不登校生の支援に大切な4つのこと。家族ができることを詳しく解説

子どもが不登校になったとき、親は「どうすれば早く学校に復帰させられるのだろう」と悩んでしまいますよね。

また子どもの不登校に対してどのように支援して行ったらいいのか迷うこともあるでしょう。

子どもを思ってしている支援でも間違った方法で行えば、結果的に不登校が悪化してしまうこともあります。

そうならないために、不登校の子どもを持つ保護者の方へ「不登校支援」の正しいあり方について紹介していきます。

不登校支援には継続の理由が重要

子どもが不登校になったとき、どんなきっかけで不登校になったのかに着目してしまいがちです。

対人関係や勉強についていけないなど、不登校には様々な理由・きっかけがありますが、注目すべきはこの理由やきっかけではありません。

不登校が続いている理由に目を向けてみましょう。

不登校が継続してしまっている理由には、「無気力」「自信の喪失」などが挙げられます。

不登校のきっかけとなった出来事ではなく、この継続の理由にはたらきかけることで、不登校から回復できることがあります。

無気力な子への不登校支援

不登校になってしまう子どもは、学校で一生懸命人間関係や勉強を頑張っていました。

家族の期待に応えることや、自分の理想に応えようと努力していたでしょう。

しかしそんな頑張りを続けていても結果が伴わなくなったり、うまく行かなくなったときに、ふと電池が切れ動けなくなってしまうのです。

そして無気力状態になってしまうんですね。

無気力は無気力を呼び、不登校が続けばどんどん不登校から抜け出せなくなってしまいます。

無気力状態へのアプローチ:運動編

人間関係がうまくいかず不登校になってしまった高校生Sさんの例を見ていきましょう。

Sさんは仲良しの友人たちから悪口を言われ不信感を募らせていました。

次第に学校を休みがちになり、「人に気遣うことに疲れた」「学校に行く意味がない」「自分には何の価値もない」と不登校になったといいます。

Sさんは不登校が続くにつれて無気力状態になっていきました。

Sさんはスポーツが得意だったので、運動をしてみることを勧めました。

Sさんはまず家の近所をジョギングすることから始め、週末には家族と好きなテニスなど好きなスポーツを楽しむこともできるようになります。

やがて不登校の理由に部活が関係なかったので、部活動から再開してみるのはどうかと勧め、部活にだけ少しづつ参加できるようになりました。

そうして徐々に友達との付き合いを増やしていき、クラスに戻って行くことができたのです。

このように、不登校のきっかけにアプローチするのではなく、無気力な状態にアプローチすることが不登校からの回復支援となります。

無気力状態へのアプローチ:勉強編

一方、成績不振のため登校拒否になってしまったYさんの例を紹介します。

Yさんは始めは成績も優秀で学級委員に立候補するほど明るい生徒でした。

しかし2年から成績が下がりはじめ、クラスで最下位をとることも増えていきます。

次第にテスト期間に登校できなくなり、不登校になりました。

何もしたくないという日が続き、家の外に出ることも少なくなりました。

そんなYさんは以前プラモデルが好きだったというので、家でできるプラモデルを再開してみてはどうかと勧めました。

すると次第に表情のやわらいでき、次第に勉強への興味を取りもどしていきました。

通っていた高校に戻って勉強することには抵抗があったので、必ずしも元の高校に復帰しなくても勉強を続けることはできるのだと説明しました。

やがてYくんは別の高校に編入し、無事に大学へ合格しました。

Yくんの場合も学力不振というきっかけではなく、無気力な状態へのアプローチでした。

不登校生の心に必要な支援

無気力になっている不登校生は自己肯定感が低くなっています。

何をやってもうまくいかない、自分なんて何もできない、将来は不安でどうしていいかわからない、というふうにネガティブな思考で埋め尽くされています。

そんな状態の子どもには自己肯定感を高める支援が重要です。

自己肯定感を高めるためには、今できること、できていることに目を向けて認めてあげることです。

失敗したことは心に残りやすいですが、自分が簡単に成功したことは当たり前のこととして認識し、注目していない場合もあります。

子どもが今興味のあることや続けていること、なんでもかまいません。

どんな小さなことでもいいのです。

その事柄をみつけ、褒めてあげましょう。

それは成功体験なのだと、あなたにはこんな価値があるのだと教えてあげましょう。

小さなことほど、自分では気づいていません。

発見して子ども自身に教えてあげるのです。

そして成功体験が増えるように支援してあげることも大切です。

音楽鑑賞、映画、美術鑑賞、ワークショップ、体験会、勉強会など子どもが興味ありそうなイベントに積極的に参加しましょう。

子どもの意欲も刺激します。

そうして成功体験を積み重ねることにより自己肯定感が高まっていきます。

焦らず支援する気持ちが大切


無気力な状態では考えることも投げ出してしまっている子どももいます。

焦って親の意見や気持ちを押しつけるような支援は本当の支援とは言えません。

お子さんの様子をよく観察しながら、モチベーションやペースを考慮した話し方、行動を心がけましょう。

子どもの将来を見据えた支援を

不登校支援に大切なのは何の為に支援を行っているのかを考えることです。

元の学校に復帰することが最終目的ではありません。

子どもが自分のやりたいことや進路について見えてきたとき、実現できる場所を残しておいてあげることが重要です。

そのため元の学校に復帰することだけでなく、他の高校に編入、通信制高校に編優、高校認定試験から大学を受験するなどさまざまな方法があることを教えてあげましょう。

子どもの将来を見据えた支援が、結果的に子どもの不登校からの回復につながるのです。

そして家族だけで不登校に対する問題を考えるのではなく、専門機関やたくさんの人の力を借りて支援を行っていくことが何より大切なことです。

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