引きこもってしまう子どもの心理、周りはどう対処すればいい
今子どもが引きこもりになってしまって、これからどうすればいいのだろうと、途方にくれているあなた。きっと頭の中では、
- 引きこもりはいつまで続くの
- このまま一生引きこもってしまったらどうしよう
- この子の将来はどうなるの
- 引きこもりが早く直ってほしい
と、悩みや不安でいっぱいのはずです。子どもが部屋から出てこない、家から出たくないという状態が何日も続いているというのは、親である私たちにとって、とても大きな問題ですよね。
今回は、引きこもりの子どもの心理、子どもが引きこもりになってしまった時、周りの人や家族がどう対処するべきなのかを紹介していきたいと思います。
目次
どうして子どもは引きこもってしまうの
子どもが引きこもりになった時、まず一番に思い浮かぶのは「どうして」ということではないでしょうか。
人間は十人十色というように、その理由・心理は様々です。しかし、引きこもりの子どもには、違う中にもある程度共通している事があるんです。まずは子ども理解してあげるためにも、今自分の子どもはどれに当てはまっているのかを考えてみてください。
家の中にいれば安心と考えている
「家の中にいれば安心」こうした思いから、引きこもりを選ぶ子どもがいます。
こういった子に多いのは、何か原因があり、そのことがきっかけとなり「辛い思いをしたくない」と思った結果、引きこもっています。なのでこのタイプは、家の中や家族、友達、自分が信頼している人の前では普通に楽しそうにしているのが特徴です。
しかしこう言った状態は、はたから見れば「元気じゃん」と思ってしまうので、つい悪気なく「そんなに元気なら、外に出られるでしょ」と親や兄弟が言ってしまった結果、子どもが傷ついてしまうという事が起こりやすいです。
誰にも相談できないと思っている
子どもの中には、誰にも相談できず、自分ひとりで抱え込んでしまっているタイプの子もいます。この場合、ずっと一人で部屋にこもっていることが多く、家族の輪に自分から入ろうとしません。
その理由は、家族を信頼していないため、家庭での会話にさえ緊張してしまうからです。そのため、一人で部屋にこもっている方が楽と感じます。中には、家の中で家族の生活している音がするだけで、落ち着かないと言う子もいます。
自分で自分を罰している
中には、自分で自分を罰しているというパターンもあります。これは何かの要因で、過度に「自分はダメなやつだ」「生きる価値のない人間だ」などと思いこみ、部屋にこもることで、自分自身に罪を与えているのです。
この場合、周りからみると、ただ引きこもっているだけに見えるので、「引きこもってばっかりで」と周りが何気なく、こう言った言葉をかけてしまいがちです。
しかし本人の中では、もうすでに自分を罰している状態なので、そういう言葉をかけられると『あ、やっぱり自分はダメな子だったんだ』と余計に自分を責めてしまうのです。
なぜ引きこもりという選択をしているのか
引きこもりは、子どもが悩んで選んだ最終手段
こうなってくると、「それなら、どうして私たちに相談してくれなかったの」「引きこもってないで、原因を話してみなさい」と思う方もいると思います。
しかし子どもが引きこもってしまうというのは、最終段階の状態です。なのでそれまでにも、口数が減った、笑わなくなった、食欲が無くなる、目が死んでいる、など何かしらの変化があり、本人が悩んできた結果、引きこもりを選択していることが本当に多いです。
しかし親としては、この状態を分かっていたとしても、将来の事を考え学校を休ませることができなかったという人もいますよね。
ですが、「どうせ言っても分かってもらえない」「私は誰にも理解されない」「一人でいる方が楽」と考える子に多いのは、こう言った変化に気づいてもらえなかったと思う過去があることも関係しています。
ですので親は無理に理由を聞き出そうとするのではなく、辛抱強く、子どもが自分をまた信頼して話してくれる日まで待つ、という忍耐が必要になってきます。
長い目を持ち、子どもと向き合うことが、解決につながる
子どもに対して長い目を持ち、接してあげる
子どもが引きこもりになってしまうと、親としては引きこもりを解決しない事には、この子に将来はないと考えてしまうこともあるでしょう。
そのため、少し無理をさせてでても、外へ出そうとしてしまったり、また、引きこもりが癖になって部屋から出られなくなるのではないか、と思ってしまっている人もいると思います。
しかし今の子どもに大切なのは、親がじっくり長い目を持ち、寄り添って接してあげることなんです。引きこもりは色々な出来事があったうえでの、子どもが選んだ最終手段です。そのため一日、二日でどうこうなるものではありません。
これから何年も一緒に付き合っていくという覚悟が、親や周りには必要になってきます。
子どもと向き合う=甘やかす、ではない
そして大切にしたいのが、子どもと向き合うということは、甘やかすことではないという事です。向き合うというのは、子どもと一緒にいる時間を大切にし、話を聞いてあげ受け入れようとする姿勢です。
中には「子どものこんな状態に気づけなかったなんて。これから、子どもの言うことは何でも聞いてあげよう。」という方もいますが、これは子どもと向き合っているとは言えません。ダメな事はダメと伝える、そういった態度を取ることも大切です。
絶対に私たちはあなたを見捨てない、という姿勢を子どもに見せる
子どもは「いつか自分なんて見捨てられるのではないか」「自分は大切にされていないのではないか」と家族に思っていると、中々心を開いてくれません。
その結果、引きこもりが長引いたり、親なしでは生きられないといった状態になってしまうこともあるのです。
なので親や周りにいる人こそ、引きこもりの子どもを一番信用してあげて、「この子なら大丈夫」と心から信頼してあげることが大切なんです。これは、「あなたなら、絶対に大丈夫よね、ね」と子どもに圧力をかけることではありません。
「絶対に大丈夫、この子なら。私はずっとあなたの味方。」と思ってあげることで、子どもは「どんな自分でも愛してくれる家族がいる」と前向きに考えられるようになります。
子どもが家族を信頼することで、将来に希望が持てるようになる
そして子どもが家族を信頼した結果、気持ちが前向きになり新しい事にチャレンジする精神にもつながります。
自分はこのままでいい、と思えることで、将来は明るくなる
自分の事を認められるようになった子どもは、将来の事も自然と考えることができるようになります。前向きになると色々な事にチャレンジしたい、という気持ちも芽生えてきます。
それは子どもの得意な事かもしれないし、新しいジャンルのものかもしれません。子ども自ら何かしたいという意識が見えたら、親はそれを一生懸命に応援してあげることで、子ども自身も将来に対しての不安が徐々に薄れていくのです。
引きこもりは本人だけでどうにかすればいい、というものではありません。家族一丸となって、時には皆と違う道でもいいと受け入れることで、子どもや親にとって明るい未来へとつながっていくのです。