妊娠から出産をして、育児休業を取得しました。その時は、復帰するぞ!と思っておる人が大半ですよね。けれど、育児というのは産んでみるまでどうなるかはわかりませんし、なんなら子供によってもその大変さは変わってきます。
そのため、復帰の意思が強いママさんでも実際に子供を産んでみると、仕事と育児の両立なんて無理・・。と思うこともあります。実際私も復帰するかどうかかなり悩みました。
育児休業後の退職について今回はお話ししていきますね。大前提として、育児休業は復帰が前提の制度です。そもそも復帰するつもりがなく制度を利用するのは道義的にダメですし、どうしようもない理由がないのに復帰しないのも本来はNGです。
でも、どうしても無理というママさんもいますので、実際の具体例をみながらお話ししていきます。
目次
育休明けにどれだけの人が退職するの?
厚生労働省のデータによると、7.2%の人が育休後退職してしまいます。でも、残りの92.8%の人は復帰するわけですから、育休後即退職してしまう人はごく一部ということがわかりますよね。
育休をとると誰もが一度は復帰せずにやめてしまおうかと考えるはずです。でも、その考えを踏みとどまらせるのは、道義的な部分ですよね。給付金をいただいたことや自分が休んでいる1〜2年もの間、自分の穴を埋めてくれた同僚に対しての申し訳なさなど「人として」の部分が大きなウェイトをしめているでしょう。
私自身、育休後復帰するかどうかはとっても悩みました。でも、先ほど申し上げた道義的な部分で即やめるという決断はできなかったんです。育児と仕事の両立はとっても難しいですし、疲れます。
それでも、休んでいた期間と同じだけの期間は仕事をしないとかな?と個人的に感じたので、職場復帰をきめました。
育休明けに復帰しなかった場合、給付金の返金は必要?
育休明けに職場復帰せずに退職した場合、給付金を返金しないといけないという話を聞いたことがある人は多いと思います。実際私も友人から「復帰しないならお金返さないといけないよ」と言われドキッとしたのを覚えています。
でも、実際に調べてみるとそんなことはありません。一度もらった給付金を返さないといけないなんてことは無いんです。ただし、休暇中に退職すると決めた場合は、その時点で育休も終了しますので、残りの期間はもらえなくなってしまいます。
育休満了でやめた場合に関しては、返さなくてもOKです。ただし、最初からやめるつもりなのに、給付金目当てに「復帰します」と言ってお金をもらうのはNGです。
正確には法律上その違いを見分けることはできません。そのため、最初からやめるつもりでもバレないので給付金はもらえます。けれど、それは制度の悪用につながりますので絶対にやめましょう。
育休明けに退職した場合、失業保険はもらえる?
育休明けに退職しても、一定の条件を満たしていれば失業保険はもらえます。ただし、就業の意思があるとして、ハローワークに通えること、離職日以前に雇用保険を支払っている期間が12ヶ月つまり1年間あることが条件になってきます。そのため、育児に専念したいというママさんや就職後すぐに産休に入ったママさんはもらえないのです。
ただし、就業をしない場合でも育児のためと失業保険の延長申請を行えば、最長4年まで延長ができますので、延長申請は忘れずに行いましょう。
育休後退職してしまった場合の社会保険はどうなるの?
社会保険に関しては。いくつかの選択肢があります。
- 今入っている健康保険を任意継続する
- 夫の扶養家族になる
- 国民健康保険に加入する
個人的には、すぐに仕事をしないのであれば夫の扶養家族になることをおすすめします。今払っている社会保険というのは、会社と被保険者が折半しているので安く思いますが、任意継続で払う場合には会社が負担している分まで自分で支払う必要があります。
そのため、今払っているよりも高くなってしまいますし、国民健康保険も決して安くは無いです。扶養家族でいられる収入の間は、扶養家族でいる方が家計にとっては優しいです。
扶養家族以外の選択をとった場合は、手続きをした時点で支払い義務が発生します。
育休明けに退職を考える理由とは?
さて、そもそも育休明けに退職を考えるということは、何かしらの人生の転機があったということです。
- 保育園に落ちた
- 夫の転勤で引越しを余儀なくされた
- 勤務先が遠くて、通勤が負担
- 単純に子供と一緒にいたくなった
実際に私の友人や同僚で育休後にやめた人達の理由が上記のような理由です。どれも如何しようも無い理由なので、仕方がないです。この中で、子供の一緒にいたいと言った同僚は、いうまでもなく大顰蹙でした。
それぞれの事例を詳しくお話ししていきます。
保育園に落ちた
昨今話題になっている待機児童です。私も娘が0歳の時に保育園に落ちて、育休2年取得しました。その後も認可園に入れなかったものの、認可外の園に無事入ることができたので職場復帰できました。
しかしながら、認可園に落ちて認可外も入れなかったとなれば復帰はできないので、やめてしまうのも仕方がありません。私の友人も、保育園に入れずに復帰後業務になれたら昇進もあると言われていた職場を泣く泣くやめました。
辞めたくなかった友人は、ベビーシッターを使うことも考えたそうですが時間料金を考えると割りに合わないと判断して、諦めたんです。仕事をしようと思えば、子供の預け先がなければ本人の意思は関係なしに復帰はできません。
夫の転勤があった
夫の転勤があり、転居を余儀なくされた場合です。中には夫が単身赴任を選んでそのまま仕事に復帰するママさんもいます。けれど、仕事を続けるという選択をしたらしたで、それはいばらの道です。
本当のワンオペ育児になってしまうだけでも辛いのに、復帰後どういう風に生活が変わるかわからない中のワンオペ育児はもう地獄です。私の友人は、この復帰のタイミングで夫の転勤があり、かなり悩んでいました。
0歳児の赤ちゃんと二人っきりの生活を働きながら続けられるか、そして夫はかなりの遠方になるため長期連休の時しか帰ってこれなくなる。
子供にとってもパパを知らずに育つことになるので、あまりいいとは言えない状況になってしまいます。友人も勤めていた職場に思い入れがあったので、転勤についていくと決めた時は、ショックで泣いていました。
この2つの事例は、本人にやめる気がなかったのに辞めざるを得なくなったバターンです。このように本人の意思とは無関係に辞めなくてはならない時には、誰も文句は言いませんし仕方のないことです。
私が実際に復帰に悩んだ理由の一つが、勤務先と自宅の距離です。
勤務先が遠く通勤が負担
私の自宅と勤務先は片道1時間かかります。この距離は子供がいなければ、何も苦痛にならない距離ですし、実際負担にも感じず10年以上勤務していました。けれど、子供ができると話は別です。
朝通う分にはあまり支障はないのですが、夕方仕事終わりに保育園へお迎えにいく時の時間が問題になってきます。職場が近ければ、17時に終わっても17時すぎにはお迎えにいけますが、1時間かかると18時になってしまいます。
そうなれば、毎日延長保育で子供に寂しい思いをさせることになります。私もそれがどうしても腑に落ちず、最初は職場に退職したい旨を伝えました。上司は「なんで?」と理由を聞いてくれたので、距離が遠いこと、時短を使っても16時に上がれないとお迎えが遅くなってしまうことを正直に伝えました。
すると、上司は「16時でもいいよ」と言ってくれました。復帰を半ば諦めていたのでとても嬉しかったです。小さな子供を抱えて新たな職場を探すのは容易ではありません。
そのため、上司の気遣いがとってもありがたく、復帰後も私がちゃんと16時に上がれるように気を使ってくれています。私のように上司に恵まれると、職場が遠くても仕事を続けることはできますが、そんな場合ばかりではありませんよね。
個人的な意見ですが、通勤が苦痛なら無理しなくてもいいと思うんです。毎日毎日通勤だけで往復2時間取られるのは正直ワーママさんにとっては負担です。
1時間早く帰れるだけでも、帰宅後の負担はかなり違ってきます。優しい上司に恵まれて仕事をしている私でも、家の近くに職場があればな・・とは毎日思います。
単純に子供と一緒にいたい
最後にママさんなら誰もが思う子供と一緒にいたいという理由です。正直、この理由で復帰せずに退職するとしばらくの間職場で悪口を言われると思ってください。
今まで数人ですが、復帰せずに退職した人の中で一人だけこの理由で退職した人がいました。転職や待機児童などのどうしようもない理由なら、上司から退職の発表がある際に聞かなくても理由を言ってくれます。
ですが、子供と一緒にいたいと言った言いにくい理由だと、一旦上司が濁すんです。そのため、結構わかりやすいのです。職場の空気でいうと「手当もらったのに」とか「子供と一緒にいたいのはみんな一緒だよね」とか普段はあまり仲良くない独身女性と子持ち女性のまとまりがよくなります。
育休の手当は返さなくてもいいので、復帰したくないなと思えばやめるのは自由です。これは人事に聞いた話なのですが、中途半端に復帰されるぐらいなら復帰の相談をしている段階で辞めてくれる方がずっといいそうです。
というのも、部署によっては育休社員の代わりに派遣さんを雇っている場合があります。その場合、仕事ができて職場にも馴染んでいる派遣さんを契約終了しなければいけません。
泣く泣く契約終了したのに、復帰した育休社員が1ヶ月で辞めたらもう最悪ですよね。現場の思いとすれば「復帰しないなんて非常識」ですが経営者や人事的な話になると「そのまま辞めてくれた方がいい」が本音なことも多いんです。
復帰すぐに退職した同僚の話
一度復帰をすれば、その人ありきで業務編成を組みます。そして、半年以上続けてくれればなんの問題もないのですが、私の同僚は復帰後1ヶ月で退職しました。理由は様々あるので、私はなんとも思っていませんでした。
けれど、実際に事務処理を行う人事や、業務編成を考える上司そして小さい子供のいない人たちからは非難轟々でした。どうせやめるなら復帰しないで欲しかったとか散々でした。
私がその同僚をみていて感じたのは、育休中に復帰しようかどうしようかを悩んでいた理由が、私のようにはっきりとしていないなら要注意です。というのも、やっていけるか不安、夫の協力を得れそうになくワンオペになるかもしれないなど漠然とした不安を抱えてるなら、復帰しても続けていけない可能性の方が高いのです。
その辺りをしっかりと会社に打ち明けて、今の部署の状況確認などしっかり行なってください。中途半端に復帰してすぐやめるというのが、一番迷惑をかけることになってしまいますよ。
まとめ
いかがでしたか?育休明けに退職した場合についてお話ししてきました。ずっと子供といる生活をしていると、復帰したくない気持ちは痛いほどよくわかります。事情があって復帰できないということもありますよね。
どうしても復帰が不可能なら、それは仕方のないことです。けれど、復帰ができる状況であるなら、復帰してください。そして少しでも職場の戦力になれるように努力してください。
育休後に復帰せず退職してしまうのは、やはり道義的に問題ありです。後々育休を取りたいなと思っている後輩が取りづらくなってしまう可能性だってあるのです。
できるだけ職場に迷惑をかけない形で、退職の形を取れればいいですよね。