学校生活での大切なイベントである修学旅行。
しかし子どもが不登校の場合、修学旅行に行こうとするのか?行かせてもよいのだろうか?と迷ってしまいますよね。
学校には行けないけれど行事ごとならば参加できるというお子さんも少なくありません。
そんな不登校のお子さんが修学旅行に行くことで得られるものや注意する点について考えていきましょう。
修学旅行で得られるもの
修学旅行は学校生活の中でも大きなイベントの一つです。
そんな修学旅行に行くことで不登校生が得られるもの(メリット)について考えていきます。
よい刺激になる
不登校生にとって修学旅行は良い刺激になり、不登校回復のきっかけとなる場合もあります。
しかし無理矢理に行かせるのでは意味がありません。
不登校の子どもたちはみな内心「修学旅行には行きたいなぁ」と思っているでしょう。
みんなと同じように楽しみたいと思ってるのです。
しかし学校に行けないのと同じで、子どもたちはさまざまな不安を抱えている状態です。
そんな中で無理矢理連れていっても不登校の解決には至りません。
まずは家庭で子どもの話をしっかりと聞き、心の安定を図るようにしましょう。
その上でお子さんが就学旅行に行きたいと言う場合は、修学旅行に行かせてみてもいいでしょう。
学校に行きたい気持ちを取り戻せる
学校の様々な出来事につまづき不登校になっている場合、修学旅行をきっかけに「学校ってちょっといいかも」と楽しい一面を思い出すきっかけになります。
そして思い切って行ってみて、みんなと行動することで思い出ができたり、友人と過ごす時間の充実感を思い出すことができるのです。
家に居るよりも楽しい、と興味がわくことで学校へ登校することのきっかけになる場合もあります。
就学旅行に行く時に注意すべきこと
それでは続いて不登校生が就学旅行に行く場合に注意すべきことについてみていきます。
友達と馴染めるがどうか
不登校の度合いにもよりますが、ほとんど学校に行けていない場合クラスのお友達に馴染めるかということが問題になってきます。
小グループでの自由行動の時間もありますので、同じ班には気軽に話せる子や仲の良い子を入れてもらえるようにするといいですね。
そして先生には馴染めないかもしれないのでサポートして欲しいとお願いしておきましょう。
子ども自身も「修学旅行だけ行ったら周りの子からどう思われるのだろう?」という不安を抱いている場合もあるでしょう。
そんな不安を抱えたまま就学旅行に行くことにならないように就学旅行の前から何回か学校に足を運び慣らしておけるといいですね。
中にはやっと集団に入っていった不登校生に向かって、心ない言葉を投げかける生徒もいます。
「あの子誰?」
「なんで学校に来ないのに修学旅行だけ来てるの?」
と疑問に思ったり、嫌みを言う生徒もいるかもしれません。
口には出さなくてもグループがそんな雰囲気になってしまったら居づらくなってしまいますよね。
不登校になってしまう子の傾向として多感で傷つきやすい性格の子が多くいます。
不登校生が修学旅行でそんな状況になることで、余計に学校が嫌いになりその後ますます学校に行けなくなることもあります。
体力がついていけるか
不登校の子が修学旅行に行く際に最も気にかけておきたいのが子どもの体力面です。
普段家にいることが多く歩く機会も少ない子どもは少し前から近所の周りを散歩するなどして体力が衰えていないか、しっかりと歩くことができるか?を確認していきましょう。
普段からたくさん歩いている子とは歩くペースも違うかもしれません。
その点をしっかりと把握して体力をつけておくことが大切です。
普段不登校で人と関わらない生活をしている子が、急に長時間他人と一緒に過ごすことは大きなストレスとなります。
体力をつけておかないと、疲れが体に出て発熱や体調不良を訴えることになりかねません。
準備段階から参加する
修学旅行とは旅行の当日だけのことではありません。
修学旅行には事前準備の時間があり、その時間を共有することも大切です。
事前準備とは
- グループを作る
- 学校が準備したガイドブックや雑誌を読む
- 自由時間にしたいこと、食べたいものを決める
- 自由時間のスケジュールを決める
このような内容です。
事前に何度かグループで話し合い決めてしまうので、当日だけ参加しても自分がどこに行くのか?わからない場合があります。
そうなると孤独を感じてしまい「楽しくなかった」という感想で終わってしまうかもしれません。
そうならない為にも修学旅行の話し合いの日はなるべく登校できるようにサポートしましょう。
クラスの子と楽しい時間を共有することで就学旅行へのイメージも具体的になり楽しみになりますし、学校への回復にも希望が見えてきます。
どこに行くのか?何をするのか?
漠然としていては不安ですよね。
旅行のスケジュールを把握しイメージをしっかりと持てていると安心です。
迷ったら行かなくてもいい
不登校生の就学旅行について考えてきましたがいかがでしたか?
不登校生が修学旅行に行く際に注意したいことについて解説してきました。
学校に行けなくなることで不登校児本人も苦しんでいます。
そんな中で少しでも就学旅行に興味が沸くのであれば、挑戦してみてください。
でも、「学校に行ってないのに修学旅行だけ……」という後ろめたい気持ちを持っているようならオススメしません。
そんな状態では本人が周囲の目を気にして楽しめない場合があるからです。
旅行は人生のうちで何度でも、何歳になっても行くことができます。
気持ちが落ちついて心から旅行を楽しる状態になってから、気の合う友人と旅行に行くことも修学旅行に負けない思い出になるのではないでしょうか。
もちろん修学旅行には「行った方がいい」や「行かないほうがいいい」など親が意見をおしつけるのではなく、子ども自身の意思に任せるのが一番だと思います。
行くことも行かないことも本人が選ぶということ。
行かないという他者とは違う選択をしたとしても家族はそれを認め、受け入れてあげることが大切です。
家族が子どもの気持ちを理解してあげることで、子どもたちの心の傷は癒えて行くのです。
焦らず、じっくりと話を聞いてあげてください。