「発達障害の子が不登校になる4つの理由と不登校を防ぐ方法とは」
不当校の要因の一つとして「子どもの発達障害」があると言われています。
発達障害がある子どもが不当校になる、または不当校の子どもが発達障害と診断されるという事例は少なくありません。
発達障害の二次障害として不当校や引きこもりが起こる事もあり、親は子どもの発達障害と不登校という二重の悩みを抱えなくてはなりません。
これから子どもにどのように接すればいいのか。定形発達の子と同じような接し方では不登校は回復しないのか。
などと、親御さんは日々頭を悩ませることになるでしょう。
今回は発達障害を持つお子さんの不登校について、子どもの特性を理解した関わり方について考えていきたいと思います。
目次
発達障害の子の不登校は意外と多い
発達障害とは生まれつき脳機能の偏りがある障害です。定形発達の子とは物事の捉え方が違うことも多々あり、学校では居心地の悪さを感じることもあります。
発達障害にもいくつか種類があります。
今回は発達障害の特性別に不登校に陥りやすい原因について考えていきましょう。
発達障害は大きく次の3つのタイプに分けられます。
- 広汎性発達障害
- 注意欠陥・多動性障害
- 学習障害
次にこれらの発達障害ごとに不登校に陥る原因を解説していきます。
広汎性発達障害とは
自閉症障害、アスペルガー症候群、特定不能広汎性発達障害などを含む発達障害をさします。
特性としては社会性面が苦手だったり、対人関係が苦手、行動や興味の幅が狭く偏りが見られれることが特徴です。
相手の言葉の裏を読むことが苦手だったりするので、言われたことはしっかりできるがそれ以上の事ができなかったりします。
また冗談が通じなかったり、人の気持ちを理解できなかったりします。
また、音や光、匂いなどの感覚に敏感である場合も多いです。
そのため音に敏感な例として、大勢の人が集まる場所が苦手だったり、運動会のピストルの音が苦手な場合があります。
広汎性発達障害の子が不登校になる理由
広汎性発達障害の子どもは感覚が過敏であるため、他の子どもより日常的に大きなストレスを受けています。
そのため学校にいるだけで外部のたくさんの刺激に触れることとなり疲れてしまうのです。
また、人の気持ちが読めないなど対人面でのつまずきも多く、「わがままな人」「なまけている」などと勘違いされ、周囲に理解されないことで孤立していく場合があります。
またそんな本人の特性が原因で先生に強く叱られたり、いじめに合い、学校へ行けなくなることがあります。
注意欠陥・多動性障害とは
注意欠陥・多動性障害とはADHDとも呼ばれ、不注意、多動性、衝動性に問題がある障害です。
気が散りやすく集中力が維持できない、じっとしていることが苦手で落ち着きがない、思いついたら考えるより先に行動してしまうなどが挙げられます。
学校では授業中じっとしていられず立ち歩いてしまったり、教室から出て行ってしまう場合もあります。
また忘れ物が多い、聞いたことを覚えていられないこともあります。
注意欠陥・多動性障害の子が不登校になる理由
じっとしていられない事で周りからかわかわれたり、教師から叱責を受けるなどして自信を失っていきます。
できない、間違っていると言われる経験をたくさんしてしまうことで自己否定が進み、不登校になってしまうのです。
学習障害とは
学習障害は、書く・聞く・話す・計算する・推論するなどの能力のどこかに困難さを抱えている発達障害のことをいいます。
小学校の学習の中で気づくことが多いため、修学前に気づくことは難しいとされています。
学習障害は脳の中枢神経の機能障害とされており、環境や養育、本人の性質は関係ないと考えられています。
学習障害の子が不登校になる理由
学習障害の子どもは、学習面で周りの子と比べ劣等感を抱えることが多く、一生懸命頑張っても出来ないことに対して疲れてしまい無気力になる場合があります。
学習面で結果がでないことで不登校に陥ってしまうのです。
発達障害グレーゾーンの子
上記の発達障害の中でも、いわゆるグレーゾーンといわれる子たちがいます。
それぞれの発達障害の数値には満たないけれど、定形発達の子と比べると困り感を抱えている子たちです。
上記の子たちほどの困難さはないものの、周りから変わっていると思われたり、つまずきを感じることも多く、生きづらさを感じています。
発達障害グレーゾーンの子が不登校になる理由
特性が出るのが微妙なラインなので充分なサポートを受けられなかったり、周りの大人から理解されず苦しむこともあります。
発達の偏りはあるけれど、なんとか学校などのコミュニティに適応できているので、周りからは困っていることが分かってもらえなかったり、苦しさやストレスを理解してもらえない場合も多いでしょう。
そのため不登校に至るのです。
発達障害の子が不登校になった時親ができることとは
ここまで発達障害のある子が不登校に至るまでの要因についてお話してきました。
では次にそんな発達障害の子が不登校になった時、親はどのように接すればいいのでしょうか。
子どもの特性を理解する
まず最初にしてほしいことが子どもの特性をしっかりと理解することです。
自分の子どもはこんなところが苦手である。人とは違う感性をもっている。
さまざまな子どもの特性を一つ一つ確認していきましょう。
こんなことできて当たり前と思っているようなことも、本人には難しかったり、できない場合があります。
その一つ一つを理解し、確かめていくことで子どもの特性を親が理解し認めてあげましょう。
「できないからできるように」ではなく、「こんなところは不得意。でもこっちは上手にできる」という風に、苦手な面と併せて得意な部分も探してみてください。
きっとたくさんの才能が見つかるはずです。
特性をうまく生かす方法を見つける
子どもの特性を理解したら、今度はどうやってその特性を生かして生きられるかを考えましょう。
特性は治せる、完全になくせるものではありません。
特性としっかり向き合いながら、どうやったら子どもが楽に生きられるか、生きづらさを少しでも感じずにいられるかを一緒に考えていきましょう。
特性と向き合うには専門機関の力も借りて
衝動性を持つ子どもの場合、「衝動的な行動をしたかったけどしなかった時」や「したかったけど途中でやめることができた」時などはその場で褒めてあげましょう。
衝動性という特性を持っていることを理解し、良い行動をした時に褒めて「できた」「褒められる」という感覚を覚えさせていくことで衝動性を減らしていくという方法です。
この他にも社会性を学習するには放課後デイサービスなどの専門機関でSST(ソーシャルスキルトレーニング)などの訓練を積んだり、スクールカウンセラーなどを利用し、日々の困りごとが大きくならないうちに解決していくという方法もあります。
放課後デイサービスでは小集団や個別で丁寧にSSTの訓練ができるところもあります。
小集団で社会性の経験を積み、自信をつけたのち学校生活で活かすといった方法は効果的です。
発達障害の理解を深めることが不登校を防ぐ
このように発達障害の子の不登校について考えてきましたがいかがでしたか?
不登校の子たちはけして怠けているわけではありません。
様々な特性や凸凹を抱え、人一倍頑張っているかもしれません。
そんな彼らが不登校になるのを防ぐためには、私たちがしっかりと発達障害に関する知識を深め、理解することが大切ではないでしょうか。
理解し子ども自身を認めてあげた上で、その子の今持っている力を最大限引き出せるようサポートしていけたらいいですね。