在宅ワークを始めるにあたって、最低限必要なものを紹介します。
パソコン、ネット環境、メールアドレス
部品が直接送られてくる内職を除くと、ほとんどの場合にパソコンが必要となります。
スマホだけで作業できるものもありますが、ごく簡単なアンケートくらいしかできないことが多く、在宅ワークと呼べるほどの報酬にはなりません。
文書作成や入力、記事執筆などの仕事であれば、メールや検索など最低限のことができれば十分ですし、高いパソコンを買う必要もありません。
イラストやデザイン制作、開発などの仕事では、クライアントがどのような環境を望むのかによって異なります。
いずれにせよ、パソコン、ネット環境、メールアドレスは在宅ワークをするうえで可能な限り用意しておくべきものになります。
作業場所
パソコンを使って何時間も作業する仕事であれば、一般的なデスクワークと同じようなものですので、椅子と机が必要になります。
座りにくい椅子などで長時間作業すると肩や腰を痛める原因にもなりますので、そのあたりも少し考慮しておきましょう。
内職のように細かい部品を広げて作業する仕事であれば、それなりの作業スペースも必要です。
小さな子どもさんがいらっしゃる主婦の方は、子どもが部品を誤飲しないような配慮も求められます。
銀行口座
在宅ワークで稼いだお金を受け取る口座が必要です。
手持ちの口座への振込に対応してくれるケースが多いですが、できればネット銀行口座を作っておくとよいでしょう。
振込手数料が安く、Web上でお金の流れや残高を確認できるため利便性が高いからです。
在宅ワークの注意事項
最後に、主婦が在宅ワークをする前に注意すべきポイントをお伝えします。
厚生労働省でも「インチキ内職」の被害防止について警告していますので、仕事選びは慎重におこなうことが大切です。
初期投資が必要
機械や部品を作業者が買い取ってからおこなうものや、講習料をとるものなどさまざまです。
しかし、よく考えてみてください。
仕事をするのに初期投資が必要というのはおかしくないでしょうか。
一般企業で働くときには、入社にあたって金銭を差し出すことはないはずです。
この事実は、勤務先が明らかである働き方だと分かるのに、在宅だからという理由で判断を誤ることがあります。
在宅ワークも、通勤が必要な仕事も、働いて報酬を得る点では同じです。
初期投資が必要な仕事は基本的に避けるようにしましょう。
報酬があいまい
契約時に報酬があいまいな仕事も気をつけましょう。
作業する前に詳細を確認しておき、怪しいと思ったら手を出さないことです。
「〇〇万円以上可能!」など、明らかに簡単な仕事なのに高報酬をうたっている仕事も注意が必要です。
在宅ワークは、通勤の負担などがない分、基本的には報酬が低めに設定されているものが多くなります。
在宅ワークで簡単に高報酬を得られるとは思わず、根拠のある報酬設定がされている仕事を選びましょう。
すぐに楽な思いをして稼げると思わないこと
その仕事が法的に何の問題もなかったとしても、すぐに楽な思いをして稼げるかどうかは話が別です。
たとえばWebサイトに執筆した記事を納品するような仕事でも、最初の頃は単価が低く、数をこなすことでしか執筆スキルも上がっていきません。
他の在宅ワークも同様です。
この点は、新入社員時代は給与が低くても、経験を積むことで徐々に給与がアップしていくことと同じことであると理解しましょう。
簡単な仕事から始めてみて、コツを掴んでいったら少し重めの仕事に移行していくことがよいでしょう。
取り組み始めてすぐに高報酬を得られなかったからといってやめてしまうと、いつになっても低単価の仕事にしか巡りあえません。
最後に
いかがでしたか?今回は主婦の在宅ワークをテーマに、在宅ワークのメリットや種類、適性などについて紹介しました。
外に働きに出ることが難しくても、在宅で収入を得ることは十分可能です。
まずは月3万円を目標に始めてみましょう。
慣れてくれば正社員並みの月収を稼ぐこともまったく夢ではありません。
収入源ができることで生活の負担軽減や気持ちの余裕につながっていきますので、簡単な仕事から挑戦してみてはいかがでしょうか。