節約したいなら家計簿は必須?お金が貯まる家計簿の種類、続けるポイントを紹介
節約して貯金額をアップさせたいとき、「まずは家計簿をつけようかな」と考える方は多いのではないでしょうか。
しかし、家計簿をつけ慣れていないと、なかなかうまくいかず、途中で挫折して続かないこともあるはずです。
そもそも節約に家計簿は必要なのか、家計簿を続けるコツはあるのかなど、家計簿にまつわる疑問があるかもしれません。
今回は、節約したい方に向けて、家計簿の種類やつけ方、継続のポイントなどを紹介します。
目次
節約中に家計簿をつけるメリット
そもそもなぜ節約中に家計簿をつけるのでしょうか。
家計簿は家計が「見える化」される点に大きな意味があります。
仮に、ご自身の収入や支出をすべて事細かく把握しているような人がいれば、その人は家計簿をつける必要はないといえます。
すでに無駄な項目を知っていますので、節約もうまくいっているでしょう。
しかし、収入や支出を細かく把握している人は決して多くないはずです。
毎月のご自身の給与がいくらなのか、食費や交際費はいくらかかっているのか、はっきりと述べることができるでしょうか。
そうでなければ、家計簿をつけて見える化する価値は十分にあるでしょう。
見える化する目的は、当然無駄を見つけて省くことです。
何にいくらお金をかけているのかが一目瞭然となるため、節約をするうえで具体的な行動につながりやすくなります。
たとえば、通信費にお金がかかっているのであれば格安スマホに変更を検討する、外食費が多くかかっているのなら月の外食回数を決めるといった具合です。
長く家計簿をつけていると、他の年の支出項目と比較し、意識的に抑えることもできます。
「なぜか今年は電気代が去年より多い」とわかれば、その原因を探り節約を心がけるでしょう。
また、「5年後にはマイホームを建てたい」「来年は海外旅行に行きたい」といった希望に対し、月々いくら貯めていくことで叶うのか、逆算しながらその道筋を立てることができます。
ただやみくもに「お金を使わない」のではなく、お金がかかり過ぎている部分を上手に削っていくことが大切なのです。
家計簿にはさまざまなタイプがある
節約するために家計簿をつけようと思っても、いろいろなタイプの家計簿があることに気づきます。
ここでは、家計簿の種類を特徴とあわせて紹介します。
ノートタイプの家計簿
古くからある家計簿がノートタイプで、根強い人気があります。
ノートタイプとひとくちに言っても、本屋でずらりと並んだ既製品や、大学ノートなどを利用して自分で作成するタイプもあります。
ノートタイプは、いつでも思い立ったときにすぐに開くことができ、ペンでささっと記載できる手軽さがあります。
パソコンを立ち上げる必要もなく、スマホのネット接続状況を気にする必要もありません。
既製品については、「貯まる!」「これなら続けられる」など、制作者側のうたい文句がいろいろと書かれていますが、手に取って開いてみて、使いやすそうなものを選ぶとよいでしょう。
字が大きいもの、持ち運びしやすいもの、好きなキャラクターのものなど、ご自身の好みで選ぶことをおすすめします。
手書きの手帳を選ぶのと同じような感覚でよいでしょう。
アプリタイプの家計簿
スマホにダウンロードするだけで利用できるアプリタイプの家計簿も人気です。
すでに項目が設定されているため、収入や支出などの数字を入力するだけで計算やグラフ作成はアプリがしてくれます。
食費のように項目を細かくわけたいものについては、レシートの撮影機能がついているタイプもあります。
アプリの場合には金融機関やクレジットカード情報などを紐づけて一括管理できることがあり、それひとつでお金の管理が完了する利便性の高さに定評があります。
また、スマホがあれば家計費チェックができますので、仕事帰りの電車の中、歯医者の待ち時間など、スキマ時間を活用できます。
忙しくて時間がない方には向いている方法だといえるでしょう。
無料の家計簿アプリも数多くありますので、まずは試してみたいという方は無料のものから始めてみるとよいでしょう。
パソコンタイプの家計簿
ご自身でエクセルを使って作成する方法や、パソコンに家計簿ソフトをインストールする方法などがあります。
エクセルが得意な方は自由に項目を設定しながら楽しく作成することができるかもしれません。
ソフトをインストールすればアプリと同じような感覚で家計簿をつけることができます。
スマホのような小さな画面で見る必要がなく、人によっては使いやすいと感じるでしょう。
結局、どの家計簿がよいの?
世の中には、「絶対にアプリの方が便利」「ノート型の方が書くことで意識される」など、さまざまな意見があります。
しかし、どのタイプの家計簿がよいのかははっきり言って本人の好み、性格、生活環境などによって異なります。
細かく書くことが好きな人もいれば、とにかく楽して家計簿をつけたい人もいるでしょう。
大切なのは、無理なく続けられる方法を選ぶことです。
巷に「オリジナル家計簿」なるものが多数販売されたり、紹介されたりしているのも、その人にとってはその家計簿が一番フィットするものだからです。
自分にどの方法が合っているのかを知るためには、とりあえず始めてみなければわかりません。
ほとんどお金をかけずに始められる家計簿も多いので、あまり考えすぎることなく始めてみてもよいでしょう。
節約できる家計簿のつけ方
節約できる家計簿を作成するといっても、具体的にどうつければよいのかわからない方もいるでしょう。
ここでは、家計簿の基本的なつけ方、ポイントを紹介します。
家計簿の予算はどう決める?
予算は収入や子供の人数などによって大きく異なりますので、他の家庭の金額をまるまる参考にすることはできません。
家庭に適した予算は、実際に家計簿をつけ始めてから徐々に固まってくるものです。
しかし、最初に予算を決める必要はあります。
それを決める材料として、一般的に収入に対する適正な割合というものがあります。
以下、家計簿の代表的な項目の理想とされる割合を紹介します。
- 住居費…20~30%
- 食費…15~20%
- 水道光熱費…6~8%
- 日用品費…2~3%
- 保険料…3~6%
- 貯蓄…10~30%
- 交際費2~5%
- 娯楽費、被服費…あわせて5~8%
項目によって幅が広いのは、一人暮らしや親と同居など状況によって適正な割合が異なるからです。
子供がいるご家庭では教育費や子供費なども必要でしょう。
ただし、目安にはなりますのでここから大きく外れていないかを確認し、予算を組みましょう。
「我が家は子供が高校生だから貯金は少なめ」「両親と同居していて住居費が浮くから貯金をたっぷりしておきたい」など、ご家庭の事情にあわせて調整してください。
家計簿の予算組みで重要なポイント
予算を組むにあたり、節約するための重要なポイントが2つあります。
1つは、予算を組むときに、毎月必ず貯金する額を決めておくことです。
そして、家計費が残ったら貯金するのではなく、先に別の口座に移すなどして貯めておきます。
こうすることで、毎月定期的に貯金することができ、支出に細かな変動があった場合でも貯金額を減らさずやりくりする癖をつけることができます。
もう1つは、予算を厳しく設定しすぎないことです。
予算が未達となってストレスが溜まりやすく、リバウンドで大きな浪費につながりやすくなるからです。
予算は何かなければ達成できるくらいに設定しておき、お小遣いやレジャー費など、テンションが上がる項目も設けておきましょう。
収入と支出を記入する
予算を設定したら、収入と支出を記入します。
収入は給与、年金、副業収入、児童手当など、実際に手元に入ってきたものを記載します。
節約するための家計簿ですので、手取り収入を書くようにしましょう。
収入を記載することは楽しい作業ですから、仕事や副業を頑張るためのモチベーションとしてもよいですね。
家計簿の中でもっとも手間がかかる作業が支出の記載です。
家計簿は毎日つけるものとイメージされる方もいるでしょうが、決してそんなことはありません。
1週間に1回、10日に1回など、まとめて書いてもよいのです。
レシートを家計簿に貼りつけて、集計のみ週に1回おこなう方法でもよいでしょう。
ほとんどの支払いをクレジットカードで済ませている方は、月に1回カード明細を確認するだけでも家計簿をつけることができます。
また、毎日家計簿をつけなくてはならないほど毎日細々した出費があることは、まさに無駄がでていることの証拠でもあります。
家計簿をつけずとも節約できる項目がわかるのではないでしょうか。
最終貯金額を確認する
その月の家計簿をつけ終わったら、収入から支出を差し引き、最終的にいくら貯金ができたのかを確認します。
先取り貯金以外にも貯金ができれば褒めてあげましょう。
できなくても、先取り貯金をしているのですから、落ち込む必要はありません。
最終結果を確認することで、「今月は使いすぎてしまった!」など反省点が見えてくるはずです。
ここは必ず次月に活かしたいポイントですので、なぜ使ってしまったのかを分析し、次月の注意点としましょう。
節約家計簿を続けるコツ
とにかく長続きしないと言われる家計簿は、ご自身の性格によっては最初から諦めてしまうこともあるでしょう。
ここでは、家計簿を苦痛に感じず続けるコツを紹介します。
何のための節約なのかを明確にする
目標があることで人は頑張れるもの。
目標設定が大切です。
自分は一体何のために家計簿をつけ、節約を意識しているのかを考えてみましょう。
特に、楽しい目標を立てることをおすすめします。
節約はただケチケチしているとストレスが溜まり、継続することができません。
多少の「我慢」をすることはあっても、それをマイナスに捉えず「楽しい目標を達成するためのもの」とプラスに捉えるようにすることで、長続きすることができます。
たとえ「老後のため」と漠然とした節約目的がある方でも「老後にたくさん旅行に行く」「定年退職したら趣味を充実させる」など、楽しみになるような目標を立てておく方がよいでしょう。
細かくつけすぎない
ありがちなのは1円単位で細かく家計簿をつけた結果、面倒になり挫折してしまうケースです。
それでは本末転倒なので、おおよその収支があえばよしとしましょう。
大切なのは、何にお金を使いすぎているか知り、節約につなげることですので、1円単位でぴったりとあわせる必要はありません。
収支の記録表にならないようにしましょう。
項目を増やしすぎないことも大切です。
たとえば、読書家でなければ、書籍代の項目を作るのではなく、娯楽費や日用品費などに入れてしまってもよいでしょう。
車の保険、税金、車検費などは車費用としてひとつにまとめ、月割して計上することもできます。
そのほか、たまにしかない家電の購入費用やクリーニング代など、バラバラしがちなものはすべて特別費としておいてもよいでしょう。
何をどの項目に入れるのかは、ご自身でルール化しておくようにします。
月に1回の家族会議で公開しても
ご家族がいる場合には、月に1回家計簿を公開してみるのも楽しいものです。
今月はこれくらい貯金できた、先月と比べてどの項目にお金がかかってしまったのかなどを家族で共有することができます。
いくら節約を頑張っても、ご家族が協力的でないという不満はよく聞かれます。
それはご家族が家計状況を把握していないからであり、節約する意味を見出していないことに原因があります。
たとえば、節約して達成したい家族の目標を決めてみます。
「今年は家族旅行に2回行きたいから○万円貯める」としてもよいでしょう。
目標に向かって節約していること、その過程を知ることで、ご家族も協力してくれるようになります。
実は大事。1年に1回の家計チェック
どのようなタイプの家計簿でも続けられない方は、まずは年に1回の家計チェックから始めてみましょう。
必要なのは通帳やネットバンクの履歴だけです。
年末や年度末の残高を確認し、前期よりいくら増えているかをチェックすると、1年で増えた資産をおおよそ把握できます。
まったく増えていなければ家計管理に取り組む必要がありますが、ここでは固定費の見直しをすることが先決です。
住居費、通信費、保険料など、毎月必ず発生する固定費を下げる方法を考えましょう。
それだけで今年と同じ生活を送っても、次の年には残高がぐっと増えているはずです。
1年に1回、特別出費の予算を決めることもおすすめです。
次の1年に想定される特別出費をすべて書き出し合計し、月割します。
たとえば、お年玉や誕生日プレゼントなど、年のイベントとして必ず発生する項目です。
あらかじめ合計をだし、月々の予算として割り振っておくことで、急な出費にあわてることなく対処できます。
あとは先取り貯金の設定さえしておけば、家計簿をつけることが苦手な方でも節約になっているでしょう。
もちろん、これは家計簿をしっかりつけられる方でも活用できる方法です。
月の家計簿とともに、年の家計チェックもおこなうことで節約意識を高め、目標の貯金を達成させることができるでしょう。
最後に
いかがでしたか?今回は節約を叶える家計簿について紹介しました。
家計簿は自分なりのルールを決めて、やりやすい方法で続けることが一番です。
また、一生家計簿を続けなくてはならないわけではなく、収支を把握できたらやめ、収入や家庭事情に変更があったら再開するというスタンスでもかまいません。
とはいえ、どのような方法が自分にあうのかは始めてみないとわからない点があります。
家計簿を始めるためには高額な費用がかかるわけではありませんので、まずは無料のタイプなどを利用してご自身の傾向を把握してみてはいかがでしょうか。