皆さんは夜勤の仕事を経験したことがありますか?夜勤というと、昼間に眠って夜間に働くというスタイルです。太陽が沈むころに起きて太陽が昇る頃に眠りにつくという、体のリズムに反する生活をすることになります。
「日勤で働くよりも夜勤で働く方が稼げるから」という理由で進んで夜勤の仕事を選ぶ人がいます。また、朝早く起きるのが苦手だから、夜勤の方がかえって都合が良いという人もいるようです。
その一方で、「夜勤をすると体が本当にきつい」「すっかり体内時計がズレてしまって本当に大変...」といった理由で夜勤の仕事から遠ざかる人も少なくありません。
そこで今回は、夜勤を続けることのメリットやデメリット、きつい夜勤を上手に乗り越える方法などについて、いろいろな側面から解説していきます。
目次
「体は確かにきついけど...」夜勤を続けることのメリット
「夜勤は体にこたえる」「本当にきつい...もう限界かもしれない」と言いながら、次の職場を決めかねて夜勤を続けている人はたくさんいます。
そうかと思えば、「最初は夜勤はきついと思っていたけれど、だんだん体が慣れてきて、今では日中に働くことのほうが難しいと思うようになった」という人もいるのです。
では、多くの人が「きつい」と感じている夜勤を続けることの良いところ、メリットはどこにあるのでしょうか。少し考えてみることにしましょう。
平日に休みが取れるので混雑知らずでいられる
夜勤の勤務体系というのは、夜勤をした翌日(夜勤明け)とその翌日が休みになることがほとんどです。つまり、平日に休みが取れるということになります。
夜勤をした翌日にしっかり睡眠をとって体を休めることができれば、平日の休みを満喫することができるでしょう。土日に比べて平日はデパートやレジャー施設も空いていることが多いですから足を運びやすいです。
また、少し車で遠出しようと思えば、渋滞に巻き込まれることなく、比較的スムーズに旅先までたどり着くことができるのではないでしょうか。
このように、夜勤で仕事をすることは、必然的に平日に休みを取ることになりますから、混雑とは無縁の休日を過ごすことができる点は大きなメリットと言えるでしょう。
日勤に比べて給与が高く設定されている
夜勤は仮眠を取る時間が業務時間に含まれていることがあるため拘束時間が長く、さらに体力的にきついという点から、日勤に比べて給与が高く設定されていることが多いです。
少しでも早く効率的に稼ぎたいと考えている人にとっては、夜勤の仕事はきついけれど「目的を達成するための最短ルート」になり得るでしょう。
夜勤の仕事は確かにハードです。きついと感じない日はないでしょう。それでも、夜勤を続けることによって給与面を充実させることができるのは大きな利点です。
また、夜勤専属の場合は必然的に毎月の出社日数が15~17日程度になりますから、次第に体が夜勤のリズムに慣れてくれば、それほど仕事が苦にならなくなる日が来るかもしれません。
通勤ラッシュや残業と無縁でいられる
夜勤というと、一般的なサラリーマンやOLが仕事を終えて帰宅しようという時間から働き始めるイメージです。そのため当然のことながら朝の通勤ラッシュとは無縁でいられます。
「仕事をするために会社に行くのに、わざわざ毎朝きつい通勤電車に乗るなんて...」と、感じている人にとっては、夜勤という働き方が合っているかもしれません。
また、日勤で働く場合には残業が発生することもしばしばあります。就業時間を過ぎても、1日1~2時間は必ず居残って仕事をしていくという人は少なくないでしょう。
しかし夜勤の場合には残業という概念がありません。そもそもが長時間勤務ですから、きちんと定時で仕事を終えて帰宅できることがほとんどなのです。
「きつい・辞めたい...」夜勤をすることのデメリット
何年も夜勤を続けているという人であれば、さすがに体も慣れているかもしれませんが、夜勤の仕事を始めて間もない人にとっては、「夜勤はきつい」以外の何物でもありません。
「朝遅くまで寝ていられるのだから、うらやましい」と感じる人もいるでしょう。しかし、夜勤とは人間の体のリズムに反する働き方ですから、遅かれ早かれ、体に何らかの不具合が出てきてもおかしくありません。
それでは今度は、「きつい・辞めたい...」という声が止まない、夜勤で仕事をすることのデメリットについて、探っていくことにしましょう。
体力が削られる!たくさん寝ても体調が戻らない
夜勤をするということは、体のリズムに反する生活をするということです。本来人間の体は、太陽が昇る時間に起きて、太陽が沈む時間に眠るというサイクルになっています。
しかし、夜勤の仕事をして昼夜逆転の生活を送ることに決めた場合、「昼活動して夜眠くなる」という体内時計を自分で意図的に狂わせてしまうことになるのです。
体内時計が夜勤をすることによってズレてしまうと、自律神経が乱れてホルモンのバランスも崩れてしまいます。すると病気になるリスクも高まり、うつ病になる可能性も倍増すると言われています。
当然のことながら、きつい夜勤を続けることで体力は削られ続け、休みの日にどれだけたくさん眠っても、体調が戻らないという事態に発展してしまうこともあるのです。
家族との時間や友人との付き合いが減る
家族や友人との付き合い方に変化が出てきてしまうのも、夜勤がきついと言われる理由のひとつです。夜勤をしていれば必然的に日中は寝ていることになります。
すると、せっかく家族や友人と休みが合うことがあっても、一緒に過ごすことが難しくなり、結果として家族関係や友人関係が変化してしまうことがあるのです。
家族や友人との時間を優先したいと思うのであれば、あなたが夜勤明けやその次の日の休みに無理を承知で皆の予定に合わせるしかありません。
とはいえ、独身でどちらかというと一人で過ごす方が気が楽だと考えている人にとっては、夜勤という働き方は理に適っているのかもしれません。
気持ちの余裕や精神的な安定が失われる
夜勤の仕事は、気持ちの余裕や精神的な安定までも奪っていくことがあります。体の本来のリズムを無視して夜中に働いているのですから、それも仕方のないことなのかもしれません。
ちょっとしたことで気持ちが落ち着かなくなったり、ささいなことでイライラしたり、精神的な安定性が失われる可能性も高くなります。
時には感情を爆発させてしまうことや、物事を冷静に判断できなくなることもあるでしょう。周囲の人に良からぬ態度を取ってしまい、評判を落としてしまうこともあります。
そして心の状態が不安定になると、それに付随するようにして体調も悪化してくることが多いですから大変です。夜勤がきついと感じ始めたら、心と体からのSOSのサインを見逃さないようにすることが大切です。
どうすればリフレッシュできる?きつい夜勤を乗り越える方法
きつい夜勤の仕事を続けていると、心と体が疲れ切ってしまうこともよくあります。たっぷり寝ても疲労が回復せず、つらい体を引きずってまた次の夜勤に出かけることもあるでしょう。
夜勤が終わったら家に帰って寝るだけ、寝て起きたらまた会社に行く毎日...これではストレスを解消する暇もありません。
ということでここからは、どうすればきつい夜勤を乗り越えられるか、上手に心と体をリフレッシュする方法について見ていくことにしましょう。
夜勤が終わったらできるだけ日光を浴びないで寝る
無事に夜勤が終わり、さあ帰宅しようという時には太陽がすっかり昇っている時間でしょう。しかし、人の体は日光を浴びると眠気が冷めるようにできています。
そのため、できれば自宅にたどり着くまでは直接日の光を浴びないようにすることが大切です。できればサングラスなどをかけて帰宅できると良いでしょう。
帽子をかぶり、なるべく顔に日光が当たらないように注意するというのもひとつの方法です。そして自宅に着いたらあまり部屋を明るくしないことも重要になります。
体が完全に目覚めてしまう前に入浴などを済ませ、胃が動き出すと眠りが浅くなるので食べ物はあまり摂取せず、できる限り早めに眠りにつくように心がけましょう。
入浴して体を温めてから眠る
夜勤を終えて帰宅したら早めに寝ることが大切ですが、その前に心と体を十分にリラックスさせておくことも重要です。
たっぷりの湯で浴槽を満たし、体を十分に温めるようにしましょう。お風呂の温度は40℃前後が適しています。10分ほど浸かっていると、体は芯からポカポカと温まってくるでしょう。
体を芯から温めることによって副交感神経が優位になりますから、全身がリラックスした状態になり、寝つきやすい状態になります。
着心地の良いパジャマと耳栓を用意する
きつい夜勤を乗り越えて自宅にたどり着き、湯船に浸かって全身をしっかりと温めることができたら、着心地の良いパジャマと耳栓を用意しましょう。
夜勤の仕事で疲れきった体を癒すためですから、できるだけ肌触りの良い、自分が気に入ったデザインのパジャマを購入するようにします。
さらに可能であれば遮光カーテンなどを利用し、太陽光が部屋に差し込まないように工夫をすることも大切です。部屋をできるだけ夜と同じ状態に近づけることで早く寝つくことができ、心と体のリフレッシュに役立ちます。
夜勤は心と体にダメージ大!きついと感じたら早めに転職を考えるべき
夜勤を続けることのメリットやデメリット、きつい夜勤を上手に乗り越える方法などについて、いろいろな側面から解説してきました。
夜勤をするということは、体のリズムに逆らって働くということですから、「きつい」ことは言うまでもありません。夜勤をすることのメリットもありますが、それよりもダメージの方が大きい場合もたくさんあります。
ですから、夜勤がきつい・限界だと感じるようになった場合には、本当に体を壊してしまう前に、早めに転職を考えることが重要です。
くれぐれも、「夜勤は心と体に与えるダメージが大きい」ということを忘れないでください。