大学生の登校拒否や不登校というと、それまでの学校生活でも登校拒否を繰り返していた子が多いのでしょうか。
実際にはそうとも限りません。
ではなぜ大学生は登校拒否になってしまうのでしょうか。
将来の夢や職業に近づく為の大学進学。
自分のしたいことが学べる大学に進学したはずなのに不登校になってしまうのにはどのような理由があるのでしょうか。
今回は大学生の登校拒否について考えてみたいと思います。
目次
大学生が登校拒否になる理由と対応策
大学生が登校拒否になるにはどのような理由があるのか、その理由やきっかけと、対応策について考えていきましょう。
自己肯定感が低い
自己肯定感の低い子は大学生になって新しい環境に馴染めず、自信を失ってしまうことがあります。
自分に自信がない子は、新しい知識を吸収することに大きな不安があります。
これまでの小さな失敗や経験が積み重なり、できると思えなくなってしまうのです。
大学では生徒の数も多く、様々なタイプの生徒が集まってきます。
今まである程度自信のある分野であっても、上には上がいるものです。
そんな周囲の人に気づいたとき、自己肯定感が低いと「自分にはできないんだ。ダメなんだ」とネガティブに捉えてしまいます。
対応策
自己肯定感をあげるには小さな成功を増やすことです。
自分では当たり前にできることも、他の人から見ればすごいことというものがたくさんあります。
自分で当たり前と思うことも「できた」ことを書き出してみましょう。
そして、周囲を気にしすぎないことです。
人の評価ではなく、自分が自分を信じて認められるように意識してみましょう。
ささいな前向きな気持ちが積み重なると思考のクセがポジティブになり、自信を持てるようになるでしょう。
現実とのギャップがあった
将来の夢やなりたい職業に向けて学ぶ大学でのカリキュラム。
しかし実際に学んでみると、思っていたよりきつかったり、膨大な勉強量にうんざりしてしまうこともあるでしょう。
どの職種も、好きなことだけを学べばいいというわけではありません。
付随する様々な内容の勉強やスキルを身につける必要があるのです。
学科によってはたくさんの課題が出る場合もあります。
授業内容について行けない、課題ができあがらない、できあがっても思っていた評価がもらえないなどの理由で行き詰まってしまうことがあります。
そして想像していたキャンパスライフとのズレに心が追いつかなくなってしまうのです。
対応策
一度よく考えてみましょう。
本当にその職業につきたいのでしょうか?
本当にその分野の勉強がしたいのでしょうか?
目の前の課題をすべてこなすことが条件となる場合、自分がしたいことは本当になんなのか?
考えてみましょう。
また、分野を網羅するのではなく、たった一つでもいいので得意な分野の研究をしてみるのもおすすめです。
これだけは誰にも負けないというテーマがあると、強みにもなりますし自信につながり、他の行動も前向きに動けるようになります。
人間関係がより複雑になる
大学になると、授業だけでなく、ゼミやサークル、アルバイトなど様々な人間関係を築くことになります。
単純に友人や講師との関係だけでなく、その人間関係は複雑になり、時にはうまくいかなくなることもあります。
対応策
人間関係は社会に出てからの練習にもなります。
しかし必ずしもすべてで良い顔をする必要はありません。
合わない人とは距離を置くようにしましょう。
自分でしんどくない程度の距離を見極められるようになりましょう。
土地になじめない
大学の為に上京したり都会に出る学生は多いです。
反対に地方の大学に進学する子もいるでしょう。
そのため初めての一人暮らしで親元を離れる生徒も少なくありません。
慣れない一人暮らしは気楽で自由な反面、生活の乱れにつながる場合もあります。
同時に新しく慣れない環境に大きな不安を抱えています。
また、住む場所が違えは人の歩くスピードや言葉も違います。
服装に気をつかったり、周囲の人が気になってしまうでしょう。
人との関わり方や距離感も違ってきます。
そんな都会や地方の生活になじめる子もいれば、時間のかかる子もいます。
なんとなく環境が合わないと感じる子もいるかもしれません。
対応策
進学した先の土地の良いところを見つけられればいいのですが、どうしても馴染めない場合は、大学の在学中の4年間、または2年間だけと割り切って過ごすことです。
ずっと一つの土地で過ごした子と、色々な地を経験している子では視野の広がり方も違います。
そんな経験を積んでいるのだと前向きに考え、就職先は地元で探しましょう。
バイトが楽しくなりすぎる
大学生になると、小遣いや学費を自分で働いて稼いでいる子も多くいます。
アルバイトを頑張りすぎるあまり、日中起きていられず寝てしまうという子もいます。
時間給のバイトは働けば働いただけお給料が目に見えて増えるので喜びに直結します。
そのためバイトを頑張り過ぎてしまうのです。
対応策
バイトを頑張りすぎて大学に行けなくなるのでは、本末転倒であるということを考えましょう。
もちろんアルバイトが自分に合っておりそのまま就職してしまう場合もあります。
しかし、基本的にはアルバイトはあくまでも学業の傍らにするものであると心得ましょう。
入学したのが第一志望の大学ではなかった
入学した大学が第一志望の大学でなかった場合や希望の学部ではなかった場合、入学後に学業に対するモチベーションが保てず、登校拒否になってしまう場合があります。
入学しやすい大学を選んだ、親の希望する大学を選んだなど、自分が納得していない学校に入学してしまった場合は、入学後やはり違和感を感じることとなります。
対応策
第一志望でなくても、大学で学んだことはどこかで役に立つ日がやってきます。
少しでも自分の好きなこと、興味ある分野を見つけて勉強してみてください。
また、どうしても全く違う分野の大学に来てしまったと思う場合は、潔く編入などを検討しましょう。
違和感を抱えたまま居続けてもいいことはありません。
本当に自分のやりたいことを学びましょう。
社会にでることの不安
大学生になると目の前にあるのは「就職」です。
就職活動や職場実習、実際に会社でアルバイトとして働くこともあるでしょう。
本当に就職できるのか?このまま就職していいのか?
もっといい会社があるのではないか?
自分を受け入れてくれる会社はあるのだろうか?
様々なことを考え、大きなストレス、不安を抱えています。
そして就職活動は同級生との競争になります。
競争が苦手な子には就職活動自体が大きなストレスとなります。
対応策
色々な就職先があります。
大きな企業に就職することがイコール幸せな就職とは言えません。
自分に合った就職先を見つけるとこを目標としましょう。
理由がわからない
登校拒否になる大学生の中には明確な理由がわからないとう人もいます。
なんとなく学校の雰囲気が合わない、友人となじめない、学校に行くことに恐怖を感じているなど、日々の小さなストレスが重なり行けなくなってしまうものです。
対応策
理由の明確でない登校拒否の場合は、原因を追及することが先決ではありません。
まずはゆっくりと休むこと。
心と体を休ませることからはじめましょう。
まとめ
大学生の登校拒否について考えてきました。
大学生は社会に出る一歩手前の大切な時期です。
親に決断を委ねるのではなく、自分の力で考え進むことが必要になります。
さまざまな要因のある不登校ですがどのタイプの不登校の場合も一人で抱えこまず、周囲の人に助けを求めましょう。
様々な人の意見を聞いたり、話を聞いてもらうことでおのずと自分の本当に望む道が見えてくるはずです。
焦らず、じっくりと自分自身と向き合ってみてください。