ピアノの発表会や合唱の発表会などで、ピアノの音に合わせてお辞儀をしているシーンを見たことがあるのではないでしょうか。
ただ何となく和音を弾いているように感じるかもしれませんが、お辞儀の和音は音楽の理論をベースに弾いています。
お辞儀の和音はお辞儀のためだけに弾くだけではありません。
実は、お辞儀の和音には曲を終わらせたり伴奏に応用できるなど色々な効果があることをご存知でしたか?。
そこで今回はお辞儀の和音を構成する音からお辞儀の和音の効果まで紹介します。
目次
ピアノのお辞儀の和音
合唱の発表会などでお辞儀をするとき、ピアノ和音に合わせてお辞儀をします。
「ジャーン、ジャーン、ジャーン」という和音を聞いたことがある人は多いと思いますが、その和音は
- 右手はミソド、左手はドの単音またはオクターブ
- 右手はファソシまたはレファソシ、左手はソの単音またはオクターブ
- 右手はミソド、左手がドの単音またはオクターブ
のように構成されています。
コードで表すと
- 1番目のミソドはC
- 2番目のファソシまたはレファソシはG7
- 3番目のミソドはC
のように表されます。
お辞儀の和音の順番をコードで表すとC→GまたはG7→Cの順番で弾いています。
- きをつけの時にC
- 礼のときにGまたはG7
- 元に戻るのときにC
を弾いています。
発表会などでお辞儀の和音を弾きたいけれど、和音が分からないという方はぜひ参考にしてください。
ピアノのお辞儀の和音の順番
ピアノのお辞儀の和音でよく使われるのは
- ミソド(Cコード)
- ファソシまたはレファソシ(G7コード)
- ミソド(Cコード)
の和音がよく使われます。
この和音はハ長調の主音の三和音、属音の七の和音番目、主音の三和音です。
ハ長調以外の調でお辞儀の和音を弾きたいときは、それぞれの調の
- 主音の3和音
- 属音の7の和音
- 主音の3和音
を弾きましょう。
お辞儀の和音の効果
お辞儀の時に使われる和音はお辞儀の時だけに使われると思っていませんか?
実は、お辞儀の和音はお辞儀をもり上げる効果だけではなく曲を終了させるという効果もあります。
お辞儀の和音にはなぜ曲を終了させる効果があるのでしょうか。
ここではハ長調のお辞儀の和音を参考にお辞儀の和音の効果を紹介します。
お辞儀の和音の初めのCコードには曲の始まりの効果
お辞儀の和音を弾くとき、初めにCコードを弾きます。
これは調合がついていないハ長調のドを根音としています。
ハ長調でドの音は一番最初の音になり、ハ長調のほとんどがドから始まります。
ハ長調の曲を思い浮かべてみてください。
ほとんどがドから始まります。
もし、右手がドから始まらなかったとしても左手がドから始まっているはずです。
ここで「CはドミソなのになぜミソドもCなの?」と疑問に思うかもしれません。
ミソドはドミソのドの音をソの次に持ってきた和音です。
これを、和音の回転形といいます。
回転形の和音でも、Cコードを構成する音と同じものを弾いているので、Cと表されます。
ハ長調の曲の最後はCコードで終わる
ハ長調の曲が終わるとき、必ず最後はCコードで終わります。
コードではなくても、ドのオクターブなど必ずドの音で終わります。
そのため、Cのコードには曲を終わらせる効果があるのです。
けれど、Cを弾いて次にCを弾いても曲は終わりになりません。
Cを弾いて曲が始まったら、次にFやGなどのコードを弾きます。
そのコードを弾いてからCを弾くことで曲は終わるのです。
ハ長調の曲がCコードやドの音で終わると、安定感のある終わりになります。
お辞儀の和音のG7にはCコードに戻りたがる効果がある
お辞儀の和音の2番目はG7のコードを弾きます。
G7コードをハ長調で弾くとき、Cコードに戻りたがるという効果があります。
Cコードを弾いてからG7コードを弾いてCコードを弾くと
- Cコードで始まり→G7コードで主要のCコードに戻りたがる→Cコードで終了
という流れになるのです。
G7のコードが終わりのCコードに戻りたがるという効果がるため、お辞儀の和音を弾くと曲が終了してしまうのです。
ハノン教本の音階練習は各調のお辞儀の和音が分かる
ハ長調のお辞儀の和音は一番ポピュラーでなじみのある和音だけれど、いつも同じ響きのお辞儀の和音だと飽きてしまう。
そんなときはハノン教本にのっている音階練習の最後の和音を参考にしましょう。
ハノン教本の音階練習にはすべての調がのっています。
すべての調の和音を調べるのは慣れていないと少し面倒です。
ハノン教本を読めば調べなくても書かれている和音を弾けばいいのでとても楽です。
ハノン教本の音階練習の最後の和音を参考にお辞儀の和音を弾くときは
- 2番目の和音(左手を主音のオクターブに変えても大丈夫です)
- 3番目の和音
- 4番目の和音
を弾きましょう。
それぞれの調で和音の響きが異なるので違いを楽しんでくださいね。
お辞儀の和音を使って色々な曲の伴奏ができる
お辞儀の和音には曲を終わらせる効果がありますが、お辞儀の和音にFのコードのを足すだけでさまざまな曲の伴奏が出来てしまいます。
コードを弾く順番はC→F→G7→Cが一般的ですが、メロディに合わせて音を回転させたりコードを弾く順番を変えてみてください。
ハッピーバースデートゥーユーやハワイアンソングのアロハオエなどはこの和音の進行で伴奏ができます。
ピアノの弾き語りをするときも、この和音の進行はよく使われます。
ピアノの弾き語りや伴奏に興味がある人はこの和音の進行を覚えてみましょう。
この和音を使っていろいろな曲の伴奏をしていると、耳コピした曲を楽譜がなくても弾けるようになりますよ。
和声学を勉強するメリット
お辞儀の和音は簡単な和声学の理論に基づいています。
お辞儀の和音に興味を持ったときは同時に和声学を勉強してみてはいかがでしょうか?
和声学を勉強しているとピアノを弾くときにいろいろなメリットがあります。
ここでは和声学を勉強するメリットを紹介します。
曲に対する理解が深まる
和声学を勉強すると、曲に対する理解が深まります。
なぜなら、ピアノ曲は和音の進行によって作られているからです。
和音の進行を意識しながら楽譜を読んでいると、メロディが和音に基づいて作られているのが分かります。
左手は和音で構成されていることが多いので、右手に比べてより和音の進行が分かりやすいかもしれません。
和声学を勉強していると、小節の中のメロディや伴奏がなぜその音で構成されているのかが納得できます。
小節の中の音楽が分かるようになることで、ただ曲を弾くよりもより曲に対する理解が深まるのです。
曲の進行が何となく分かるようになる
和声学を勉強していると曲の進行が何となくわかるようになります。
和声学は和音の進行を勉強するものなので、曲がどのように進んでいくかも同時に勉強することになります。
そうすると、今まで楽譜を追って弾いていた曲も次の音がどのような音が来るのかが何となくわかるようになってきます。
次にどんな音が来るのかが分かっていたほうが、弾きやすいです。
複雑な曲は難しいかもしれませんが、単純な曲は和声学を勉強することで曲の進行が分かりやすくなりますよ。
暗譜しやすくなる
和声学を勉強すると、曲を暗譜しやすくなります。
和声学を勉強すると、楽譜を論理的に分析することができるようになるからです。
楽譜を暗譜するとき、ひたすら弾きながら覚えるというのは大変です。
曲を構成する理論が分かっていたら、次に来る音を分析しながら覚えることが出来ます。
和声学を勉強しているとなぜこの音が来るのかという理由を意識しながら覚えることができるので、ただ暗譜するよりも暗譜がしやすくなるのです。
お辞儀の和音は音楽理論の入り口
いかがでしたか?
お辞儀の和音はよく耳にすることがあるため、特に意味がない音だと思っている人は多いのではないでしょうか。
けれど、お辞儀の和音には和音の音楽理論をベースに作られています。
よく聞くお辞儀の和音はハ長調のものが多いのですが、それぞれの調でお辞儀の和音を弾くことができます。
お辞儀の和音にFのコードの和音を足せば伴奏にも使えるので、メロディに伴奏をつけて自分流に弾くことも可能です。
お辞儀の和音から音楽理論の和音を勉強すると新しい音楽の知識が増えていきます。
お辞儀の和音を入り口にして、音楽理論を勉強するのもおススメですよ。