ドラッグストアやネット通販でよく見かける除毛クリーム。
比較的手ごろな価格で手に入るため気になっている方も多いでしょうが、どうやって使うのか、効果はあるのかといった疑問もありますよね。
そこで今回は、除毛クリームの仕組みや効果、注意点などを紹介します。
除毛クリームを使うメリットやデメリットもよく把握してから、実際に使ってみることをおすすめします。
まずは知りたい除毛クリームの全体像
除毛クリームという名前は聞いたことがあっても、使ってみたことがない方にとっては少々イメージが沸きにくいかもしれません。
まずは除毛クリームとはどんなものなのか、全体像を紹介します。
除毛クリームとは?
除毛クリームは、除毛したい部分にクリームを塗り、クリームの成分をムダ毛部分に浸透させることで毛を柔らかくします。
クリームの拭き取りの際に毛も一緒に除去する仕組みです。
除毛クリームには「チオグリコール酸カルシウム」という成分が含まれており、毛のたんぱく質を分解します。
これによって、「毛を溶かす効果がある」と言われています。
除毛と脱毛の違い
そもそも除毛とは何かご存じでしょうか。
除毛とは表面にでている毛を取り除くことであり、毛そのものをなくすことではありません。
よく聞かれる「脱毛」とは根本的な違いがあります。
脱毛は毛根から取り除くため、新しい毛が生えてくるまでの期間が除毛より長くなります。
医療レーザー脱毛などでアプローチすれば毛乳頭まで破壊し、毛の再生能力を抑えることで永久脱毛に近い状態までもっていくことも可能です。
「除毛クリーム」と「脱毛クリーム」の違い
除毛クリームの中には「脱毛クリーム」と名前がついている商品もありますが、実際には除毛クリームで脱毛はできません。
「脱毛クリーム」も「除毛クリーム」も基本的な仕組みや効能に差はないと思っておきましょう。
「クリーム」「ジェル」「ローション」の違い
除毛クリームのテクスチャーは商品ごとに違いがあります。
クリームタイプだけでなく、ジェルやローションタイプのものもありますが、除毛の仕組みや効果に大きな違いはありません。
メーカーが自社商品の特性に合わせているだけですが、除毛クリームは均一に塗ることが1つのコツなので、塗りやすいかどうかは考えた方がいいかもしれません。
除毛クリームの効果
除毛クリームはあくまでも表面にでている毛を除去するため、1度使ってもすぐに生えてきます。
個人差がありますが、処理後2~3日でチクチクとした手触りを感じる方が多いようです。
中には脱毛効果があるとうたっているクリームもありますが、「チオグリコール酸カルシウム」が毛穴の奥に浸透しやすいということで、脱毛とは異なります。
ただ、通常の除毛クリームに比べると毛が生えてくるまでに時間がかかったり、柔らかい毛が生えてきたりしてそれなりに効果を実感できる可能性はあります。
除毛クリームの素朴な疑問を解決
除毛クリームがどんなものか何となく分かってくると、費用や購入場所など素朴な疑問が生まれてきます。
ここからは、除毛クリームの素朴な疑問を解決していきます。
除毛クリームの費用相場
除毛クリームにかかる費用は1,000~3,000円ほどです。
比較的安いタイプなら1,000~1,500円、少し高級なタイプなら2,500~3,000円ほどが目安になります。
中には5,000円以上する高価な商品もありますので、あくまでも目安として覚えておきましょう。
ドラッグストアで手軽に手に入れられる除毛クリームは1,500円以内で買えるものも多いですが、ネット通販でしか販売されていない除毛クリームは2,500円以上かかる商品が多い傾向にあります。
除毛クリームは本当に安い?
除毛クリームについて「脱毛に通うより安いから」との理由で使う方がいますが、果たして本当なのでしょうか。
平均的な1本2,000円の除毛クリームを使ったとしても、両脚と両腕、両ワキで半分くらいの量は使うことになるため、1回あたりのコストが1,000円かかると仮定します。
1週間に1度の使用頻度であれば、月に約4,000円かかりますね。
除毛クリームに脱毛効果はありませんので、4,000円のコストはほぼ毎月積み重なります。
1年で48,000円、10年で480,000円です。
一方、高いと言われる脱毛は、全身脱毛であっても200,000~300,000円が相場で、脱毛の方が長い目で見ると安いことが分かります。
除毛クリーム1本あたりの価格は安いと思うかもしれませんが、実はそれほどコスパがいいわけではない点は注意が必要ですね。
除毛クリームはどこで購入できる?
除毛クリームは比較的手に入りやすく、市販品であればドラッグストアや薬局、量販店やデパートのコスメグッズ売り場などで販売されています。
楽天やアマゾンなどでも多くの販売店を見つけることができます。
ほかには、メーカーの公式HPでのみ取り扱っている除毛クリームもあり、口コミなどで人気を得ている商品もあります。
除毛クリームは体のどこに使えるの?
除毛クリームは商品ごとに対応箇所が異なります。
腕や脚、ワキなどの皮膚が厚くしっかりしている箇所であれば多くの場合は使えますが、顔やVIOラインには使えないことがほとんどです。
商品ごとの対応箇所を確認することが重要で、記載がない部分には決して使用してはいけません。
除毛クリームは毛を無理やり引き抜く方法ではないため一見肌に優しそうに見えますが、クリームの有効成分が毛や肌に作用することで、肌荒れやただれを引き起こす危険性もあるからです。
除毛クリームを使うメリット
ここからは、除毛クリームを使うメリット・デメリットを紹介します。
除毛クリームを使おうか迷っている方は、デメリットまで理解したうえで選ぶようにしましょう。
まずは、メリットから見ていきます。
自宅にいながら処理できる
除毛クリームはその手軽さが大きなメリットです。
市販品やネット通販で簡単にクリームが手に入り、自宅にいながら誰でも簡単にムダ毛の処理ができます。
除毛方法も、ムダ毛部分にクリームを塗って少し待ち、拭き取るだけですから難しいことはありませんね。
人に見られない
脱毛サロンやクリニックで脱毛すると、スタッフの方に体や毛を見られることになりますが、相手がいくら女性であってもどうしても恥ずかしいと感じる方もいるでしょう。
除毛クリームは自分で塗ることができるため、誰に見られることなく堂々と処理できます。
除毛クリームに関わらず自己処理の利点ですね。
毛先のチクチク感が少なく肌に傷がつかない
除毛クリームは有効成分を浸透させることで毛に作用するため、カミソリや電気シェーバーで剃ったときのような毛断面の「ざっくり」感がなく、生えてきたときにチクチクしにくいです。
商品によっては「毛先が丸くなります」と表現していることもあります。
除毛できた部分に関して言えば、剃るより肌表面がきれいに見えると言えるでしょう。
カミソリで強く剃ったことによる出血や傷がないのもメリットです。
美容成分で肌がスベスベになる
除毛クリームには毛を溶かす強い成分が入っていますので、肌への影響を考えて美容成分も配合されています。
美容成分によって除毛直後の肌がスベスベになったような感じがすることがあります。
このため、「除毛クリームは肌に優しい」と言う人もいます。
除毛クリームを使うデメリット
次は除毛クリームのデメリットを紹介します。
除毛クリームのメーカーや公式サイトではメリットばかりにフォーカスしますが、デメリットも存在している点は忘れてはならないでしょう。
デメリットと感じるかどうかには個人差があるものの、ご自身が許容できるかどうかは考えておくべきです。
毛が途中で切れて黒くポツポツ残ることがある
除毛クリームがうまく浸透しなかった部分や、毛質によって反応が悪かった部分に関しては、完全に除去できるわけではありません。
毛がきれいに除去できる部分とそうでない部分がまばらに残ることはあります。
中には、毛が切れて黒いポツポツのように見えてしまう部分もあります。
肌が赤みを帯びヒリヒリすることがある
除毛クリームには毛のたんぱく質を溶かすほどの強い成分が含まれていますので、肌に影響する可能性があります。
人によっては赤くなったり、ヒリヒリとした痛みや痒みを感じたりします。
そのほか、除毛後の乾燥や毛穴が赤くブツブツした状態になった方もいます。
敏感肌やアレルギー体質の方はおすすめしませんし、これらの症状は敏感肌の人に限らず報告されている事例ですから注意も必要です。
独特のニオイがある
除毛クリームの主成分である「チオグリコール酸カルシウム」のパーマ液のような独特のニオイが気になる方もいます。
ニオイは成分の性質上ある程度仕方がないとも言えますが、中にはニオイで気持ち悪くなってしまう方もいます。
換気をしっかりした状態で除毛クリームを使うことも大切です。
準備や片づけの手間が面倒
除毛クリームは繰り返し使うものですから、その都度クリームとヘラ、タオルを出してきて処理するのが面倒だと感じる方もいます。
除毛クリームを塗った後に10分ほど待ち時間が発生するのも、せっかちな方にとっては続かない要因になるようです。
脱毛できない
除毛クリーム最大のデメリットとも言える点が、脱毛ではなく除毛のため、今後も繰り返し処理する必要があることです。
除毛後に数日で毛が生えてきてしまうことを考えると、1ヶ月で1度の処理では足りず、少なくとも2~3回はおこなう必要があるでしょう。
光脱毛やレーザー脱毛のような本格脱毛であれば、最初の数回は通うことが面倒に感じるかもしれませんが、徐々に毛が薄くなります。
1~2年後にはほとんど処理が要らない状態にもっていくことが可能なので、結局は楽になります。
除毛クリームを使う際の注意点
メリットとデメリットを理解したうえで除毛クリームを使う場合、商品記載の説明をよく読み、使用上の注意をしっかり守って除毛するようにしましょう。
ここからは、除毛クリームを使う際の主な注意点を紹介します。
使用前のパッチテストは必須
除毛クリームに含まれる有効成分は、人によって全く合わないこともあります。
待ち時間を守ったとしても、そもそもクリームが合わない場合は肌トラブルの原因になるでしょう。
説明書にも、使用前に体の目立たない場所でパッチテストをするように書かれているはずです。
パッチテストでは使用後24時間後の経過を見ますので、慌てずしっかり確認してから使用するようにしましょう。
除毛クリームの待ち時間は必ず守ること
除毛クリームの待ち時間は、有効成分が毛のみに浸透しつつ除毛効果を得られる最適な時間です。
待ち時間が長ければいいとはならず、必要以上に時間をおくことで肌への悪影響も考えられます。
前述したような肌の赤みや痛み、痒みが起こりやすくなりますので、必ず待ち時間を守るようにしましょう。
体調が悪いときや疲れているときは使わないこと
人の肌状態は常に一定ではなく、体調や疲れによっても左右されます。
体が万全の状態でないと肌がいつも以上に敏感になり、今まではなかった肌トラブルが起きる可能性も。
ムダ毛を処理してきれいな肌にするために除毛クリームを使ったのに、肌荒れで病院に行くことになっては意味がありませんよね。
ニオイに関しても感じやすくなりますので、調子がいいときを選んで処理するようにしましょう。
安さよりも品質を重視すること
除毛クリームの価格や品質はピンキリです。
つい安さを重視しがちになりますが、効果が薄く肌荒れしやすいクリームもありますので気をつけましょう。
多少値が張ったとしても、低刺激で保湿や美容成分がたっぷり含まれた良質のクリームを選ぶようにしたいですね。
販売元のサイトだけでなく、いい意見も悪い意見も両方扱っている公平性の高い口コミ情報も参考にすべきです。
お風呂場で除毛クリームを使うときの注意点
準備や片づけを簡略化するためにお風呂場で処理する方もいますが、注意が必要な場所でもあります。
お風呂場の水分がクリームの除毛効果を薄めたり、肌がふやけて敏感な状態でクリームを塗ると肌荒れしたりする可能性があるのです。
換気をしっかりしないとニオイがこもって気分が悪くなる恐れもあります。
最後に
いかがでしたか?今回は除毛クリームの全体像と利用するメリット・デメリット、注意点などをお伝えしました。
除毛クリームはカミソリや毛抜きに比べて肌ダメージが少ないと言われることも多いですが、含有成分が肌に影響するリスクはゼロではありません。
ご自身の肌質やコストなども踏まえ、利用価値を判断してみましょう。