反抗期で不登校の子供への接し方。思春期の子どもに親が出来ることとは。

不登校は大抵の場合、思春期と呼ばれる中学生~高校生の時期に発生します。小学校低学年の不登校も無くはないのですが、比率としてはやや少ない値となっています。

何故、不登校が中学生辺りから増え始めるのかというと、思春期のこの時期は自分の生き方を見つめ直す期間で、子どもは大人からしてみればほんの些細なことで喜んだり落ち込んだり、悩んだり苦しんだりと感情が忙しく動く時期であるからです。

思春期を乗り越えてきた大人も、何となく覚えがあるのではないでしょうか。

しかし、全く同じものというわけでもないのです。社会が高度化した今日ではこの大人への準備期間とも言うべき思春期が長期化し、乗り越えるのも一苦労な大きな大きな壁と化しているところがあります。

例えば、人間関係を築くだけでも、スマートフォンなどの電子機器の発達やSNSの登場によりコミュニケーション自体が多様化・難解化しているのがお分かり頂けると思います。昔に比べ、不登校が増加しているのはこのような背景もあると考えられています。

思春期が伸びている。これだけならそこまで気にすることは無いかもしれませんが、ちょうど同じ時期に大人を悩ませる現象も発生します。それが『反抗期』です。

大人が何か言えば「うるさい」、「黙れ」と言い返し、素直に話を聞き入れてくれることはまず無い。

時には、同じ空間にいることさえ困って逃げてしまうことさえもある……この現象、ホルモンバランスの乱れから子どもが苛立っていることも原因のひとつなのですが、いわば大人から離れ、巣立っていくための準備期間でもあって、大人に頼りたくない、頼ってはいけないという思いが回りまわって反抗的態度に変化しているのです。

ただでさえこの期間は子どもとの距離感に悩む時期です。そこに不登校問題が重なってしまえば、非常に厄介なことになります。

話し合うべきなのに、親に反発して口を聞いてくれない。

しかし、強気に出てしまえば尚更心を閉ざしてしまい、不登校が悪化するかもしれない……こうなってしまうと、何を言えば良いのか・何をすれば良いのか分からなくなってしまいますよね。

この記事では、不登校で反抗期な子どもへの対処法をご紹介していきます。

基本的には付かず離れずがベスト

不登校になってしまって心配だからといって、子どもの行く場所行く場所に先回りしたり、何かと手を出したりするのはあまりよくありません。

何しろ「親離れ準備中」な反抗期中ですから、そんなことをすれば間違いなく強く反発されてしまいます。

時々、一切反発せず、親に頼りきり・甘えっぱなしな子どももいるのですが、後々巣立っていくことを考えた場合、これはこれであまりよろしくない状況です。

そもそも不登校の原因になりがちな事象として『無関心・無気力』というものがあります。

子どもが何事にも無関心になり、学校に行かなくなってしまっただとか、無気力で動かなくなってしまっただとか、そういった事態の背景には親の過保護・過干渉が比較的高い割合で発生しているそうです。

例えばやりたいことがあっても、「危ないから」だとか「あなたには無理」だとか散々言われ続けたとしたら、逆に何をするよりも先に「こうしなさい」、「これ以外は駄目だ」と言われ続けたとしたら、どう思いますか。やる気が無くなってしまいますよね。

不登校真っ最中の子どももこれは同様で、親に構われ過ぎると復帰意欲が沸くとか沸かないとか以前の問題になってしまうのです。

恐らく、反抗期中の子どもでも構い続ければ次第に反抗は止んでいきますが、それはただ単に反抗する気力が無くなってしまった=何を言っても無駄なのだと捉えてしまったのであって、気持ちが通じたわけではないので要注意です。

寄り添いたい気持ちも構いたくなる気持ちも分かりますが、最低限「子どもが自分で出来ること」に関しては傍観者に徹するべきでしょう。

大変なんだからといって手を出していては、反発されるか逆に何も出来ないくらいに甘え切ってしまうかのどちらかにしかなりません。

ただし、新しく習い事を始めたいだとか、行ってみたい場所があるだとか、子どもだけの力では出来ないことを子どもが望み始めた場合は何かしらの形で親が力を貸すべきでしょう。

子どもがある程度大きくなってからは、親が手を貸す場面は少なくしていくべきなのです。それは相手が不登校の子どもであっても変わりません。そのために反抗期があるのだということを、忘れてはならないのです。

一番大切なのは、親が不登校を受け入れること

反抗期(思春期)の子どもは、親が思うよりもずっと色々なことを考えています。そもそも、考える力が付かなければ反抗期にはなっていないのですから、当たり前ですよね。

そのため、不登校中の子どもは親に言われるまでもなく「学校に行かなければいけない」、「このままでは駄目だ」と理解しているのです。自分で分かっていること、分かっているのに出来ないことをしつこく言われることほど、嫌なことはありません。

だからこそ「学校に行って欲しい」、「行かないなら働け」と親が言えば、不登校であることも相まって強く反発してしまうのです。

本来であれば、この時期の子どもは友達と一緒にいることを好むものです。ですから、どんな事情で不登校になったとしても、子どもは「現状を変えたい」と強く思っていることが多いです。

好きでダラダラしているわけではありません。それを親が理解していなければ、口には出さずとも態度で示してしまうことでしょう。

ですから、子どもに接する際にはまず「時間が掛かるもの」、「今はゆっくりする時間」だと理解したうえで、基本的には受動的に動くべきでしょう。

そもそも親も人間ですから、子どもに強く反発され続けていればイライラしてしまうものです。

強い言葉を掛けずとも「どうして学校に行かないの」と言う問いかけも負担になる可能性が高いです。

この時期の子どもは根掘り葉掘り事情を聞かれることを嫌う傾向があります。子どもの中で自分の現状に対して決着がついていなかったり、そもそも人にあまり言いたくないようなことが起こっていたりするかもしれません。

子どもが不登校になった時にはあれやこれやと理由を聞くのではなく、子どもの方から話をするのを待つべきでしょう。

反抗期の子どもは扱いに悩むという悪い面もありますが、言語や態度でしっかりとコミュニケーションが取れるという良い面もあります。ですから、子どもが何かを訴えたい時には自分から何かを訴えてくれる筈です。焦らずに、信じて待つことが大切です。

あまりにも話を聞こうと無理に接触し続けると、普通に反発心を見せるだけではなく、「そんなに信用がないのか」、「自分のことを心配しているのではなく、世間体が悪いから何とかしたいんだな」と歪んだ解釈をされてしまう可能性があります。

日本人は周囲と一緒でなければ気が済まないところのある民族ですから、子どもが不登校になってしまった時、真っ先に「そんなの許さない」と考えてしまう親が多いのが事実です。

そして不登校の子どもは、「周囲の視線が気になる」という思春期ならではの特徴を持ちますので、そのような親の感情を機敏に察してしまうものなのです。

反抗期になったからと言って、全ての子どもが言うことをろくに聞かなくなるというわけではありません。あまりにも言うことを聞かないのであれば、そこには何かしら理由があると考えられます。

おすすめの記事