「うちの子が不登校になったのは何が原因なのだろう……」
と頭を悩ませている親御さま。
原因も分からないまま学校に行けずにいる子どもの姿を見るのは、たいへん苦しいですよね。
そして、子どもの不登校の原因が分からないことに、心のどこかで負い目を感じている方もいらっしゃるかと思います。
私は16歳の頃に不登校になりましたが、当時はなぜ学校に行けないのか自分自身でも決定的な原因が分からずにいました。
本人ですら、なぜ学校に行けないのか分からないことも少なくありません。
ですので、親御さまが不登校の原因が分からなくても、仕方がない部分もあるかと思います。
とはいえ、前に進むためには分からないなりにも原因を紐解いていくことは不可欠です。
そこで今回は、不登校になる原因とその解消法を説明します。
目次
私が考える不登校に陥る主な原因
不登校になる原因は大きく以下の6つに分けることができます。
- 無気力
- 学校生活でのトラブル
- 家庭環境
- 発達障害
- 思春期に発症しやすい病気
- 子どもが学校に行けない原因が掴めずにいる
- 不登校の原因を突き止めたい
という親御さまは、ぜひご一読ください。
不登校になる原因は一つだけではない
大前提として、子どもが不登校になる原因は一つだけではありません。
いくつもの要素が複雑に絡まり合い、キャパシティを超えたときに学校に行くことが出来なくなります。
そして、探り当てたさまざま原因には、それぞれに解消すべき優先順位もあります。
問題を一時的に解消できたとしても、根本的な原因を解決できなければ遅かれ早かれ不登校をぶり返してしまうからです。
寒い日に薄着で出かけたことで風邪を引いてしまった子どもに、風邪薬を飲ませたところで根本的な解決にはなりません。
真に必要なのは、寒い日には防寒具を身につけることを教えてあげることです。
そうでないと、風邪の症状が治まったとしても、また同じことを繰り返すからです。
不登校の場合でも考え方は同じです。
原因を探り、それらを解消して不登校を脱するためには、根本的な原因に触れる必要があります。
これらのことを前提知識として頭に入れておいていただけると幸いです。
不登校の原因①:無気力(燃え尽きなど)
もっとも多いとされる不登校の原因は「無気力」です。
無気力というと怠惰やだらけているような印象を受けますが、張り詰めていた糸がぷつんと切れてしまったというとイメージしやすいのではないでしょうか。
無気力による不登校は、真面目で努力家な「いい子」によく見られます。
真面目な子ほど完璧主義になりがちです。
そういった子は、大切なテストや部活動の試合などで、知らぬ間に精神をきりきりとすり減らしてしまいます。
まずは、胸のうちに溜め込んでいるものを吐き出せる機会や場を設けてあげると、問題の解決へと近づくヒントが得られるかもしれません。
不登校の原因②:学校生活でのトラブル(いじめや友人関係など)
学校生活の中で起こる
- いじめ
- 友人関係
- 教師との不一致
- 成績不振
などのトラブルは、子どもが不登校になる代表的な原因です。
これらの原因は親だけで解決しようとしても、どうしても限界があります。
ですので、学校や公的な相談窓口など、第三者の力添えを仰ぐことをおすすめします。
また、これら学校のトラブルの根本には、後述する「発達障害」や「思春期特有の病気」が関わっていることも珍しくありません。
私も、自身が抱える過眠症が原因でうまく学校生活が成り立たないこともありました。
つい学校や教師、友人など「子ども以外」に意識を向けてしまいがちですが、子どもとの対話を忘れないよう心がけてみてくださいね。
不登校の原因③:家庭環境(親子関係や金銭的な問題など)
マジョリティではないもの、「家庭環境」が不登校の根本的な原因の子どももいます。
たとえば、親の気を引きたいがために、不登校になる子どももいます。
さびしさなどから親に心配をかけることで、
「じぶんは親にとって大切なんだ」
という安心感を得るためです。
はじめは小さなことからで結構です。
親子関係や家族の雰囲気など、今一度見直してみるのも不登校解消への一歩です。
不登校の原因④:発達障害(アスペルガー症候群やADHDなど)
最近ではメディアでも取り上げられて認知されるようになった「発達障害」も不登校の原因になります。
発達障害の子どもには、
- 授業中じっと座ってられない
- 相手への想像力に欠いてコミュニケーションが難しい
- 強いこだわりがあり集団での生活に馴染めない
などの特徴があります。
これらの特徴はほんの一部ですが、発達障害の子どもは画一的な集団生活への適応が困難です。
それゆえに、学校生活に息苦しさを感じ、足が遠のいてしまう子どもも少なくありません。
障害というと大事のように思えてしまいますが、それらはあくまで「脳のクセ」でしかありません。
子どもがそのクセと上手に付き合う道を模索することで、復学への道が見えてくることもあるでしょう。
不登校の原因⑤:思春期に発症しやすい病気(起立性調節障害やナルコレプシーなど)
思春期に発症しやすい病気も不登校の原因になりえます。
自立神経の調節がうまくできない「起立性調節障害」や、昼間抗えないほどの睡魔に襲われる「ナルコレプシー」などがその代表です。
これらの病気を発症すると、生活リズムを保つことが非常に困難になります。
私は中学3年生のときにナルコレプシーと診断されるまで、授業中や部活動中にこくんと眠りに落ちてしまうことにひどくコンプレックスを抱いていました。
居眠りしてしまうのは怠惰だからと、じぶんを責めるあまり一時は教室に入ることがままならないこともありました。
発達障害と同じように決して珍しい病気ではなく、思春期前後にはよく見られることです。
もしもお子さんが何らかの不調を訴えるようであれば、まずは保健室の先生や最寄りのクリニックに相談することをおすすめします。
まとめ:少しずつ悩みを紐解いて不登校の原因を見つけましょう
最後にここまでの内容をまとめます。
この記事では不登校になる主な原因として、
- 無気力
- 学校生活でのトラブル
- 家庭環境
- 発達障害
- 思春期に発症しやすい病気
の6つを挙げました。
それらを見つけるためにも、大切なのは子どもとの対話です。
また、
- 不登校の原因は一つだとは限らないこと
- いくつもある原因には必ず解消すべき優先順位があること
も大切なことですので頭に入れておいてくださいね。
不登校は、想像しているよりも長期戦です。
長い長いトンネルを、少しずつ手探りで歩いてゆくことになるでしょう。
しかし、その長くて暗いトンネルを抜けたときには、
「あの経験も大きくなるために必要だったのかもなあ」
と実感するはずです。
私は、不登校はじぶん自身が一皮向けるために通るべき道だったと思っています。
肩の力を入れすぎずに、長い目でお子さまと向き合っていただければと幸いです。