つわりで仕事を休んでも大丈夫?職場への対応の仕方や役立つ制度をご紹介。

妊娠がわかって喜んだのもつかの間、地獄のつわり期間がやってきます。このつわり、妊婦全員が同じだけ経験するならまだいいですよね。この期間はみんなつらいんだ。って思えますから。

でも、つわりは人それぞれ症状もレベルもまるで違います。私自身は妊娠が発覚するまでのいわゆる「妊娠超初期」と言われる時期に、なんか気持ち悪いなぁ・・程度のものはありました。

食べ過ぎたか?とか飲んでいる薬の影響?などと思っていましたが、今思えばあれ超初期のつわりだったのかな?程度しかなかったんです。そのため、妊婦さんのつわりの辛さは未経験。

私の友人はつわりがひどく、仕事なんてできたもんじゃなかったと言っていました。要はひとそれぞれ症状が違うので、無理は禁物なんです。今回は、つわり中の仕事をどうするべきかのお話をしていきますね。

つわりはいつまで続くの?その間仕事はどうするべき?

妊娠が発覚してすぐつわりは始まります。一口につわりと言っても、その程度はかなり個人差があり、仕事になんの支障もでない人もいれば、仕事どころでない人も。

私がなんの症状もなかったので、職場では「無理してない?」や「つわりは?」としょっちゅう聞かれました。というのも、私の前に産休に入った人が重度の妊娠悪阻だったんです。

安定期に入るまでは来ている日の方が少ないぐらいでした。安定期に入ったぐらいに姿をみたらびっくりするぐらい痩せていて「どうしたの?」と思わず聞いてしまいました。

同僚に詳しく話を聞くと、つわりがひどくて水を飲んでも吐いてしまうレベルで入院していたと言っていました。ご飯はもちろん水分も取れないので「このまま死ぬのかな・・」

とさえ思ったと同僚は言っていました。

その同僚が産休に入ってすぐ私が妊娠したので、誰もが私もそうなると思っていましたし、私自身も本当に怖かったんですが、つわりっていつ来るんだろう?って思ってるうちに安定期に入ってしまったのです。

その同僚は、安定期からしばらくして後期に入ると後期つわりや腰痛そしてお腹の張りなどで、妊娠期間を通してあまり会社に来られない状態でした。一方私は、後期に入ってすぐ切迫早産で安静になってしまったこと以外はなんのトラブルもありませんでした。

このように、妊娠の症状というのは人それぞれというか、妊娠のたびに変わるんです。一人目大丈夫だった人でも、二人目はつわりがひどいこともありますし、もちろんその逆もあります。

そのため、今までの妊婦さんは仕事をしていたから、あなたもできますよね?というのはあまりにも、無茶な言い分なのです。

無理をしないことが一番!

妊娠期間に一番大事なのは、ママの健康とお腹の赤ちゃんの安全です。つわり期間に流産するのはほぼ赤ちゃん側に原因があると言われています。でも、つわりでふらついて転んだり階段から落ちたりすれば話は別です。

「そんな大げさな・・」と思うかもしれませんが、つわりというのは吐くだけではないんです。嘔吐を繰り返している状態というのは、体力も削られます。そしてちゃんと食べれてないわけですから、栄養も不足しています。

そのため、めまいやふらつきも当然でてきます。その状態で無理して通勤していて転ばない保証はどこにもないですよね?もし転んだ場所が階段だったらと考えたら、ものすごく怖いことです。

どの程度で休んでいいのかという明確な基準はありません。そのため、あなたが「今日無理かも・・」と思ったら休んでいいんです。

お恥ずかしい話、私も独身の頃は「つわりぐらいで休むって・・」とか「妊娠は病気じゃないんだから頑張ってよ。」なんて思ってました。

今となっては、当時の自分を殴りたいぐらい恥ずかしい限りです。でも、当時の私の心境がつわりを経験していない人の本音なことが多いです。自分が経験していないことはなかなか理解するのは難しいです。

妊娠・出産を経験した人でも、私のようにつわりがなかった人は「つわり?そんなしんどいの?」と思ってしまうのが正直なところです。周囲からの風当たりは気になりますよね。

周囲の雰囲気や休んだ時にチクチク嫌味を言われたことで、休みづらくなる気持ちもよくわかります。けれど、そんなことに怯まず堂々と休んでください。

妊娠期間中は無理をしないということが、大前提ですしもっとも大切なんです。万が一何かあっても会社は何もしてくれません。万が一があってはいけないので、しんどいなら休むということが大切なんです。

いつ休んでもいいように引き継ぎは早めに

これは、私自身もやってしまったことですが、引き継ぎ書類は早めに作っておきましょう。「元気だから大丈夫」この気持ちが、とっても危険なんです。

私自身、なんの症状もなく仕事仲間と夜ご飯に行ったりもしていました。周りからは「大丈夫?」と言われていましたが、私はなんの疑問も持たずに求められれば仕事を優先していたんですね。

その結果、切迫早産で2ヶ月も入院する羽目になってしまいました。つわりにしても切迫にしてもなるまでは、予想ができませんし自分でコントロールもできません。

私はそれこそなんの引き継ぎもしてなくて、ある日急に来なくなったもんですから、産後挨拶に行った時「なにがあったの?」と色々な人に聞かれました。そして、各方面の方々に頭を下げて謝罪行脚をしなければいけなくなったんです・・。

私のように、こんなことにならないためにも妊娠が発覚したら、体調がいい時に引き継ぎ書類は作成しておきましょう。

早めに作成して、マニュアルが変われば修正すればいいだけですので、いつ自分が出勤できなくなっても大丈夫なようにしておきたいものです。

理解のない職場でも周りの声は気にしない

妊娠への職場の理解というのは、その職場ごとに全然違います。理解があるところもあれば、このご時世に不思議なぐらい理解のない職場もあるんです。

もし、自分の上司が妊娠に対して無理解だったとしても、気にしなくてもOKです。

上司が何を言おうと、しんどい時は休んでいいんです。「あの人またつわり?」なんて言われてもそんな外野の声は気にしないでください。そういうことをいう人は、休んでいる=ズル休みなんじゃない?と思っているだけです。

もちろん、つわりを言い訳にズル休みはダメですよ!でも本当につわりがきついなら無理に仕事に行っても逆に迷惑になるだけです。

職場につわりがひどくて、青い顔をしてしょっちゅうトイレに駆け込んでいる人がいたらあなたはどう思いますか?多くの人は「無理しなくてもいいのに・・」と思うでしょう。

それはあなたがつわりで無理をしていても同じなんです。吐くたびに手は止まるし、しんどくて集中もできないでしょう。そんな状態で出勤しても自分はしんどいですし、周りは気を使います。

それなら、家で休んでいた方がいいですよね。

どうしても休みづらいなら医師に相談!

そう言っても、職場によっては本当に休みづらいこともあると思います。そんな時は主治医に相談してください。

私が切迫早産の時に仕事を休むのを渋っていたら医師から「そんなに休みづらいなら母性健康管理指導事項連絡カード書こうか?」と言ってくれました。

それを書いてもらうことで、会社に対してもですが、私自身の意識も「ほんとうにダメなんだな」と思うことができたんです。

母性健康管理指導事項連絡カードとは?

母性健康管理指導事項連絡カードを聞いたことがない人も多いと思います。私自身自分が書いてもらうまでは、こんなものがあるということさえ知りませんでした。

このカードが何をしてくれるのかというと、医師の診断書のようなものなんですね。妊婦の体調を理由に休職したり時短にしたりする際に使われるものです。

この母性健康管理指導事項連絡カードを提出されると、会社はこのカードにかかれてある内容に従わなければなりません。医者が休ませろというなら、休ませないといけないんです。

私の場合は、上司に話をしてすんなり認められたので、提出の必要はなかったですが、もし上司に色々言われた時のことを考えたら、書いてもらえることは本当にありがたいです。

よく妊娠は病気じゃないと言われます。でもだからこそちゃんと体を優先しないといけないんです。病気は予防ができますよね。例えば風邪にしても自己管理ができます。

でも、妊娠は人によって症状が全く違いますし、なってみるまで自分でもどうなるかなんて想像がつきません。そのため、つわりがひどいなら休むしかないんです。

初期のつわりが終わっても後期つわりでまた吐いてしまう人も多くいます。初期のつわりがひどかったから後期つわりにならないために予防しよう。そんなことは不可能なんです。

妊娠は病気ではないからこそ、予測が不可能です。だれが、いつどんな症状に悩まされるかは誰にもわからないのです。そこから言えるのは、つわりで悩んでいる本人が「辛いので休みたい」という以上それを止めることはできません。

その妊婦が休むことについては、法律でもちゃんと明記されています。そのため、担当医に母性健康管理指導事項カードをちゃんと会社に提出し、無理のない仕事を行なっていきましょう。

重症のつわりってどんな状態?

パッと重症のつわりと聞いてどのような症状を思い浮かべますか?ただ吐いているだけと言っても、重症になればなるほど、体に支障が出てきます。

妊娠すると、毎回必ず尿検査を行います。その検査で何を見ているのかというと、尿にタンパクが出ていないかやケトン体が陽性になっていないかです。尿にタンパクが出てしまうと、妊娠高血圧や妊娠糖尿病の恐れがあります。

そして、一般の方にはあまり馴染みのない言葉ですが、「尿にケトン体が出る」とはどういう状態なのでしょうか?

嘔吐などで点滴が必要な状態

妊娠中は赤ちゃんにも栄養を送らないといけないので、普通に食事をしていても貧血やめまいそしてふらつきなどが出ます。それなのに、つわりで食事が取れていないとなれば、栄養がなくなってしまいます。

その栄養不足を何で判断するのかというと、先ほど少し触れさせていただいた尿検査です。妊娠中の母体の糖分はいくらつわりで食事が取れていないと言っても、胎児へ優先的に使われていきます。

そのため、母体の糖分が不足すると過剰なケトン体が出てしまうんですね。過剰なケトン体が出るということは、体が飢餓状態になっている証拠です。ケトン体が出てしまえば、病院では妊娠悪阻(にんしんおそ)と診断がつきます。

あまりに悪化すると妊娠悪阻で入院の可能性も

妊娠悪阻と診断されると、最初は点滴治療や漢方薬の処方が始まります。ケトン体が出ている状態だと、飲み物さえ取れていないことがほとんどです。そのため、水分と栄養をしっかり取るために点滴をしていきます。

私の同僚も水を飲んでも吐く状態だったため、入院したのですが妊娠悪阻で入院する人の多くは、入院が決まってホッとしたといいます。いつでも点滴が受けられ、お腹の赤ちゃんの状態もすぐに見てくれる医師がそばにいることで安心できるんでしょうね。

つわりには終わりがありますので、必ず落ち着いて退院できる日がきます。「入院なんて絶対にいや」その気持ちはわかります。でも自宅で水も飲めない中無理をして、お腹の赤ちゃんに何かがあってからでは遅いのです。

私が入院したのは切迫早産でしたが、その時に熟年の看護師さんに言われたことがあります。「妊娠での管理入院は必ず終わりが来る。しかもそのあとに幸せな未来が待ってるの。そのために今辛いだろうけどがんばってね」そう言われた時、心がすーっと楽になったのを覚えています。

あの時、無理をしてとんでもない早産になっていたら・・とかんがえるとゾッとします。そうなっていたら、今娘と過ごしているこの幸せな日々はないんですよ。つわりも同じで、今無理をしてせっかく来てくれた赤ちゃんに何かあったら大変です。

食事を取れないということで、母体への危険だってあります。無理はせずあまりに連日吐くのが止まらないのであれば、医師に相談して治療を受けてください。

まとめ

いかがでしたか?どうしても通勤中などで元気に仕事に通う妊婦さんや、マタニティビクスなどを行なっているアクティブ妊婦さんなどが目につきますよね。

「今まで妊娠した人はこんなに休んでなかったよ」なんて言われると、仕事を休みづらい気持ちはとてもよくわかります。私も最初休む羽目になった時には、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでしたし、なんで私が・・と思いました。

でも、実際につわりがきついのは仕方がないです。誰が悪いわけでもないですから、今の仕事はお腹の赤ちゃんを育てることだと割り切って、つわりがきついときは仕事を休みましょう。

元気な妊婦さんと比べられて辛い気持ちもわかります。でもそんな外野の意見なんて無視しちゃいましょう。妊娠中にどれだけしんどくても、出産後に赤ちゃんの顔を見れば「頑張ってよかった」と思えます。

今までの辛さが吹き飛ぶぐらい、生まれた赤ちゃんはとんでもなく可愛いです。そのかわいい赤ちゃんに会うために、無理はせず自分の体調最優先でお仕事頑張ってくださいね。

おすすめの記事