子どもの不登校にお悩みの方は多いと思います。
そして不登校の原因が何なのかわからないことでモヤモヤと過ごしてらっしゃる親御さんも多いのではないでしょうか。
いじめや学校の先生とのトラブルなどはっきりした原因がない場合、不登校の多くは漠然としていて慢性的な不満やストレスが積み重なったものが多く、子ども自身もそれを整理しきれていないことがあります。
そのため不登校の原因が分からないのです。
目次
不登校の原因が分からない2種類のパターン
子どもが言わない場合
子どもが不登校になるとまず親は「なぜ行けないのか?」を追求したくなります。
しかしそんな風に親が質問すればするほど、子どもは心を閉ざし口を閉ざしてしまうのです。
それは親が子どもの心に寄り添っているのではなく、学校に行かせることを目的として「なぜ?」と聞いているからです。
まずは学校へ行けない理由を追求するのではなく、学校へ行けない状況の子どもの心を知ろうとしてください。
子ども自身も分からない場合
不登校の理由が分からない場合として、子ども自身も理由をはっきり説明できない場合があります。
なんとなく教室に馴染めない、雰囲気が嫌、対人関係や日々のストレスなど様々な要因が積み重なって学校に行けなくなる場合もあります。
毎日なんとか乗り切っていたけれど、小さな疲れが積み重なってバッテリーが切れてしまった状態です。いつの間にかエネルギーを使い果たしていたんですね。
この場合子ども自身も何が原因がはっきりと言葉にすることができません。
しつこく追求すると子どもは親が納得しそうな理由を考え適当に言うことがあります。
しかしそれはあくまでも本心ではないため根本的な解決には至りません。
そして適当に言った理由により子ども自身が罪悪感でさらに追い詰められることもあります。
原因が分からない不登校って結局どういうこと?
原因が分からない不登校の特徴としては、本人にも理由がわからなかったり、学校に行こうとすると発狂する、パニックになる、号泣する、眠ってしまう、など拒否反応として体にでる場合もあります。
明日こそは学校に行くと言っていても朝になると起きられなかったり不調が出てくるので本人はもちろん周りも困惑してしまいます。
なぜ学校に行けないのか本人もしっかりと認識していない場合は余計につらい状態となります。
原因の分からない不登校はサボりや甘えではないかという疑い
そんな子どもの様子を見ていると、学校に行けないのは子どもの気持ちの甘さやさぼりが原因ではないかと思ってしまいます。
はじめのうちはひっぱってでも学校に行こうとしますが無理に行かせようとすればするほど子どもの心や体は動きません。
甘えやさぼりかどうか見分ける方法
甘えやサボりか見分ける為には子どもの次のような様子に着目してみましょう。
- 本来は学校に行くべきだという意識があるか
- 学校に行けていないことに罪悪感を感じているか
- 状況を苦しんでいるか
上記のような状態がすべて当てはまるようなら甘えやサボりではなく、本当に学校に行けない状態と判断してよいでしょう。
不登校の原因は分からなくていい
不登校の原因が明らかにいじめなどでない場合、私は原因を追求することはあまり意味のないことだと考えます。
原因を追及してそこから解決しようとしてもうまくいかない場合が多いからです。
不登校になる子どもは何かしら心に負担や苦しみを感じています。
その理由は本人にも分からない場合が多く、学校に行きたくても行けない状態に戸惑っているのは本人なのです。
そのため「みんな学校に行ってるんだから」などという言葉をかけて学校に行かせようとするのはやめましょう。
原因の分からない不登校にどう対応すればいいのか
ここまで不登校の原因はわからなくていい、と解説してきました。
では原因の分からない不登校に私たちはどのように対応すればいいのでしょうか。
不登校を理解すること
原因の分からない不登校からの回復の第一歩は親が子どもの不登校を理解することです。
原因の分からない不登校があってもいいということ、子どもが何らかの苦しみを抱えているということ、それでも行けないという状況にあるということ、それらのすべての状態をしっかり理解して、受け入れてあげましょう。
子どもの幸せは何かを考える
子どもにとって一番良いこととは、学校に行くことでしょうか?
いいえ違います。
子どもが笑顔で日々過ごせるようになることですね。
学校に行くことが目的でも、学校に行けば解決することでもありません。
そのためには、学校に行くという課題は遠くに置いておきましょう。
子どもが安心して安らげる空間を
そしてまずは子どもにたっぷりと休息を取らせることです。
家で安心して過ごせるように、環境を整えてあげることです。
環境を整えるとは、ベットや毛布を用意することではなく、親が心から「家でゆっくりして大丈夫だよ」と見守ってあげることです。
「学校に行けないことに罪悪感を持たなくても大丈夫だよ」、「学校に行かないことであなたの存在が否定されることはないのよ」と言ってあげることではないでしょうか。
まずは子どもが安心して家庭で安らげる空間を作ってあげましょう。
そうして子どもが心を落ち着かせて休息できたとき、初めて不登校から回復できるのではないでしょうか。
子どもの自己肯定感を高める
自己肯定感が低いとどうしても傷つきやすかったり、諦めてしまったりします。
自己肯定感を高めると自分を尊重し、自分自身に自信を持って過ごせるため、他者に対しても尊重しあえる関係をつくることができます。
今の自分を受け入れて安心感を持って前に進むことができるのです。
そんな自己肯定感を高めるには、小さな成功体験を積み重ねていくことです。
今子どもが興味のあること、好きなこと、続けていることなどなんでもかまいません。
小さなこと、出来て当たり前と思っていることにもしっかりと目を向け、褒めてあげましょう。
認めてあげましょう。
結果だけではなく、頑張っている課程や、最後までやり遂げたこと、自分で考えて行動できたことなどをきちんと見て褒めてあげることが大切です。
そんな毎日の小さな成功体験や認められているという感覚が子どもの自信へつながっていきます。
親が現況を嘆くのではなく子どもと前向きに向き合える状態になり関われば、子どももまた前向きな気持ちで自分の道を探せるようになるのです。