自分が正しいと思っている人の心理とは?価値観の押しつけに困った時の対処法

「自分が正しい」と思い、他人の考え方や行動を認めないタイプの人がいます。高圧的な話し方で非難したり見下した言葉で罵倒したりすることもあるため、なかなかやっかいな性格だと言えるでしょう。

本当に正しいのならまだしも、多くの場合は価値観の押しつけでしかなく、言われた方は困ってしまいますよね。いったいなぜそのように考え方を押し付けてくるのでしょうか。

今回はそんな「自分が正しいと思っている人」の心理とその対処法についてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

自分が正しいと思っている人の心理とは

「自分が正しいと思っている人」の心理にはどのようなものがあるでしょうか。

ここでまず確認したいのが「自分が正しいと思っている人」の意味についてです。今回ご紹介するのは、先に述べたように価値観を押し付けてくるだけの人を指します。

つまり、相手が本当に正しいことを言っている場合には、今回ご紹介する心理は当てはまりません。

例えば、相手が専門知識に基づいて知識を教えようとしている場合や、あなたの考え方ややっていることの方に難があり、親切心で注意してくれているという場合です。

このようなときにあなたがそれを聞き入れず、間違いを認められないということもあります。

その場合には、あなたこそが「自分が正しいと思っている人」になってしまいます。

「なぜ私に口出しばかりするのか」と悩んでいるのであれば、まずはあなたの受け止め方につい考て考えてみましょう。

では、以上のことを踏まえて、自分が正しいと思っている人の心理についてみていきましょう。

違う意見を受け入れられない

人はそれぞれ異なる考え方を持っており、物事の捉え方も違います。自分がいつも正しいというわけではないということは、多くの人がわかっていることでしょう。

しかし、他人の考え方を認められない、聞きたくないというタイプの人がいるのです。

柔軟な考え方ができれば、誰かから意見を言われたら参考にしたいと思うでしょう。また、自分が間違ったことを言ってしまったときに指摘してもらえたらありがたく思い、素直に相手に従うはずです。

そのようなことができないのが、頑固で融通が利かないタイプです。

自分の価値観でしか物事を考えられないので、誰もが同じ考え方であるという前提で生きています。そのため、人が違う考え方をすると「反抗している」と捉えるのです。

このようなタイプは他人の言い分を認めることができないため、話し合いをしてわかってもらうことは難しいでしょう。

相手のことを見下している

プライドが高く、他人のことを見下している場合もあります。見下している相手が正しくて自分が間違っているなどということはあるはずがないと思っているので、違うと思ったことは徹底的に指摘するのです。

相手に対し間違っていると指摘することが目的なので、相手が言うことの反対を言うだけのこともあります。

例えば、あるときあなたが「Aだ」と言ったときには「Aなわけがない。Bだ」と言ったにも関わらず、別のときにあなたが「Bだ」と言うと「Bなわけがない。Aだ」と、以前自分が言ったことと逆のことを言ったりするのです。

しかし「言っていることが矛盾している」と指摘すると「矛盾していると思うのは間違っている」という主張に変えて攻撃を続けるだけになってしまいます。

このような屁理屈を繰り返すタイプの人とは話し合う意味はないでしょう。

相手を支配したい

相手を正しいか正しくないかジャッジすることでコントロールしたいという支配欲がある人もいます。

相手をコントロールすることで「自分は相手に対し何でもできる」という感覚が生まれ、それに酔ってしまいどんどん支配欲がエスカレートしていくケースもありますので、このようなタイプの人には注意が必要です。

よく結婚している男性が「家庭に正論を持ち込んではいけない。妻には正論が通じないからね」と言いますが、これは妻への支配欲から来ていると考えられます。

そのような男性に話を聞いてみると、正論だと言っていることは正論でもなんでもなく、ただのわがままであることや言い訳であることがあります。

しかし「自分の価値観に従わせて優位に立ちたい」という思いがあるので、自分の言っていることを「正論」だと捉えているのです。

「正しさ」で支配したいという欲が強いため、相手が正しくないということを言い続けるというわけです。

頭がいいと思っている

自分のことを知識が豊富で頭がいい人間だと思っており、自分の考えは全て知識やデータに基づいているため寸分の狂いもないと思っているタイプがいます。

自分の知識が全てなので、相手の言っていることが理解できないときは相手の言っていることがおかしいと認識します。

本当に頭がいい人というのは何事も客観的に見ることができるため、自分が勘違いしていたり、知らないことがあったりする可能性も考慮しています。

ですから、相手のことを理解できないときは、話を聞きわからない理由を探ろうとします。

しかし、自分のことを頭がいいと思い込んでいるだけの人は、このような柔軟な考え方はできません。また、もし自分の方がおかしかったことが判明しても、それを認めることができません。

このようなタイプに本当の意味で頭がいいわけではないということをわからせるのは不可能に近いのではないでしょうか。おそらく、痛い目に遭うなどの経験をしないと考え方が変わらないと思われます。

正義感が強い

正義感が強いということはいいことである場合が多いですが、悪い方向に働いてしまうこともあります。

「~すべき」「~しなければならない」という考え方が強いことに加え、想像力がない人の場合には、許せない人を見かけたときに正義感から激怒してしまうのです。

例えば、電車の優先席に若い人が座っていたとします。しかし、その人が病気や内部障害などを持っている場合もあり、また女性の場合には妊娠の初期で見た目ではわからないということもありえます。

通常の想像力があればこのようなことは想像ができるでしょう。しかし、正義感があっても想像力がない人は、このような想像をすることもなく、優先席に座っている人に対しただ頭ごなしに怒鳴ってしまうのです。

そして、実際にその人がきちんとした理由があって座っていたことがわかっても「そんなことはない」「嘘をついているだろう」などと反論し、自分の非を決して認めません。

このようなタイプは、正義感が行き過ぎてときに暴力沙汰になってしまうこともあります。このような人から迫られてしまったときは、聞こえないふりなどをして無反応でいた方がよいでしょう。

自分が正しいと思っている人への対処法

ここまで、自分が正しいと思っている人の心理についてご紹介してきました。では、そのような人に対しどのように接すればいいのでしょうか?

二人きりで話さない

自分の考えを相手に押しつける人は高圧的な態度を取ることが多いため、二人きりになるのはできるだけ避けた方がよいでしょう。

周りに人がいる状態であれば、周りの目を気にして高圧的にはなりにくいと考えられます。

仮に変わらなくても、言い分がおかしければ周りがかばってくれたり、あとから「大丈夫だった?」などあなたに声掛けをしてくれたりするでしょう。

何より大事なのは、あなたが価値観を押し付けられ、ハラスメントを受けているという事実を周りに知ってもらうことです。

そのことによりあなたの孤独感が和らぎますし、職場ではパワハラとして訴える際に周りの協力を得やすくなります。

家庭で夫や妻から被害に遭っている場合には二人きりにならないというのは不可能です。

そのため、なるべく家族や友人などにその都度話して状況を把握しておいてもらいましょう。味方は多ければ多い方がよいですので、日頃から根回しをしておくことが重要です。

また、いつ何を言われたかメモをしておき、モラルハラスメントとしていつでも弁護士などに相談できるようにしておくことをおすすめします。

「そうですね」「なるほど」などの相づちをして聞き流す

自分の価値観を押し付ける人の中には、言い返すと激怒する人もいます。激怒しないまでも「教えてやっているのに口答えをする」と思う人が大半でしょう。

ですから「そうですね」「なるほど」など、いかにも話を聞いているような相づちを打ち、話は聞き流しましょう。

「おっしゃる通りです」などと持ちあげる必要はありません。

相手はあなたに価値観を押し付けることで気持ちよくなっていますので、持ち上げることにより相手の言い分を肯定しまうと、さらに気持ちよくなってしまいあなたへの駄目出しが続いてしまうからです。

しかし、だからといって「そういう考え方『も』ありますね」というように、他にも考え方があることをほのめかすのはおすすめしません。

あくまでも一方的に話させ、なるべく早く話を切り上げることが目的ですので、あまり相手に対する抵抗を感じさせない相づちが適切なのです。

相手の心理を分析する

相手があなたのことを間違っていると言ったからといって「何で頭ごなしに怒るのだろう」と真面目に受け取ったり「私の頭が悪いのだろうか」と自分を卑下したりする必要はありません。

ここまで述べてきたように、個人の価値観にすぎないことを一方的に押し付けてくる人は本当に正しいことを言っているわけではなく、あなたに嫌がらせをしているだけであることがほとんどだからです。

ですから、相手から否定されたときには「こういう理由でこんな話をしてくるのだ」と分析しましょう。

分析することによって、相手の話を真に受けることがなくなり、あなたが自分のことを責めてしまうこともなくなります。

自分の考えを他人に押し付ける人は、それ以外にも人格的に何か問題があるケースが考えられます。普段から観察・分析し、どういう人なのか人物像を把握しておきましょう。そして、被害を受けないように細かいところまで対策を練っておくことをおすすめします。

従ってはいけないことには従わない

自分こそが正しいと思っている人は、あなたを自分の価値観に従わせようとしています。あなたのことを非難するだけにとどまることもありますが、ときにはあなたに命令をしてくることもあるでしょう。

例えば、親が子供の友人関係に口を出すことがあります。「あの子は成績が良くないから付き合うのをやめなさい」というようなことです。

親は「成績がよい子とだけ友達になることが正しい」と思っていますが、それは明らかに親の個人的な考えを押し付けていることだと言えます。

先ほど、適当に相づちを打って聞き流すのがよいとご説明しました。しかし、この友人関係の話のように「これは譲ることができない」というものを否定されたときには従ってはいけません。

相手が実際にあなたの大切にしているものを奪おうとしたり、体の負担になるようなことを強制してきたりしたときには憮然とした態度で拒否をするようにしてください。

拒否をするときには、こういう理由で言うことを聞くことができないのだと理路整然と伝えることが大切です。

相手は「自分が正しい」「自分こそが論理的だ」と思っていますが、先ほどから述べているように、その人は自分がそのような人間だと「思い込んでいる」という状態です。

感情的な相手には、理路整然とした答えで立ち向かいましょう。

拒否をしたときに暴力を振るってきたり、圧力をかけてきたりするような人に対しては、その場では同意をしたかのような相づちを打ってもよいですが、それはその場限りにし、絶対に言うとおりにはしないでください。

自分を大切にしよう

今回は、自分が正しいと思っている人の心理とその対処法についてご紹介してきました。

このような人に対しどのように接すればいいか悩んでいるという人は優しい心の持ち主であると言えるでしょう。

なぜなら、相手と同じように自分の正しさを押し付ければその場はしのげるにも関わらず、そうはしていないからです。

相手はあなたの優しさを見抜いており、優しい人だから言うことを簡単に聞くと思い価値観を押し付けようとしているのでしょう。

そのように、優しさにつけこんでくる人から自分を守るためにも、相手の言うことには従わないようにしてください。そして自分を大切にして日々を過ごしていってください。

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