放課後デイサービスとは、障害をもっている子供たちが小学校や中学校などの授業が終わったあと、または学校が休みの日に通う福祉施設のことを言います。
ただ、放課後デイサービスの仕事は一般的な介護サービスと同様かそれ以上に「辞めたい」「続けられない」と感じている人が多いようです。
そこで今回は、放課後デイサービスの仕事の難しさや辞めたいと感じた時の対処法、上手に気分転換をする方法などについて、くわしく紹介していきます。
目次
数日でもう辞めたい?放課後デイサービスの仕事の難しさ
障害を持った子供たちのために作られた学童保育施設が放課後デイサービスです。知的障害や発達障害がある場合には、集団生活がスムーズにできるように生活指導をしていくこともあります。
また、身体障害がある場合はトイレの介助をする、その他の身体介護をするなど、それぞれの障害の度合いや個人の性格なども考慮に入れてプログラムを組む場合もあるようです。
このように放課後デイサービスの仕事は複雑で多岐にわたりますから、着任して早々「辞めたい」と感じてしまうのも無理はないのかもしれません。
では、放課後デイサービスという仕事の難しさについて、少し考えていくことにしましょう。
子供が本当に好きな人でないと続かない
「子供が好き」ということ、そして「子供たちの障害も個性だと認め辛抱強く付き合っていける」ことは、放課後デイサービスの仕事を長く続けていくための必須条件です。
放課後デイサービスには、障害を持って生まれ、自分の意志をうまく伝えることができない子供たちが大勢通ってきますから、単純に「介護ができれば良い」という考えでは到底つとまりません。
時には感情をうまく言葉にできない子供たちの心ない言葉に傷ついてしまうこともあるでしょう。そうした時にすぐに気持ちを切り替えて業務を続けられる忍耐強さも必要になってきます。
施設との相性が良くないと続かない
障害を持った子供たちのケア心身をおこなうことが、放課後デイサービスで働く人たちの重要な仕事ですが、施設によっては環境が十分に整っておらず仕事がやりにくいと感じる現場もあるようです。
手足が不自由な子供が通っているのにエレベーターが設置されていない、バリアフリー仕様が徹底していない状況では、子供たちはもちろん職員たちも大きなストレスを感じてしまいます。
また、すべては子供のやることだからとスタッフに対する暴言・暴挙に関して適切に対処することをせず、子供たちの行動にまったく無頓着な施設もあるといいます。
つまり、放課後デイサービスで長く勤めたいと考えているのであれば、施設との相性は非常に大切なのです。子供たちだけでなくスタッフのケアまでもおざなりになっている施設で長く働きたいとは誰も思わないでしょう。
学び続ける姿勢がないと続けられない
放課後デイサービスは子供たちの世話をする仕事なのだから、保育士の資格を持っていると就職に有利だと考えるかもしれません。
確かに保育士に必要なスキルや知識は放課後デイサービスの仕事に役立ちます。しかし、保育士の知識だけでは不十分な面が多々あります。
というのも、ひとりひとりの障害の状態や発達段階について正確に把握し、どのようなケアをしていくのがベストなのか、常に考えながら動かなければいけないからです。
このように、放課後デイサービスは「保育士」という資格を持っているから必ず務まるというものではなく、いつまでも学び続ける姿勢を持っていなければ続けていくことが難しい職業であるとも言えます。
上手に気分転換を!放課後デイサービスを辞めたいと思った時はどうする?
年配者を対象にした介護施設とは違い、放課後デイサービスは発育途中の子供たちの世話をするデイサービスです。時には心身共に疲れ果て「辞めたい」と感じてしまうこともあるでしょう。
では、「放課後デイサービスを辞めたい」「もう限界ギリギリ...すぐに解放されたい」と感じてしまった時にぜひ試したい、上手な気分転換の方法を紹介していきます。
栄養のあるものを食べてたくさん寝る
いつも体調を万全の状態に整えておくということは、放課後デイサービスに限らず、どのような仕事をする場合にも共通して言えることです。
栄養のあるものを食べてたくさん寝ることは、一見すると当たり前のように見えますが、外食やスマホの普及などにより、多くの人は栄養不足・寝不足の状態であると言われています。
ですから、放課後デイサービスの仕事を辞めたいと感じたらまずは、栄養のある美味しいものをたくさん食べて、睡眠をたっぷり取ることから始めてみてください。
この生活を1週間続けるだけで心と体をかなりリフレッシュすることができますから、「放課後デイサービスの仕事を辞めたい...」という気持ちが薄らく可能性があります。
感情をうまく表に出してストレスを発散する
放課後デイサービスで毎日、障害を持った子供たちと向き合っていくと、子供たちの心や体の状態には敏感になる反面、自分自身の感情に鈍感になってしまうことがあります。
子供たちの一挙一動に振り回される日々でも、「自分が我慢すれば良いのだ」という気持ちに自分の心が縛られていってしまうのです。
ですから時には、泣ける映画や感動できる本を読むなどして、感情をうまく表に出していきましょう。特に涙を流すことはストレス解消に大きな効果があると言われているのでおすすめです。
マッサージで全身のコリをほぐしてもらう
放課後デイサービスの仕事は体力仕事でもあります。障害を持った子供たちの移動やトイレの介助なども仕事のひとつですから、体のあちこちが筋肉痛になることも少なくありません。
疲労が溜まった結果、体調を崩して放課後デイサービスの仕事を続けられなくなったという人もたくさんいます。ですから、子供たちのケアと同じように、自分の体のケアも積極的におこなっていきましょう。
体を柔軟にするストレッチを欠かさないことや、自分へのご褒美としてマッサージで全身のコリをほぐしてもらうのも良い気分転換になりそうです。
辞めたいと言う前に!放課後デイサービスのやりがいについて考える
放課後デイサービスの仕事は、介護の仕事と同じかそれ以上の重労働であり、心と体を大きく消耗する仕事であると述べました。
しかし、大変なだけではないのが放課後デイサービスという仕事です。「もう辞めたい...」と真剣に退職を考える前に、放課後デイサービスという仕事のやりがいについて考えてみましょう。
子供たちの成長を目の当たりにした時の喜びは大きい
放課後デイサービスの職員として働き始めたばかりの頃は、子供たちも新人職員のあなたという存在に慣れておらず、簡単に心を開こうとしません。そのため最初は気苦労が絶えないかもしれません。
しかし、日々子供たちと接しているうちにお互いの距離は少しずつ縮まっていきます。徐々に信頼関係も築けるようになり、仕事がしやすくなっていくことは間違いありません。
また、障害を持っていても障害を持っていなくても、子供の成長というのはめまぐるしいものがありますから、成長の過程を身近で感じたときには、大きな喜びとやりがいを感じるでしょう。
経験を積むことで自分自身の成長も実感できる
誰でも最初は右も左もわからない初心者です。今は放課後デイサービスで頼りにされている先輩たちも、かつてはあなたと同じように悩み・迷い・辞めたいと感じたことがあったかもしれません。
ただ、どんなに仕事が大変でもあきらめず、投げ出さずに頑張ってきたからこそ、放課後デイサービスという仕事を楽しめるようになってきたのでしょう。
少なくとも数ヶ月から数年の間は経験を積む期間であり、子供たちとより良い関係を築くための準備期間なのだと割りきって仕事をこなしていくことが大切です。
毎日をがむしゃらに走り続け、やがて振り返った時にはきっと、自分自身の成長をハッキリと実感できるようになっているはずです。
保護者の良きサポーターであると感じたとき
放課後デイサービスとして働くということは、障害を持った子供たちをどのように見守っていくか、子供たちの成長をどのようにサポートしていくかという点が重要なポイントになってきます。
また、放課後デイサービスの職員としてもうひとつ重要な仕事があります。それは、障害を持つ子供たちの保護者の良きサポーターであり続ける必要があるという点です。
放課後デイサービスで働く職員が子供たちと接している時間は1日の3分の1程度、残りの時間はすべて保護者と一緒に過ごしています。当然、保護者には土日も祝日も関係ありません。
そのため、「放課後デイサービス」という場所を保護者の息抜きの場として捉える場合もあります。たとえ一時的でも子供と離れる時間を作ることで、またリフレッシュして明るく子供に向き合うことができるのです。
このような放課後デイサービスの「もうひとつの役割」に気がついた時、「自分は役に立てているんだ」という深い実感と共に、大きなやりがいを感じることができるでしょう。
放課後デイサービスの仕事は激務!「辞めたい」と感じたら早めに転職を考えよう
放課後デイサービスの仕事の難しさや辞めたいと感じた時の対処法、上手に気分転換をする方法などについて、くわしく紹介してきました。
放課後デイサービスの仕事は確かに激務ですが、それを大きく上回るほどのやりがいにあふれた仕事です。しかし、自分の心と体の限界を超えてしまいそうだと感じたら、迷わず転職を考えましょう。
ただ、精神状態が不安定なまま重要な決断をしてしまうと、あとになって後悔してしまうこともありますから、自分の気持ちと体調を万全に戻した状態で、今後のことを真剣に考えることが大切です。
放課後デイサービスの仕事を通じて経験したこと、学んだこと、反省したことなどをすべて踏まえて、新しい仕事探しを始めてみてみるのも良いかもしれませんね。