人付き合いをしていて疲れてしまったことがないという人は少ないでしょう。
多かれ少なかれ、人と関わっていくと疲れを感じてしまうものです。
しかし、人と一切関わらずに生きていくことは簡単なことではありません。
そのために、疲れを感じていてもそのまま人間関係を続けるしかなく、慢性的に疲れを感じるようになっている人もいるかもしれません。
今回は、まず人付き合いに疲れる理由について解説していきます。自分がどのタイプなのか考えてみてください。
そして、人付き合いに疲れる人の対処法も合わせてご紹介しますので自分ができそうなものがあれば、ぜひ実行してみてください。
目次
人付き合いに疲れる理由
人付き合いに疲れると一口に言っても、その人の性格や環境などによってさまざまな理由があります。
人が苦手
人付き合いが苦手というよりも、人そのものが苦手なタイプです。
人そのものが苦手な場合、人と接すること自体がストレスであるため、努力でどうにかなるという問題ではありません。
このような人の中には、過去のトラウマによって人間不信に陥り人が嫌いになったというタイプもいますが、もともと昔から人が苦手に感じる性格だったというタイプもいます。
人そのものが苦手なので、軽い付き合いならストレスを感じないというわけでもありません。
「人と世間話をする」「職場で挨拶をする」といったことでもストレスを感じてしまいます。
合わない人がいる
人付き合いで疲れる人は、まず自分はどのようなときに疲れを感じるのか考えてみましょう。
多くの場合は、接していて疲れる人と疲れない人がいるはずです。この場合、接していて疲れてしまう人はあなたとは合わない人だということになります。
人にはそれぞれ価値観というものがあり、それが合わない人と無理やり接すると疲れてしまいます。
例えば、あなたは人のプライベートを詮索するのは失礼なことと思っていても、相手はそれを失礼だと思っていなければ、その人はあなたのプライベートをどんどん詮索してきます。
あなたは不快だと思いつつも、怒りたくはないので不快感を我慢して相手に合わせてあげます。
聞かれたくないことを聞かれ、どのように答えればこの場を終わらせることができるか考え、神経が疲労してしまいます。
考え方の違う相手を変えることは難しいため、どうしても相性が悪い人がいる場合には我慢して付き合いを続け疲れ続けるか、思い切って縁を切るかの二択になってしまうでしょう。
面倒見がいい
他人に対して面倒見がよく、相手のために何でもしてあげることが習慣になっている人は自分でも気付かぬうちに疲れが溜まっていってしまいます。
自分が相手に何かしてあげることに喜びを感じているならよいということでもありません。
自分のできる範囲を超えてあれもこれもと世話をしてしまうと疲れるのは当然だと言えます。
また、本心では自分だけが周りの人の世話をすることに不満を覚えていたり、自分も誰かに気を使ってもらいたいと思っていたりすると自分でも気付かないうちに精神的な疲れを感じてくるようになります。
しかし、このような人はいわゆる「いい人」であるため、違和感を抱いても相手への気遣いをやめることができません。
そのため、周りがそれに甘えてしまい何もかも任せきりにしてしまい、いつまでも周りに依存されてしまいます。
他人の目を気にする
他人から自分がどう思われているか気にしてしまう人は、人と接していても自分の言動が他人にどういう印象を与えたか、失礼なことを言ってはいないかなどをとても気にしています。
そのため、人とのやりとりにおいて決して失敗をしないようにといつも神経をとがらせています。
また、他人の表情なども注意深く観察し、相手が自分のことをどのように思っているか把握しようとします。
そして、もし相手が一瞬でも表情が曇ったように感じたら、その相手と別れたあと「私はい何か失礼なことを言ってしまったに違いない」と後悔して落ち込んでしまうのです。
一瞬も気が休まることがありませんし、落ち込んでしまうことも多いので人と接すれば接するほど疲れを感じてしまいます。
このような人は、自分が人の目を気にするタイプだとわかってもなかなか気にすることをやめることができません。
そのため、自分の意識を変える決意をしないといつまで経っても疲れから抜け出せなくなります。
うつ病などの精神疾患
うつ病などの精神疾患にかかると、人付き合いを始めそれまで出来ていたことが出来なくなってきたり、疲れを感じやすくなったりしますので注意が必要です。
うつ病の場合は、人と接することがおっくうになり、短時間だとしても人とコミュニケーションを取ることで気力を使い果たし、疲れを感じてしまうことがあります。
また、音が苦手になる人もいるので、付き合いで人が多く集まりガヤガヤしているところに行ったことで疲れを感じることもありえます。
自分がなぜ人と付き合って疲れてしまうのか理由がわからない人は、今まで出来ていたことにおっくうさを感じたり、気力が出なかったりしないかについて気を付けてみてください。
少しでも以前の自分と違うと思ったら、心療内科や精神科への受診をおすすめします。
人付き合いに疲れる人の対処法
ここまで、人付き合いに疲れる理由について解説してきました。では、人付き合いに疲れる人が疲れないようにするには、どのような対処法があるのでしょうか。
自分ひとりで過ごす時間を作る
人付き合いで疲れてしまったときには、まずは自分ひとりだけで過ごせる時間、空間を作ってください。そして疲れをゆっくり癒しましょう。
人付き合いで疲れている人は他人のペースに合わせてしまっていますので、どう過ごすかを自分の意志だけで決められる機会を設けるのが大切です。
人が全般的に苦手なために人付き合いで疲れを感じているという人は自宅でゆっくり過ごすのがよいでしょう。
人が苦手な人は、日々過ごすだけで気力や体力を消耗していますので疲れが取れるまで寝るというのも必要なことです。
たっぷり寝て気力や体力が回復したら、ゲーム、映画鑑賞などインドアで出来る趣味を楽しむのが良いでしょう。
外出が好きな人の場合は、部屋でじっとしているより外出した方がストレス発散になります。
周りに人がいても苦にならないというタイプの人は、外出先は人がたくさんいる場所でも構いません。
自分が一番リラックスできる状態で、自分のペースで過ごしてみれば少しずつ疲れが癒されていきます。
合わない人とは深く付き合わない
自分が苦手とするタイプがわかったら、その人とは付き合わないようにしなければいつまでも疲れが続くことになります。
しかし、日常生活の中で人間関係を突然終わらせることはほぼ不可能といってよいでしょう。
例えば、職場でプライベートを詮索してくる同僚が迷惑だからといって、その人を無視することはできません。
そのようなことをすれば仕事で支障が生じてしまいますし、何より職場の雰囲気が悪くなってしまいます。
無視することは、社会人として褒められた行為だとは言えません。
しかし、そのような苦手なタイプな人と深く付き合わないように気を付けることはできます。
プライベートを詮索されても笑ってごまかしたり、一言二言当たり障りのない回答をしたりといったことで最低限の会話で済ませるようにしましょう。
相手に尽くしすぎない
相手の面倒を見過ぎてしまうために疲れてしまう人は、自分が自分自身を犠牲にし、相手に尽くしすぎているということを理解しましょう。
相手のために何かしてあげることは良いことですが、疲れてしまうということはあなたの許容範囲を超えているのです。
周りの人は、あなたが全て面倒を見てくれることに甘えてしまっています。
ですからまずは、自分が全てを負担してしまうことをやめ、周りの人に自分のことは自分でやってもらう習慣を付けさせることが大切です。
そして、あなた自身も周りの人から何かをしてもらう権利があります。
例えば友人と遊ぶときにいつもあなただけがプランを考えていた場合には、「たまにはあなたがやって」と友人にお任せしてもよいのです。
相手に任せようとして相手が怒るようであれば、あなたは利用されているだけということになります。
そのような人は友人とは言えませんので縁を切り、自分を大切にしましょう。
人の目を気にしてしまう原因を理解する
人の目を気にしてしまうあまりに人付き合いをすると疲れてしまうタイプの人は、単純に考えれば人の目を気にするのをやめればいいということになります。
しかし、言葉で言うのは簡単ですが、ある日から突然人の目を気にすることをやめることは難しいでしょう。
まず、人の目を気にしてしまう人は自分がなぜ人の目を気にしてしまうのか考えましょう。人からどう思われているかが気になるということは自分に自信がないことの現れです。
そこが分かったら、自分の何に自信がないかを考えていきます。このように考えていくと、自分が人の目を気にしてしまう原因の根源が見えてきます。
例えば、自分の仕事ぶりに自信がないので上司から嫌われているのではないかと思ってしまい、上司と話したあとはどっと疲れが出るということが分かれば、もっと仕事ができる人間になるために資格を取るとか、もっとビジネスマナーを身につけようというように目標を立てることができます。
このように自分を分析し、一歩一歩自分を変えていく努力をすることで少しずつ自信を持つことができるようになり、人の目が気にならなくなっていくでしょう。
自分を理解し、自分を大切に
今回は人付き合いに疲れる理由、また人付き合いに疲れる人の対処法についてご紹介してきました。
人付き合いに疲れる理由には、その人の性格が関係してきます。まずは自分の性格を把握し、自分の得意なことと苦手なことについて理解しましょう。
また、人付き合いに疲れてしまう人は、自分を守るよりも周りの人との付き合いを優先してしまうという優しい心の持ち主だと言えます。まずは疲れてしまう前に自分を癒す時間を設けるようにしましょう。
自分を理解し、自分を大切にすることが人付き合いに疲れなくなるための第一歩です。なかなかすぐにできるようになるのは難しいかもしれませんが、少しずつ頑張っていきましょう。